♫ラジオ寺子屋・高野山♫ 南山坊のブログ

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和歌山県橋本市・かつらぎ町・九度山町・高野町をエリアとしたコミュニティFMラジオ放送局
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本日は和歌山県立博物館「きのくにの宗教美術-神仏のさまざまな姿-」を鑑賞に行きました。
拙寺より2点出陳していますが、正確には岩出市の根来寺近くにある蟹谷山 西方寺(現在は真言宗山階派・父が住職)の什物です。

この寺の名を知る人はおそらくいない思いますが、かつて近世戒律復興の四方僧坊の一ケ寺として名高い野中寺(やちゅうじ)の門末(野中寺一派)であり多くの律僧が戒律復興に励み、紀州徳川家の庇護も受けていたのです。

『紀伊続風土記』には「堂舎壮麗なること荘中に類なし。什物、木像画像等の古仏多し・・」とあるように、近世においては紀北地域でも重要な寺であったことは間違いありません。
但し、堂舎壮麗というハード面よりもむしろ、根来寺の近くにあって近世戒律復興の一員であった面がとりわけ注目されます。

明治に入ると、真言布教家の嚆矢といってもよい服部鑁海 師も住職に名を連ねていましたが、後に荒廃し今では無住無檀の寺となりました。
縁あって私の祖父と父が住職になり、仏像などの一部は高野山へ遷座していましたが、現地での寺院活動はほぼ行っていない時代が長く続いていました。

そのような中、5〜6年前から諸々と気になり、かろうじて所在する本堂から先師様と有縁の位牌・什物を高野山に移して日々拝み始め、自分のできる範囲で調べてきました。
そうすると様々なご縁をいただき、おぼろげながら西方寺がどのような寺であったのかが分かってきたのです。

この度、県博の企画展でも先述の通り西方寺伝来で現在青巖寺にて保管している巻物2点と、現在は別の御寺院様が所蔵している西方寺伝来の什物が複数展示しています。
その御寺院様には、同寺から伝来した仏像等が多くあるようで、かつて何らかの理由で流出したものの、今尚所在が確認でき大切にされているようで安心しています。

今後も専門家の先生などにご教示いただき、往時の有り様を知らしめることが、先師様や有縁霊位への供養かと思います。この記事を見て何かお知りのことがあれば、是非ともお知らせください。

※館内の展示は文化財保護啓発による私的利用(SNS含む)の場合、写真撮影が認められています。企画展は10月3日迄。図録あり。

詳細は和歌山県立博物館のウェブサイトをご覧ください。https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/shu-bi2021/frameset.htm