昨日は夕立ちが降りましたが、三連休は多くの人で賑わっています。
ツイッターは気軽にしていますが、ブログは少々時間が掛かるので更新が思うようにいきません・・
さて、先週高野山では伝統的な厳儀(行事)が金剛峯寺で行われました。
写真は内談議(うちだんぎ)が終わった後に撮ったものです。私も出仕していましたので再中の様子は撮れません。
御最勝講を終えた上綱様や座主猊下、法印御坊、前官御坊が聴聞される。
内談議の二日目夕方には、続いて御最勝講(みさいしょうこう)が執りおこなわれます。
内談議も御最勝講もお山の伝統的な修行体系である学道(がくどう)の一環であり、山内の住職が必ず通る登竜門です。
若い頃に学道に入ってから様々な段階を踏み、これらの厳儀で学頭という役を勤めて学道成満になります。
もちろん、一僧侶としての修行はこれで終えることはありませんが。
学道は山内住職にとって必須ですが、地方の僧侶もこれらの伝統的な厳儀に参加することができます。学道で研鑽を積むことにより、金剛峯寺(高野山)の僧侶という自覚が生まれることでしょう。
最近は高野山で一年間修行して、それぞれの自坊や地域に帰る方も多く、このような伝統をご存知ない僧侶もいらっしゃいますが、忙しい自坊の檀務(仕事)を離れ、祖山(高野山)へ学道修行に来る御仁も大勢いらっしゃることは素晴らしいことです。
御最勝講も竪精と同じように、一山の住職が二日間金剛峯寺に参集し、金堂前まで見送りにいらっしゃいます。
この厳儀も内談議と同じように、学道の重要な節目となるものですが、本義は鎮護国家を祈るものなのです。
18時半前に始まり、先ず唄(バイ)、散華(サンゲ)・対揚(タイヨウ)などの声明(ショウミョウ)が朗々と唱えられ法要が進みます。
法要が終わると、いよいよ法談論議が始まります。その様子の一端をこちらでご覧ください。
論議の声とヒグラシの鳴き声が壇上に響く中、やがて夜も更けていきます。
御最勝講が終わるのは21時頃でこれが二日間行われるのです。
二日目の配役は若干変わりますが、初日とほぼ同じように進んでいきます。
最後には、伽藍の堂仕によって『金光明最勝王経』が入った箱を出仕者全員の前に運ばれてそれを拝します。
そして、ようやく二人の学頭様は晴れて已講の上綱(ジョウゴウ)へと昇進されます。
このような伝統儀礼は一年を通じて行われており、古来より毎年毎年同じルーティンで今後も継承されていくのです。
今回のブログは専門的な用語を羅列して煩さになりましたが、高野山に伝わる古式な厳儀を垣間見て頂きたく、ここにご紹介いたしました。
前回ラジオ寺子屋・高野山の内容は、また別にアップする予定です!