脚本家への攻撃を加熱させないでほしい | なのはな22のふたり言

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本・テレビ・映画の感想が多くなると思います。たまにフィギユアスケート。
ミステリーや時代劇、ビジネスドラマが好きです。

「セクシー田中さん」という原作漫画を読んだこともないし、TVドラマも見ていない。

ただ最近、脚本家の相沢友子さん(52歳)のツイートと原作者の芦原妃名子さん(50歳)の詳しい説明の両方がYouTubeで紹介されていたので、最初は「実写化されると、どんな原作者にとっても不満な点は多いだろうな」というぐらいのつもりで読んでみたら・・。

 

ドラマの1~8話が相沢さん脚本で、9,10話を芦原さんが書いた件で、相沢さんが「困惑」とツイートした事が発端らしいが。

実写化にあたっての芦原さんによる要望を検討すると、「これはTVドラマにするのは無理なんじゃないか」と思われるほど、タイムスケジュール的に無理な細かいチェックの要望で、芦原さん自身が、これが無理ならドラマ化はお断りしたい旨を申し入れていたわけだ。

だから、日テレはこの段階でドラマ化を諦めるべきだったと思う。

映画と違い、民放のTVドラマは脚本の納品スケジユールが常にギリギリになり易いという事は、わかっている人はわかるはず。

累計発行部数100万部を超える人気漫画と聞けば、TV局がドラマ化したいと熱望するのも無理はないけれど、最初から原作者に嘘をつく結果になるのが目に見えているような約束をしてはいけなかったのだ。

 

 

突然の原作者の自死というニュースに、日テレと脚本家への非難が渦巻いている。

TV局が批判されるのは仕方ないが、相沢さんという脚本家が酷いバッシングをされているのは、なんだか気の毒な面がある。

確かに、発端となったツイートは余計な発信だった気がする。この時点で彼女への誹謗も出たはずだが、その後の芦原さんの発信に対しても、やはりSNS上に誹謗が出ただろう事は容易に推察できる。

 

人が自死の誘惑にかられるのは、まず鬱状態になってからだ。

芦原さんが鬱に陥った一番大きい原因は、SNSでの誹謗中傷ではないかと思う。彼女の最後の発信「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい。」(今日の毎日新聞)という言葉に、そうしたものを感じた。

そして追加するなら、50歳という年齢も気になった。

女性の更年期で、鬱になり易い時期でもある。

 

どうか安らかに、お休みください。

 

 

 

 

尚、相沢友子さんに対して「原作クラッシャー」との批判をいくつが見かけた。

この人は調べると2000年に脚本家デビューしている。

20年以上曲がりなりにもプロとして書いている人だ。駄目な作品もあるだろうが、すべてではないはず。外野が一刀両断するのはおかしくないだろうか。

 

「鹿男あをによし」(2008、フジTV)、「鍵のかかった部屋」(2012、フジTV)は面白かった。

 

「ビブリア古書堂の事件手帖」(2013、フジTV)は三上延さんの原作ファンから大ブーイングだったが、原作を読む前にドラマを見た私でも、「このヒロインはミスキャストでは?」と思ったものだ。(後で小説を聴いたら、剛力彩芽さんよりも仲間由紀恵さんか菅野美穂さんの方が・・と)

 

TVドラマの成否は配役で8割決まるとも言われる。

俳優を選べない脚本家をバッシングするのも、時によりけりではないでしようか。

 

 

 

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。