『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2作を見直しまくった件 | (^o^)<Burn,baby,burn!!

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洋楽の和訳を載せたりたまに映画の感想や『ルポールのドラァグレース』について言及するブログ。更新は不定期、コメントは承認制にしています。


以前も記事にしました『IT』2作を2回見直しました。飛行機の機内上映で。他に見るものなかったんだもん。
トータル3回ずつ観て、さらにペニーワイズについて色々調べて、やっとこさ色々理解できたので感想っていうか補足っていうかを書きます。

⭐︎1作目
「ホラー版スタンド・バイ・ミー」と言われた1作目。いや割とマジでその通り。ルーザーズクラブのそれぞれが何かしらのトラウマを抱えていて、ペニーワイズ先輩はそこにつけ込んできます。

①ビル
ルーザーズクラブのリーダー。吃音症を抱えている。
弟のジョージーと遊ぶのを面倒くさがり、仮病を使って1人で遊びに行かせた結果、ジョージーが道路の排水口でペニーワイズ先輩に攫われて「浮かぶ」ことになる。両親はジョージーは死んだと思っているが、彼は「行方不明」の希望を残してジョージーの居場所を探している。
ベヴァリーとは小3?の時に劇でキスをしたことがあり、横顔のスケッチを描く位には恋心を抱いている。
細っこくて頼りなさげに見えるが、いざという時は勇敢。

②ベン
転校生でおデブちゃん。故に友達がいない。ニューキッズ・オン・ザ・ブロックが好き。手先が器用で、初登場時も自分の作った工作を持っている。鈍臭いところがあるけど、時折とんでもなく漢気を見せてくる。
ヘンリー・バワーズ率いる不良軍団に目をつけられ、腹にナイフでヘンリーの頭文字「H」を刻まれ、そこからルーザーズクラブに加入する。
ベヴァリーとは社会のクラスで一緒。はじめて親しげに声をかけてくれ、白紙のサイン帳にハートマーク付きで名前を書いてくれたベヴァリーに恋心を抱く。ベヴァリーはビルが書いたと思っている「君の髪は冬の炎 1月の残火 僕の心も燃える」というポエムは彼のものである。
ちなみにこのポエムは英語だと
Your hair is winter fire
January embers
My heart burns there, too.
で、原作では俳句(Haiku)に一応倣ったものである。(5•7•5の5•7だけ踏襲している)

③リッチー
メガネをかけたおしゃべり少年。主に下ネタ系のジョークを飛ばし続けている。ゲーセンのストリート・ファイターが好き。ピエロが苦手という、対ペニーワイズ先輩においては最悪のトラウマ待ち。他のメンツに比べてトラウマの掘り下げが少ないが、代わりに「秘密」を抱えており、それは2作目で明らかになる。

④ベヴァリー
ルーザーズクラブの紅一点。父子家庭で、父親に性的虐待を受けているような描写があり、父親に対して強い恐怖心を抱いている。
そのような家庭事情から、同級生の女子たちにいじめにあっており、町の大人たちもベヴァリーが男を誘惑する「女」であるように認識している。
「父親」がメインのトラウマだが、「“女”であること」も彼女のトラウマではないかと私は思う。薬局の生理用品コーナーで立ちすくむ姿や、長髪を自らハサミで切ってショートカットにするところ、バスルームが「血(経血?)」まみれになるところがそれを表しているように見受けられる。
思春期の男女の違いか、ルーザーズクラブでは1番心身ともに大人っぽく、下着姿で仲間と池ではしゃいだあと、そのままグラサンかけて音楽を聴いてみたりと少年達には刺激が強すぎる行動を取ったりもする。また、男どもよりも勇敢な時も多々ある。
ペニーワイズ先輩に一度「浮かされて」しまうが、ベンのキスで目覚める。
前述のポエムに心をときめかせ、ビルが書いたものと勘違いしているため、ビルに恋心を抱いている描写がある。ていうか最後キスする。ベーーーン!!!!(号泣)

⑤スタンリー
ユダヤ系の少年で、父親はユダヤ教のラビである。家にある奇妙な女の絵画に強い恐怖心を抱いており、ペニーワイズ先輩の生み出す幻影(あるいはペニーワイズ先輩の擬態)にはその女が現れる。
性格はおとなしめで几帳面。繊細な心の持ち主で、ユダヤ教の「成人」の儀式に対して複雑な気持ちを抱えている。

⑥エディ
過保護な母親の影響で、ありとあらゆるウイルスや病原菌を恐れている。喘息持ちで、色んな薬を服用しているが、薬局の娘(ベヴァリーをいじめてた子)には「薬は全部プラセボ」と言われてしまう。
彼もメインのトラウマは「病気」だが、「過保護な母親」も彼を縛り付ける存在として一種のトラウマである。

⑦マイク
ルーザーズクラブ唯一のアフリカ系の少年。両親が自宅の部屋で焼死したことがトラウマとして残っている。祖父の屠殺業の手伝いをしているので、学校には通わず、ホームスクールを受けている。
舞台のデリーという街にあまり有色人種がいない(多分)上に学校にも行っていないため、ヘンリー達には「余所者」として狙われている。
学校に通っていないがルーザーズクラブ入りを果たし、祖父の屠殺用の銃みたいなやつを決戦に持ってくるあたりはできる男。

これが1作目のルーザーズクラブのまとめ。
7人いるのに全員キャラが立っているのは誠に素晴らしい。

あとついでにキーマンとなるヘンリーにも言及しておくと、
警察官の父親を持つ不良グループのリーダーで、常にナイフ(多分父親のもの)を携帯しており、何かにつけてルーザーズクラブを狙ってくる。不良グループの中では小柄で、顔つきはまだ幼い。厳格な父親を恐れており、そこをペニーワイズ先輩につけ込まれ、父親をはじめとして「皆殺し」に脳を支配される。父親殺しの後は逮捕され、精神病棟に入れられている。

子供達ではペニーワイズ先輩は倒すことができず、27年後にまた戻ってくることを宣言して消え、ルーザーズクラブは血の誓いでもって、大人になった後にペニーワイズ先輩を倒すことを決意する。

⭐︎2作目
キャラの変遷は以下の通り。全力でネタバレもしております。

①ビル
女優の妻を持ち、作家/脚本家になっている。子供の時の経験からか、ハッピーエンドが書けないという欠点がある。吃音はだいぶマシにはなっているが、所々で吃音が出る。
あれだけ華奢だった少年期に比べると結構筋肉のある良い体をしており、イケメンに成長している。相変わらずルーザーズクラブではリーダーの役目を担う。
対ペニーワイズ先輩戦ではジョージーの幻影を見せられるが、それも克服し、ペニーワイズ先輩を倒すことに成功する。その後、マイクと電話で話す中で、新作を書き始めたことを告げる。

②ベン
少年期に手先が器用だったこと、建築系のクラスを取っていたこと等の影響で、建築関係のビジネスに携わっている。子供の頃の脂肪はどこへやら、めちゃくちゃマッチョなイケメンになっている。多分独身。少年期にベヴァリーに書いてもらったサイン帳のページを大事に財布にしまっている。実は子供の頃にビルとベヴァリーのキスを目撃していた事実が発覚する。
今でもベヴァリーのことを愛しており、ベヴァリーのピンチに愛の告白を叫び、例のポエムが自分が書いたものだとわかってもらい、結ばれる。ベーーーーーン!!!(歓喜の号泣)

③リッチー
子供の頃から口が達者でジョークばかり飛ばしていたが、よほど才能があったのか、超有名なコメディアンとして活躍している。独身。子供の頃にヘンリーの従兄弟とストリート・ファイターで対戦しており、帰ろうとする彼を引き留めたことをヘンリーに見咎められる。1作目で明らかにされなかった「秘密」は彼がゲイ(あるいは特定の相手=エディのみ愛にある状態)であること。相変わらずピエロが苦手。
対ペニーワイズ先輩戦でエディが死亡した際は、仲間の止める声も聞かず彼を連れて行こうとする。そして恋人達のイニシャルが掘られてきたベンチに、「R + E」の文字を刻む。ここは泣きました。飛行機の中なのに。

④ベヴァリー
服飾デザイナーとして成功している。結婚しているが、夫は彼女のトラウマである「父親」のような人物で、DVやモラハラを受けており、マイクからの連絡を受けて半ば家出のような状態でデリーに戻ってくる。子供の頃に貰った差出人不明のポエム(ベン作)はいまだに大事に持っている。ビルとは再会したことで恋心に火がつき、キスまでしてしまう。ベーーーーーン!!!(号泣)
かつて父親と暮らしていたアパートを訪ね、そこでペニーワイズ先輩の幻影のやべえババアに襲われる。また、ペニーワイズ先輩との最終決戦では血で溺れかけ、父親の幻影にも襲われるが、ベンの必死の叫びと自らの勇気でトラウマを断ち切り、ペニーワイズ先輩を倒し、無事にベンと結ばれる。ベーーーーーン!!!(歓喜の号泣)
 
⑤スタンリー
妻と平穏な家庭を築き暮らしていたが、マイクからの連絡を受け、デリーには戻らずに自殺してしまう。ビビって死に逃げたわけではなく、「自分という存在を消す」ことでペニーワイズ先輩との戦いをある意味で有利に持ち込んだことが最終的に明らかになる。

⑥エディ
リスクアナリストになり、母親に似た太った女性と結婚している。相変わらず病原菌とかウイルスとか、病気系のものが苦手。リッチーとは相棒的な形で行動を共にするように描かれている。ペニーワイズ先輩戦で深手を追って死亡し、遺体は崩壊するペニーワイズ先輩の住処と共に消滅する。エディよぉ… リッチーよぉ…(号泣)

⑦マイク
仲間がみんなデリーから出て行った状態で、ひとりデリーに残り、デリーの歴史や先住民族の教えを学び、ペニーワイズとは何なのか、どうすれば倒すことができるのかを調べ続けており、ペニーワイズ先輩の出現に合わせてルーザーズクラブ全員に連絡する。
先住民族の教えの刻まれた謎の道具(あれ何?)は4面あるが、最後の面=先住民族でさえペニーワイズ先輩を倒すことができず、多くが死に絶えたことを隠しており、仲間にも3面までしか伝えていなかった。
最終的にペニーワイズ先輩が倒された後は、ビルとの電話の中で、長年ペニーワイズのために残り続けたデリーを去ることを告げている。

ちなみにペニーワイズ先輩は「自由に姿形を変えられる」「人間の恐怖心がある意味で原動力」という能力を逆手に取られ、狭いところに押しやられ(=体を大きくできない)、散々なじられて(=原動力を失う)、ちっぽけなピエロとなって、最後に心臓を取り除かれ、潰されて消えてしまう。
その時に「お前達…大きくなったなぁ…」みたいなことを言うのだが、これがなんか今までルーザーズクラブを見守ってきた親戚のおじさんみたいでなんか草生えた。

結局ペニーワイズ先輩の正体がなんだったのかはハッキリとはわからないが、原作だと宇宙人とか神的な何からしい。あと作者のスティーブン・キングの世界観的に、血みどろプロムで有名な『キャリー』の超能力少女のキャリーと同類の存在らしい。これは多分スティーブン・キングガチ勢にならないとわかんないと思う。

長くなったし感想っていうかキャラの説明になったけど、まあいいや。
ITはたぶん私が見た数少ないホラー映画の中ではたぶん1番好きだと思う。そんな感じでした。