”<羽生結弦は選ばれし人>身体のフォルムが実に美しい。いい出会いをしているのだろう氷と(梅林” | なのはな22のふたり言

なのはな22のふたり言

本・テレビ・映画の感想が多くなると思います。たまにフィギユアスケート。
ミステリーや時代劇、ビジネスドラマが好きです。

 

 


梅林茂さん(1951~ )が去年、第18回ローマ国際映画祭で生涯功労賞を受賞された。

「東洋と西洋の合流点に位置する作品を生み出した」というのが理由だ。

梅林さんと言えば、ヨーロッパやアジア圏の映画にも音楽を提供しているし、羽生さんのファンには映画「陰陽師」(2001)の作曲者としてよく知られている。

 

私が最初に梅林さんの名前を意識したのは1985年の映画「それから」。夏目漱石の小説が原作で(監督はうろ覚えで自信ない)、松田優作さん・藤谷美和子さん・小林薫さんが出ていた。(この中では平岡役の小林さんの演技が秀逸だった)

 

ただ、終わり方が原作とずいぶん違っていた記憶がある。

漱石の原作ではたしか、高等遊民の代助が収入もないまま三千代を引き受けざるおえない、切羽詰まった状況のまま終わるのではなかったかな?

 

だが、映画は悲恋映画になっていた。

漱石の皮肉で厳しい視線は映画にはなかった。

それでも、この映画を悲恋映画として成立させたのは、音楽の力が大きかったと思う。

エンディングで流れた梅林さんの音楽の静謐な美しさ。

淡々としているようで、深い絶望を湛えたその音楽の美しさが長く胸に残った。

 

 

後、印象的だったのは、NHKの土曜ドラマ「外事警察」(2009)の音楽。

渡部篤郎さん・遠藤憲一さん・尾野真千子さんが出ていた。

ここで梅林さんが書いた音楽は非常にハードで、深い闇を表現したような作品。

個人的には、旧いフランス映画「影の軍隊」のテーマ曲を連想したものだ。

 

去年、梅林さんが受けられた賞は正に相応しいものだったと思う。

 

一流のアーティストである梅林茂さんの羽生さんへの着目点は、フィギュアが好きかどうか関係なく、的確な言葉のように思った。

 

フィギュアスケートに関心がない人にも読んでいただけたら幸いです。

(ブルーさんにリブログさせていただきました。あちらのコメント欄がクローズされている事が多いので、ここでお礼申し上げます)

 

 

 

 

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。