『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』読後感 | 渡る世間にノリツッコミ リターンズ(兼 続日々是鬱々)

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フリーライター江良与一のブログです。主にニュースへの突っ込み、取材のこぼれ話、ラグビー、日常の愚痴を気の向くまま、筆の向くまま書き殴ります。

 

 

何度か書いている通り、私は超肥満体だ。現在もさることながら、小学校低学年時も同様の超肥満体だったので、よく栄養指導を受けた。その場で必ず言われていたのは「バターやラードなどの植物性の脂肪分よりも、マーガリン、サラダ油など植物性の脂肪を摂取する方がカラダに良い」というオハナシ。この教えに則り、なるべく植物性の油を摂るよう心がけてきたし、現在でもオリーブ油やゴマ油は摂取する脂肪分の主力である。

 

標題の書は植物油=健康に良い、という従来の「常識」を見事に否定している。

 

ちょっと前に、トランス脂肪酸を多量に含むマーガリンは栄養学上の「極悪人」として槍玉に挙げられていたが、健康的な油として人口に膾炙しているオリーブ油やゴマ油も、筆者によれば「決してオススメはできない」シロモノなのだそうだ。

 

何故「オススメできない」のかについての解説は是非とも本文に当たっていただきたい。ごく荒っぽく主旨をまとめてしまえば、どの油にもそれなりの効能はあるが、反面、副作用もそれなりにあるということだ。

 

いやはや。当家はここ数年、パンにつける油脂分をマーガリンからオリーブ油に切り替えてきたし、オリーブ油を「主力」とする地中海式の食事を本格的に取り入れることを検討していたところだったので、この本の内容はなかなかにショッキングだった。

 

では人間は油を摂ってはいけないのだろうか?もちろんそんなことはない。アブラは人間のカラダを維持して行くのに必要な物資だ。脳の主成分が油脂分であることを考えてみても、悪いアブラを摂ることはもちろん、過度な摂取制限は悪影響を及ぼす可能性は高い。

 

ではどんなアブラを摂れば良いのか?これも詳しくは本文に譲るが、著者が挙げているのはシソ油、亜麻仁油、魚油等々である。それぞれにどんな成分が含まれ、どんな効能があるのかについて詳細に解説してくれている。根っからの文系である私は、物質の名前とか、どの効果効能なんぞを読むと、眼球がアレルギー反応を起こしてしまうので、とてもじゃないがここで詳しく述べることなど不可能である。

 

ところで、筆者が列挙しているアブラを摂る際に一番のネックとなるのが、これらのアブラの手に入れにくさである。生産に手間がかかり、少量しか生産されないため「普通」に流通しているアブラに比べればかなり高価だし、扱う店も限られてくる。この辺は各位の価値観の問題に関わってくるので、他人様のことをどうこう言うつもりはないし、そんな権利もないが、少なくとも私は、有益なアブラを取らないことが原因で罹患し、医者や薬屋に金を使うのなら、少々値が張ってもいいアブラを使いたいと思う。前者は壊れたカラダを修復することだけが目的だが、後者はそもそも故障しないカラダを作るのに有効だと考えるからだ。良い材料を適度に使い、良いものを適量摂取することがカラダにとって一番のメンテナンスなのだ。日々衰えを感じる今になってようやくそのことを実感した。とは言え、毎日、毎食とてもじゃないけど、そこまで気を使えないんだけどね(苦笑)。