タゴールの歌 1 |   荒野に呼ばわる声

  荒野に呼ばわる声

      耳を澄ませば聞こえてくる
                 
                   南山 遥

 タゴールの歌 1

 

 一粒の露に

 

 「私は幾歳月、広い世界を行き巡り、 

  高い山々や大洋を見、

  世のすべてのものを見た。

  だが、気づかなかった、

  家の戸口の小さな草の葉に宿る一粒の露が、

  世界を映し、輝いていることを。」 タゴールの詩より

 

 人生100年時代と盛んに言われ、商業主義者がそれに乗っかっているようだ。人生はそんな安っぽいものではない。

 

 老いて体が動かなくなっても、また病をえてベットの中にいる人も、一人ひとりの存在は誰にも代えがたい。一粒の露が小さな球面に世界を映しているように、一人ひとりの存在が、世界を映している。輝いている。いな、神を映している。その存在が聖である。

 

 「神はご自分のかたちに人を創造された。

 主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった」 

               旧約聖書・創世記第1,2章。