国の柱とは何か! (1) |   荒野に呼ばわる声

  荒野に呼ばわる声

      耳を澄ませば聞こえてくる
                 
                   南山 遥

 国の柱とは何か! (1)

 

 国の柱を定めずに、その国は成り立ていくのか。

 それは、いわば無脊椎動物のようなものだ。

 

 あっても、それは仮柱だ。

 そんな仮柱を大事に守っている家主はおるまい。

 そして、そういう国は世界にも珍しい。

 

 日本がまだ「憲法」を成文として持たず、明治維新をやり遂げて9年目、西洋の列強国と伍するために、成文憲法を必要とした。

 (それまで日本は、西洋のような憲法を持たずに、立派に国家を為してきた。勿論、世界に誇る「十七条憲法」とか、国を律するものは存在した。柱は厳然として立っていたのだが)。

 

 明治12年に来日したアメリカの18代大統領・H,U,グラントが、明治天皇を表敬訪問し、憲法起草のための助言をした。

 「日本の憲法は、日本の歴史及び習慣を基として起草されることが願わしい」と。

 

 短い言葉であるが、世界の諸国の憲法の真髄を言い得ている。

 

 改憲の審議を進めぬ国会の代議士の諸先生方も、最低、この点は把握して、立派な国の柱を立てて頂きたい。命を賭けて国を支えてきた先人たちを、そして将来のこの国を担う子供たちを悲しませないように、お願いしたい。