心が温かくなるような純愛…。

週末に、
ゆっくり本を読みたい時に
おすすめしたい一冊があります。

 

村上春樹さん
スプートニクの恋人 です。

初恋って、こんなんだったっけ…。

すっかり忘れていた感情を
思い出させてくれる一冊でした(笑)

 

 

 

あらすじ(ネタバレなし)

22歳の春、
すみれは生まれて初めて恋に落ちた。

 

それは、
広大な平原をまっすぐ突き進む
竜巻のような激しい恋。

 

行く手にあるものをなぎ倒し、
理不尽に引きちぎり、
完膚なきまでに叩きつぶしていく——。

 

とても奇妙で、
この世のものとは思えない
ラブ・ストーリーです。

 


この本を読んだきっかけ

村上春樹さんの作品の中で、
特に人気のある一冊を読んでみたい
と思ったのがきっかけでした。

 


心に残った言葉

・我々の不完全な人生には、

 むだなことだっていくぶん必要なのだ。

 もし不完全な人生からすべてのむだが消えてしまったら、

 それは不完全ですらなくなってしまう。

 (P6)

・「最初からああだこうだとものごとを決めつけずに、

 状況に応じて素直に耳を澄ませること、

 心と頭をいつもオープンにしておくこと」

 (P65)

・どうして書かずにはいられないのか?

 その理由ははっきりしている。

 何かについて考えるためには、

 ひとまずその何かを文章にしてみる必要があるからだ。

 (P198)

 

・「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、

 自分の頭で考えた小さなことだ」

 (P247)

 


読んでみた感想

主人公「僕」の
頭の良さや鋭さ、
そしてすみれへの愛の大きさが
とても自然に伝わってくる作品でした。

 

特に印象に残っているのは、
すみれが真夜中の4時前に電話をかけてきて、
難しい質問をする場面。

 

それに対して、
ちゃんと電話に出て、
すみれにも分かるように
丁寧に答えてあげるところが好きでした。

 

この小説に登場する人物たちは、
みんなとても素直です。

 

また、この作品は
かなり想像の余地が残されていて、
読む人によって
さまざまな解釈ができます。

 

作中の
「理解というものは、常に誤解の総体に過ぎない」
という言葉の通り、
そもそも作品に
“正解”を求めるものではないのかもしれません。

 

昔は、
結論がはっきりしない
村上春樹さんの作品が
少し苦手でした。

 

でも今は、
自分なりに考えて、
感じたまま楽しめばいいのだと
思えるようになりました。

 

 


こんな人におすすめ

✔ 心が温かくなる話を読みたい人
✔ 村上春樹さんが好きな人
✔ 静かな恋愛小説が好きな人

 

村上春樹さんの
言葉ひとつひとつが、
静かに心に刺さります。

週末に、
少しだけ立ち止まって
本と向き合いたい時に。

 

ぜひ、手に取ってみてほしい一冊です💛

 

 

冬におすすめ 心理サスペンス

冬も本番を迎えたのか、
私が住んでいる京都でも、
チラチラと雪が降っています。(珍しい)

 

そんな今日は、
普段あまり読まないジャンルですが、
冬におすすめのサスペンス小説を紹介します。


『去年の冬、きみと別れ です。

 

 

 

 


あらすじ(ネタバレなし)

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。

 

彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。

だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。

 

この異様さは何なのか? 

それは本当に殺人だったのか? 

 

「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。

なぜなら、この事件は実は——。

 


心に残った言葉

でもなぜだろう?なぜ人間は、誰かに何かを伝えたくなるのだろう?

(P11)

 

なぜ“対象”を目の前にして、僕達はその一部しか認識できないのか、把握できないのか―。

(P23)

 

「たとえば……、誰かのことを死ぬほど好きになったとしても、

絶対にその人間しかいないと思ったとしても、

……人はその相手と別れた後、

また別の人間に対して似たことを思うことができる。

……なぜなら、そうやって生きていかないと辛いから。

……そうでしょう?」

(P81)

 


読んでみた感想

ミステリーやサスペンスをあまり読まないので、
正直、最初はどう楽しめばいいのか分からなかったのですが(笑)

 

後半30ページほどの疾走感は圧巻で、
ページをめくる手が止まりませんでした。

 

人間の闇・執着・狂気が描かれていて、
ミステリーとして読むよりも
「心理サスペンス」として読む方が、より楽しめる作品だと思います。

 

2018年岩田剛典さん主演で

映画化されています。↓

 

 

 


こんな人におすすめ

✔ 短めのサスペンスが読みたい人
✔後味が重め・余韻が残る小説が好きな人
✔ 心理学・人間の内面に興味がある人

 

犯罪者の頭の中は、一体どうなっているのか…。
読み終えたあと、ふと考え込んでしまう一冊でした。

 

 

 

 

 

 

遠藤周作のミステリー

私は遠藤周作の小説が好きで、
これまで何冊か読んできました。

 

ただ、正直に言うと
遠藤周作=ミステリー
というイメージはまったくありませんでした。

 

ところが――
読んでみて、その印象は大きく変わりました。

 

遠藤周作、かなりマルチなんですね。
そしてミステリーも、とても面白い。

今回ご紹介するのは、
刺激的な医療ミステリー小説


真昼の悪魔 です。


あらすじ(ネタバレなし)

大学生・難波が入院した
関東女子医大付属病院。

 

そこで起こる、
患者の謎の失踪、
寝たきり老人への劇薬入り点滴――。

奇怪な事件が次々と発生します。

 

その背後には、
無邪気な微笑みの裏で
陰湿な悪を求める
ひとりの女医の影がありました。

 

「悪魔」に憑かれたかのように、
罪を犯しても痛みを覚えない虚ろな心。
背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女。

 

これは単なる事件解決の物語ではなく、
現代人の内面に潜む“悪”を描いた医療ミステリーです。

 


心に残った言葉

「悪とは愛のないことです。」
(P141)

 

「現代人のほとんどはもう何が善で何が悪か分からなくなっている。

善と見えることが悪をつくり、悪と思えることが意外と人間によい結果を与える―

そんな混乱した世界にあまりに長く生きてきたからだ。

そしてその結果、どんな価値も素直に信用できなくなり、

心は乱雑な部屋のように無秩序になり、

無秩序は精神の疲れと虚しさを作っている。

悪魔はそこを狙ってやってくるのです」
(P305)

 

これは一人の女医に心に棲みついた悪魔を描いた作品だが、

愛を喪失した現代の医療にひそむひとつの問題点を、

人間の悪という観点からするどく衝いたものといえよう。
(P315 解説より)

 


読んでみた感想

とても面白かったです。

昭和59年に刊行された作品とは思えないほど、
令和の今にもそのまま通じる内容でした。

 

 

 

本当に面白い作品というのは、
どの時代に書かれていても色褪せず、
現代にもリアルに感じられるものなのだと改めて思いました。

 

遠藤周作はキリスト教徒でもあるので、
作品の随所にそれを感じさせる描写があります。

今回は「悪魔」という言葉を用いて、
人間の中にある「悪」を鋭く描いているのが印象的でした。

 

私の中の悪とはなんだろう。
悪のない人間なんているのだろうか。
良心の塊のような人は、本当に存在するのだろうか。

 

考えれば考えるほど分からなくなり、
自然と自分自身に問いを向けてしまいます。

 

何が善で、何が悪なのか。
それすら分からなくなっている――
そんな現代だからこそ、
今読む意味のある一冊だと思いました。

 


こんな人におすすめ

✔ 遠藤周作が好きな人
✔ミステリーが好きな人人
✔ 心理学・人間の内面に興味がある人

 

私の中にも「悪」があるのだろうか…。

つい考え込んでしまう作品でした。

現代こそ読むべき一冊かもしれません。