世界中の人にダンナの冥福を祈ってもらいたいけれど、
私は冥福なんか祈れない。
「夫の悪口を私の前で言うなら、その命かけてもらいますからね」は、剣菱百合子の名言だ。
漫画の有閑倶楽部に出てくる。
私はダンナに文句も言うし、悪口も言うけど、私以外の人が言うのは許せない。
たとえ子供達であっても。
ダンナも有閑倶楽部は読んでたんで、百合子さんのセリフに同感だと言った私に爆笑してた。
私の好きな人の悪口を、私の前で言ったら、端から反論してくれるわ!
たとえ本人であってもな!
悪口言う権利があるのは、私だけ!
だから冥福なんか祈れない。安らかに眠れとか言えない。あんた眠るの嫌いじゃん。
イビキかいてても「寝てないよ~」って返事したじゃん。
黙って遠くに行くとか、ずっと寝たままなんて、何勝手なことしてくれてんの?
そういえばあの時もこの時も・・・・・・・・・・
どうやら私の悲し過ぎて思い出したくない記憶領域はスペースの限りがあったらしい。
ダンナの死によって、封印されてた弟の死への感情や記憶が押し出されてきたようだ。
あの時もそうだったと、感情と記憶が混ざり合っている。
呆然と、悲しいと、怒りと、ずっと残るさびしいがカオスになって踊ってる。
吐いちゃった方がいいけど、怖い。
のほほんと、受け止めてくれて、笑いに変えてくれたダンナがいない。
基本的には、過去になったことしか書かないと決めてんだけど、支離滅裂な現在を書き殴ろうと思う。
過去になったことなんか、私には無かったのかもしれない。
全部が今だ。