(バンコクの青少年メディア総合型図書館TKパーク)
さて、ソンブーン・シンカマーナン先生の創設したタイの「ポータブル・ライブラリー」活動について、先生自身の著書を抄訳しながら紹介の続きです。今までのお話については、カテゴリー「ポータブル・ライブラリー」をごらんになってくださいね。
いよいよ最後のまとめの部分になりますが、前回の予告からずいぶんたってしまいました。
実は、まとめの最後のところに、ソンブーン先生が、この部分は、
「1982年のBOOKBIRD 1&2に掲載した」
と書いてらっしゃったのです。
やはり、それを見ないことには抄訳とはいえ、万全を期していないことになる・・・
BOOKBIRDとは、IBBY(国際図書評議会)の機関誌です。
調べてみると、
さんだけが所蔵してるのがわかりました。
それが1ヶ月前のことです。
しかし、新型コロナの影響で東京都の図書館および国会図書館はすべて休館。いつ開館するかわかりません。
ところが、多摩図書館さんは、休館中も、メールによる郵送複写サービスはうけつけると書いてあるのです!(国会図書館は受付停止)
申し込み殺到のため、1ヶ月かかるとも注意書きがありました。こんな時期にお仕事に出てこられる館員さんほんとうにすみません・・・
と思いながらも、いろいろな手続きをクリアして1ヶ月、ついに届きました!
ほんとうにありがとうございます・・・これです!英文です。
ということで、まとめの部分も抄訳します。
・・・・・・・
私がだれにいでもいつでも申し上げているのは、このプロジェクトで重要なことは、50パーセントが指導や訓練、50パーセントがかばんに入れる本の選書。そのうち40パーセントは重要なもの、のこり10パーセントは、活動を活気づけるお話です。
というのも、読む大人がしあわせそうだと、子どもたちもしあわせになるからです。
本を読んで得た知識は忘れてしまったり、使う機会がなかったりするかもしれませんが、本を読んでもらうことでしあわせになったり、楽しくなったりしたことは忘れません。
そのことで、成長して大人になったとき、ほかの人にこのしあわせをさらに与えることになるのです。
私が、1982年にBOOKBIRDに書いたのは次のようなことでした。
「私が指摘したいのは、この活動のすべてが、ほんの小さな点から始まったことです。それがほかの活動にくさりのようにつながっていきました。
それはまるで、全くの暗闇の中にともったろうそくの火のようでした。
しかし、暗闇はあまりにも広く、私たちは、もっとろうそくをともしてほしいとほかの方々をさそいました。
ろうそくの火が多くなればなるほど、輝きは増し、私たちはさらに遠くまで見通せるようになりました。
私たちは勇気づけられ、この仕事をずっと継続することができるようになりました。
私たちの望みはさらに力を合わせるひとがふえて、青少年に知識の宝石と、しあわせと、成長してどのような大人になるかという見通しを与えることです。
そうした若者たちが自分たちもともしびをかかげていくこと、そしてついには、暗闇はきえて、永遠に光輝くようになること、それが私たちの望みです」
(そしてBOOKBIRD版にはこのようなことをつけたされています。)
「タイにおいては、子どもたちが喜びをもって読書にアクセスできる豊かな機会が得られることが望みです」
・・・・・・・
さて、これで「かばんの図書館」前半部分は終わりです。
このまとめ、ブログの文字数限度のこともあって、短くしていますが、ホントは3ページくらいぎっしりあるんです
原文をほかの方が見られるようにするために、もう1冊持っているので、国際子ども図書館に寄贈しようかと考え中です・・・今は行けませんが。
このあとまたゆっくりとではありますが、後半部分、その後のポータブル・ライブラリー活動の歩みについて抄訳していき、タイの子どもの本に関わる方々の思いと活動をご紹介していきますので、おつきあいいただければうれしいです。
また、多摩図書館の最新の開館とサービス状況につきましては、随時、多摩図書館公式サイトでご確認してくださいね。