
野田クリスタルのトークショーを観るために京浜急行の弘明寺まで行ってきた。このトークショーの開催を私が知ったのは年末に放送された「アド街ック天国」の弘明寺の回でだったが、私はそれ以前に、2024年6月、弘明寺かんのん通り商店街のふるさと大使に野田クリスタルが就任した就任式も見物に行っている。野田クリスタルが弘明寺の出身だということをそれまで知らなかったのだが、私が生まれ育ったところも京浜急行の沿線だったから、弘明寺駅で降りることこそあまりなかったが、子どものころからなじみのある駅名ではあった。弘明寺の人間だとわかれば、単純なもので、野田クリスタルに親近感が湧いてしまったのだが、ひさしぶりに弘明寺に行ってみたいという気持ちにもなったのだ。
就任式のときにもトークショーがあり、そのあとには野田クリスタルが神輿とともに商店街を練り歩くパレードがあったのだが、野田は神輿の担ぎ手にも加わり、威勢のいい掛け声とともにわっさわっさと揺れ動いてみせる。オーディエンスのグータッチにも応じ、街のひとびととじかに触れ合う野田のサービス精神には大いに好感をもった。タレントがちょっとあいさつして終わりというようなものではなかったのだ。なにより、商店街が純粋に盛りあがっているさまをとても感じられた。
今回のトークショーはその就任から1周年を記念したイベントということである(細かいことをいえば、1年半が経っている。)。会場が変更になったという告知を事前に目にしていて、当初の予定では就任式と同じ、商店街の真ん中あたりにある観音橋という橋の上だったが、それが商店街を抜けた先にある駐車場に変更になっていた。問い合わせが多かったのだろうか、想定よりもギャラリーがたくさん集まりそうなのかなとは思ったが、会場の駐車場に着いてみると、すでに駐車場を埋め尽くすほどのギャラリーがいる。この時点でもう、ステージからはかなり離れた後方で観ることになったが、私が駐車場に入った数分後には入場規制ということになり、駐車場の入り口は閉められてしまった。いやほんと、電車に1本乗り損ねたりでもしていたらたぶん入れなかった。入れてほっとする。その後、警備のスタッフたちが歩道には立ち止まらないように案内している声が聞こえていたが、ふとふり返ると、車道を挟んだ向こう側の歩道にギャラリーがびっしりと並んでいるのが見えるので驚いた。向こう側はスタッフはノータッチなのだ。それにしたって、車道の向こうからステージが見えるのかと思うけれども。
トークショーが始まる14時になると、野田クリスタルがどこに待機しているのかがわからなかったが、野田は観客と同じ駐車場の入り口から入ってくるのだった。われわれ後方のギャラリーも至近距離で見ることができた。野田はいつもの衣裳ではなく、コートを着ていた。端っこに作られた通路を通り、ステージに向かっていく。ステージには野田ともうひとり司会の女性がいて、トークショーではこのひとが聞き役になった。ところが、音響がすこぶる悪い。後ろのほうでは言葉がかなり聴きとりづらかった。急に会場を変えたからしかたがないのかもしれないなと、まあ、ただの商店街のイベントだったらそんなふうに思うところだが、吉本も関わっているイベントにしてはややお粗末だ。
トークショーは30分ほど、野田は井土ヶ谷の郵便局で働いていた時代の話や、「アド街ック天国」で紹介された弘明堂書店に関する都市伝説などを話していた。そのあとには抽選会があり、開催期間中に商店街で千円以上の買いものをしたお客さんに応募資格があったのだが、そのなかから抽選で選ばれた2名に野田クリスタルとの写真撮影とサイン入りTシャツが当たる。最初に当たった女の子は前のほうで観ていたのだが、2番目に当たった男性は車道の向こうで観ていたようで、名前を呼ばれると急ぎ足で横断歩道を渡ってきた。2名とも、ちゃんとファンのひとが当選したようだ。それから、「アド街」でも紹介していた商店街の現金つかみどり企画に野田も挑戦し、過去最高記録の3万4千円を超えたらお客さんに1万円プレゼントになるというので盛りあがるが、野田がつかんだのはなんとちょうど3万4千円。うそみたいな記録が出たが、超えたらということなので1万円プレゼントはなしになった。最後はジャンケン大会があり、勝ち残った5名には商店街と吉本からプレゼントがあった。トータルで45分ほどのイベントだったか、野田は入場してきた通路を戻り、駐車場の入り口を出ると、停めてあったクルマにすぐに乗った。走り去るクルマの窓から野田は手をふり続けていた。








