この人たちの音楽を聴くと、嬉しくて楽しくて幸せで
んで、なんか少し胸が痛くなって泣きたくなったりする。
「嬉しい」と「楽しい」で構成された音楽ってのは人を本当に幸せにする。
ジャンルがどうとかじゃなくて、その「音」がその場にいる人達を包み、幸せにしてくれる。
最前列にいるっつーのに何度も目を閉じた。
「音に包まれている」感覚。
視覚を使わないとその感覚がよくわかる。
ステージングはたぶんまだまだ荒削り。『巧さ』はまだないと思う。
だけど、本来の意味での「音楽」を彼等は持っていて
どんな場所でやったってその「音楽」が客席を包む。
どんな曲を聴いても気持ちよくて、優しい気持ちであったかくなるのは
それは本当に凄い奇跡なんだと思うけれど
多分2人は無意識というか、自然に音を放ってるだけなんだろう。
彼等が本能だけで生み出した音には凄い力が宿っていて、
だけどそれは彼等が自然体でいるからこそのもの。
音楽が好きで、それが全てだからこそのもの。
聡くならなくていい。器用にならなくていい。
その心が生み出す音楽は、なにものにも代え難い。
ROCK'A'TRNCHの音は誰かを幸せにするし、優しい気持ちをくれる。
そして私はこの世界をまた少し好きになるんだ。
1曲目の「South Wind」から、ラストの「ランナーズ・ハイ」まで。
下北沢の小さなライブハウスにはずっと優しくてあったかくて熱くて強い音が溢れていた。
彼等の音楽を、屈託のない笑顔を、心底好きだと思う。