心地よい気分に。週末におすすめしたい一冊
週末におすすめしたいのは、
私の大好きな作家
江國香織さんの
『流しのしたの骨』 です。
少し不思議で、
もしかすると怖そう?なタイトルですが、
内容はまったく違います(笑)
静かで、やさしくて、
心地よい気分になれる一冊です。
あらすじ(ネタバレなし)
いまは特になにもしておらず、
夜の散歩が習慣の19歳の「私」こと子。
おっとりして頑固な長姉・そよちゃん、
妙ちきりんで優しい次姉・しま子ちゃん、
笑顔が健やかで一番平らかな
“小さな弟”・律。
詩人で生活にさまざまなこだわりを持つ母と、
規律を重んじ、家族思いの父。
少し変わっているけれど、
どこか幸福な宮坂家の
晩秋から春までのいくつかの出来事を、
静かに描いた物語です。
不思議で、心地よく、
どこかいとおしい。
そんな読後感が残ります。
この本を読んだきっかけ
江國香織さんの作品を、
もっと読んでいきたいと思っていた時に、
「流しのしたの骨」
というタイトルに、
なぜか導かれるようにして
手に取りました。
心に残った言葉
・なんでもそうなのだ。
それが実際に起きているときには、
よくわからないままに通りすぎてしまう。
だから私たちは要所要所で立ちどまり、
ゆっくり考えなくてはならない。
冷静に、客観的に。
(P62)
・将来、とか、ちゃんと、とか、そういう言葉は、
いつも私たちの心を翳らせる。
(P289)
・よそのうちの中をみるのはおもしろい。
その独自性。その閉鎖性。
(P299)
読んでみた感想
不思議だけれど、
とても心地の良い一冊でした。
「よそのうちの中をみるのはおもしろい」
という言葉の通り、
物語を読みながら、
自然と自分の家のことを
考えるようになります。
独自のルールや、
どこか閉鎖的な空気。
でも、
その“独自ルール”って、
いったい誰が、
どうやって作ってきたんだろう?
私の家の独自ルールって何だろう?
…と考えてみると、
結構変わったことが
ありそうな気がしました(笑)
作中に登場する
深町直人も、とても印象的です。
少し(かなり?)変わっている
こと子を、
優しく包み込んでくれる存在で、
とてもいい雰囲気の彼氏だなと思いました。
江國香織さんの作品は、
読了後、
自然と心が温かくなります。
そして、
少し変わった主人公たちに、
なぜか感情移入してしまう。
それが、
いつも不思議で、
でも心地よいのです。
こんな人におすすめ
✔ 江國香織さんが好きな人
✔家族の話が好きな人
✔ 温かい気持ちになる本を読みたい人
タイトルだけ見て、
手に取るのをやめてしまった人にも、
ぜひ読んでほしい一冊です。
いい意味で、期待を裏切られます。
心を温めたい今、
週末のお供におすすめです。
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