X-MEN ファイナルディシジョン
・監督:ブレット・ラトナー
・脚本:ザック・ペン 、サイモン・キンバーグ
・出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュアート、イアン・マッケラン、ファムケ・ヤンセン、ハル・ベリー、キャメロン・ブライト、エレン・ペイジ、ケルシー・グラマー
10年前、大企業の社長ワージントンの息子に白い羽が生え始めた。ワージントンは息子を救うためミュータントから人間に戻れる治療薬「キュア」を開発した。世間では賛否両論巻き起こった。
ジーンの死から立ち直れないスコットはアルカリ湖に向かい、そこでジーンと会う。しかし、そのジーンはもう一つの人格「フェニックス」であり、スコットは殺されてしまう。エグゼビアはジーンの家に向かうが、そこに新たな仲間を引き連れたマグニートーもいた。フェニックスは心を抑えていたエグゼビアを殺し、マグニートーと共に消えた。「キュア」により、ミスティークは人間となってしまい、仲間を失ったマグニートーだが、「キュア」のもとになったミュータントの少年リーチを殺そうとアルカトラズへ向かう。ミュータントを病気としたことに怒ったミュータント達を引き連れたマグニートーは橋を陸から引き離し、孤島のアルカトラズにつなげ、上陸した。人類とミュータントが戦っているところにウルヴァリン達が到着した。キティやビースト、コロッセオといった新メンたちも活躍する。キティは壁抜けを使い、リーチを救出、ビーストとコロッセオもパワーを見せてくれた。ワージントンはミュータントに屋上から落とされそうになるが、息子のエンジェルのより助けられる。ウルヴァリンとビーストによりマグニートーは「キュア」を打たれてしまう。そして人間たちがフェニックスを銃撃したことでフェニックスは自身のパワーを発揮し、人間を多数殺し、アルカトラズを破壊しようとする。ウルヴァリンは彼女を止めるため殺してしまう。
学園に戻ったウルヴァリンたち。ローグは自身の能力がなくなっていた。マグニートーはわずかだが、チェスの駒を触らずに動かしていた。
X-MENシリーズの完結作(?)
集大成にふさわしいアクション、CGで観ていて楽しい。
内容的にはジーンとフェニックスの関係があいまいで、フェニックスの感情に共感できなくてもったいない。スコットやエグゼビアも中盤までには死に、もう少し活躍させてほしい。スコットは全編通じて活躍が少ないし、エグゼビアもすごいのはわかるけど、いつも利用されたりして、ピンチの印象しかない。
とはいえ、数多くのミュータントがでてきたのもオールスターっぽくていいし、バイロとアイスマンの対決、キティの活躍、エンジェルの父救出、ビーストの迫力、ストームのかっこよさなどミュータントのかっこよさを観るのにはシリーズで一番おすすめ!ローグの出番が少なく、前回活躍したカートは出なかったのが残念。
やはり最後までさすがと思ったのがマグニートー。橋を切断し、アルカトラズに架けるシーンは爽快だ。
ミュータントは病気なのか、という問いがテーマにあり、暗い部分もあるが、アクション面の爽快さでそこまで重い映画になっていないのが演出のうまさだと感じた。
リーチは重要人物だが、描かれ方によってはもっと活躍できたのではないか。
最終的にX-MENシリーズは人間の悪の部分を見せた映画だった。結局人間がミュータントを脅威と考えて、登録法案を出したのがはじまりで、キュアも人種差別に近いし、そりゃミュータントも怒るよね。でもマグニートーみたいに力を悪用したら人間の言う様になってしまい、意味もない。ラスト、人間とミュータントが共存しているまとめてきれいに終わってるのは映画としてはベストだが、そんな風にうまくいくならこんな戦争は起きなかったのではないか。と、まぁいろいろ考えられるが、純粋に楽しく観れる映画でもあるのでおすすめ。
ファムケ・ヤンセン。長髪に戻り、鬼の形相まで披露。綺麗とは言えない役だったが、フェニックスの怖い表情、言い方はさすがだった。
キャメロン・ブライト。坊主頭で、体も弱そうで、隔離されていて、見た目からかわいそうな少年。「トワイライト」ではヴォルトゥーリ族の一員という残酷な役だったので、その印象は真逆。あまりセリフはないが、その見た目とはかなさで存在感はあった。
エレン・ペイジ。幼さが残るものの、勇敢に戦い、リーチを救出するという重要な役目を行った。別の映画では主役もこなすほどで、今後有望な子役である。
ケルシー・グラマー。優しそうな表情だが、戦闘では屈強な体を披露。人類とミュータントをつなぐ国連大使となる。知的な雰囲気もあり、正義の味方という感じである。