先々週末の名古屋訪問、目的その2は美術館めぐり
夏に庭園美術館で行われた「森と芸術(★
)」展で初めて名前を知った
ヤマザキマザック美術館さん
このポスターに使われたメルヘンな感じの作品を所蔵しているのが
こちらの美術館なのです
工作機械の会社の私設美術館なのですが、ロココから
エコール・ド・パリまでのフランス絵画mアール・ヌーヴォー、
アール・デコのガラス工芸品・家具などを中心にコレクションしていて、
ざっくりとフランス美術の流れを感じることができます
オープンして1-2年のぴかぴかな外観ですが、展示室のあるフロアへ
エレベーターであがると・・・思わず「わぁ」って声が出てしまいます
はじめに通されるのは絵画展示室で、ロココからエコールド・パリまで、
時代毎に展示されているのですが、それぞれの雰囲気に合わせた
内装なのだそう
ちなみに館内のお写真は個人で楽しむ範囲ならOKとのこと
上のお写真は、古典主義やロココの作品のお部屋
柔らかく優美な作品たちに囲まれて、しあわせ~
こちらはポストカードより、ブーシェの「恋文」
美しくて優しい印象のこの作品、実は左から
恋文を送った主の男の子がのぞいています
いろんなドラマの想像に耽ってしまいました
こちらもポストカードより、ワトゥーの「夏の楽しみ」
じっと目を凝らすとたくさんの人物が
その細波のような視線や想像される物語の
拡がり方が好きです
印象派全盛期の部屋には、ピサロやモネ(かなり初期)、
写実派のクールベも
特にドニの「エウリュディケ」は、とても幸せに満ち溢れた
色使いなのに、描かれているのはとんでもない悲劇で(ちょうど
オルフェウスの妻が毒蛇に襲われたシーンです)、その対比が
すごく鮮やかに感じられたというか、印象的でした
エコールド・パリの部屋にはシャガールやスーチンなど
スーチンの作品、「節のある木」は、怒りでも悲しみでもなくて、
でも何か激しい感情が感じられて、心をきゅぅっと掴まれます
そうそう、絵画展示室にはところどころロダンの彫刻が
飾られていますので、そちらも必見です
こちらは館内パンフレットより
次のフロアは、家具やガラス工芸の展示室
素敵なシャンデリアがお出迎えです
「三銃士」の原作者、アレクサンドル・デュマは
デザイナーでもあったとのことで、家具だけでなく、
壁紙、部屋枠まで彼のデザインしたダイニング・ルームが
ななかまどのモチーフが随所に配置され、落ち着いた色味の
木枠が描く曲線が優しい雰囲気です
アンティークの家具も多く展示されていて、どれも
古臭さを感じさせない、品のある素敵なものばかりでした
ガラスは、エミール・ガレを中心に花器やランプが
展示ケースの底面に鏡が配置されていて、作品下部の
美しいデザインもしゃがみこまずに鑑賞できます
こういう心遣いって素敵
絵画も工芸品も、作品ごとの解説板は無く、音声ガイドを
無料で貸し出していただけるのが嬉しい
絵画は全体に大きなサイズの作品が多く、それらが
ゆったりと配置されているので、のんびりと鑑賞できます
朝10時の開館直後の訪問でしたが、こんなに充実
しているのに企画展というわけではないからか、
お客さんは少なくて、ちょっとラッキーでした
また来たいなぁ