前回に引き続き,今回はその1として,ハード面について書きます。
なお,私が経営しているアガルートは少し特殊なので,また別の記事にしようと思います。また,私が実体験に基づいて知っているのは前職のLECだけなので,他の予備校については伝聞であることを予めご承知おきください。
1 業務内容・業務時間
業務内容は,以下の2つがメインです。
①講義
②教材制作
ただし,共通テキストがある場合などは,②はやらないという講師が出てきます。
業務時間は,②教材制作をやるかやらないかで大きく変わってきます。
教材制作をやる場合には,一日の大半を教材制作に充てることになります。ただ,自宅作業でも可という予備校が多いかと思います。
一方で,①講義のみということであれば,収録や生講義の時間だけ業務を行えばよいということになります。
他律的な拘束時間は,①講義だけです。①講義にしても,収録講義であれば,かなり自由がききます。
2 金銭面
講師の収入源はいくつかあります。
①予備校からの報酬
②書籍や原稿の執筆料,印税
③大学学内講座,講演会,セミナーなどの報酬
なお,実務を兼任している人は実務の報酬もありますが,ここでは除きます。
①について
報酬体系は予備校によるところが大きいのですが,時給制(コマ給)か年俸制のどちらかを取っているところが多いかと思います。
時給制では,さらに,試験種ごとに,概ね難易度に比例したヒエラルキーのようなものがあり,司法試験や公認会計士試験を頂点とするピラミッド構造が敷かれています。
その上で,講座の売上げ,合格者数などによって時給や年俸が変動していくことになります。
②について
ある程度の講師歴になってくると書籍執筆の話が出てきます。
通常は印税で,出版部数(又は売上部数)の何%という形で支払われます。出版社にもよりますが,10%前後が標準的なのではないかと思います。印税の場合,増刷がかかればかかるほど,支払われる報酬も大きくなります。
一方,雑誌の連載などを持つ場合には文字数やページ数で執筆料が支払われるということもあります。
③について
予備校経由で受けるか,個人で受けるかで変わってきます。
予備校経由だと,予備校との契約で報酬が支払われ,個人で受けた場合だと当然その相手方との関係で報酬が決まり,支払われます。
人気講師になれば,時給や年俸が上がり,講義の担当コマ数も増え,また書籍を出版するようになれば印税も入ってくるようになるので,若くしてかなりの年収を稼ぎ出すことができます。
私自身の話を少しすると,私は司法修習に行っていれば新63期だったのですが,おそらく同期でもかなりもらっていた方なのではないかと思います。
また,当時は働く意欲が全く無かったと書きましたが,早めに名前を売って,書籍を出しまくって,40歳くらいでアーリーリタイアしようというキャリアプランでした。週4,5回講義をし,あとは執筆でもしながらのんびり暮らそうという,(私からはそう見えた)柴田先生のような生活を夢見ていました。
(つづく)
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