気が付けば最終電車に乗り遅れてた(クロワッサン編) | 朝鮮学校を卒業したオレが今思うこと

朝鮮学校を卒業したオレが今思うこと

朝鮮学校卒業 既婚
得意分野:ジムトレ、数学、妄想小説、婚活経験談(シモ含む)
座右の銘:来るものは拒むかもしんないけど去る者は追わず

 

 

私さ
朝鮮高校時代これでも結構モテたんだよね
男子からホワイトチョコたくさんもらった
私はバレンタインチョコあげてないのに
みんな私の事好きだったみたい




同級生にさシン・ソンチョルって人がいたの
毎年私にくれるのよね、チョコレート
真っ白のホワイトチョコ
もう少しひねれよって
髪型ヘンだったし服装もイマイチ
全然私のタイプじゃなかった

 

 

でもやさしかった

頭もよかったし

よく数学を教えてくれたもん

少し照れ屋だった





今ごろどうしてるかな

気になるんだよね
朝高卒業して数十年経ったから
さすがのソンチョルもいいオジサンだろうね
あ、ただの想い出話ね




私?
そう、ずっと独身

離婚経験もないよ
卒業してから地元で仕事ばっかりやってたから


仕事は
アムウェイ



当時、朝高の卒業生がたくさんハマってた
世間じゃマルチ商法って言われてるけど

・・・
 

そうね、あれはマルチ
マルチ以外の何物でもない


私も最初はアヤシイなんて思ってなかった
外資系の立派な会社だと思ってた
会員を集めていい商品をたくさん買ってもらえれば
多くの人が幸せになり、生活が豊かになり
自分も経済的自由を手に入れられる


そんなキャッチフレーズにやりがいを感じて

アムウェイにのめり込んだわ
手当たり次第商品を他人に売り込んだ
朝鮮高校時代の友人に片っ端から電話しまくり
担任ソンセンニムにも訪問販売に行った
親、兄弟、親戚に頭を下げて商品を売り込んだ


でも、みんな私を避けるの
声をかけるほど私を避けるの
そして気づいた時には
私の周りには誰もいなくなった
残ったアムウェイ在庫は
借金して買い取った


気が付けばもう手遅れだった
 

 

何もかも私の手からこぼれ落ちた
残ったのは借金だけ
だから私

アムウェイ辞めて地元を離れたの
顔知られてるから気まずいし
逃げるように沖縄に来たの
ちょうど30歳になった時

青い海と大きな太陽に囲まれて

解放感でいっぱいだった





オモニからはざんざん言われたわよ
「あんた早く結婚しなさいよ」って
でもさ
この青い海を眺めてたら

結婚なんてどうでもいいかなって
なんでオトコなんかと結婚しなきゃなんないの
ブザイクで金もなく頭も悪いオトコと
そんなのと一緒になるなら
シン・ソンチョルの方がマシじゃん
なんてさ



沖縄には自由があった
何物にも縛られない海人(うみんちゅ)がいて
トゥバラーマとデンサー節
毎日イーヤーサッサーだった



ある日
私は浜辺に寝転んで雑誌を読んでた
クロワッサン
パンじゃなくて雑誌の






私みたいに一人で生きていこうとする女
当時は周りから白い目で見られた
だけどクロワッサンは
女性シングルとしての生き方を発信する
当時としては唯一のメディア媒体だった
私を勇気づけてくれる味方だったの
女性としての強さ、凛々しさを教えてくれたの



柴門ふみ

ジュディオング
片桐はいり
林真理子
瀬戸内寂聴
向田邦子
加藤登紀子


オトコから離れて強く生きている女性たち
クロワッサンはそんな女性をいつも特集してた
私はクロワッサンに傾倒した
クロワッサンは私の聖書(バイブル)だったの



そして桐島洋子
私にとって憧れの人だった
シングルという当時としては斬新な生き方を
身をもって世間の女性たちに提案してくれた
いまでこそ世の中は女性進出が当たり前だけど
その先陣を切ったのが桐島洋子
さながら伝道師かしら


私はクロワッサンの表紙の桐島女史を
毎日拝みながら眺めてた
そして誓ったの
私も桐島さんみたいに一人で強く生きていくって




沖縄で10年過ごした私

40歳になってた
そんなある日
衝撃的なニュースが




桐島洋子が結婚

 

 


相手は美術鑑定士だかエッセイストだか
15歳年下のイケメン
鈍器で頭を殴られたような気がした



裏切られた



私は桐島さんに憧れて

今まで一人で生きてきた

これからもそうするつもりだった
それなのに

あなただけ結婚・・・?



ふざけないでよ

私は
私はどうなるのよ!



その日私は

泡盛を浴びるように飲んだ
朝起きると

そこは安ホテルのベッドだった
隣には知らない男がハダカで3人寝てた
私は散らばった自分の下着と服を集めて

泣きながらホテルを出たわ



2日酔いで頭はガンガンしてたけど
酔いはすっかり覚めてた
その時初めて冷静になったの

 

 

私は

このまま一人で生きていくんだろうか

楽しさや悲しさを特定の誰かと分かち合えず

自分の子供が成長するのも知らず

このまま老人になり

やがて死んでいくんだろうか

 

 

私が喜ぶ瞬間や悲しむ瞬間

誰も私に関心を寄せず

私が死んだら

全て無かったことになるんだろうか

 

 

 

見ていてほしい

一瞬でもいいから

私を見てほしい

言葉をかけてほしい

たったそれだけでいい

 

その瞬間に比べれば

この沖縄の青い海も

私が考える「自由」ってのも

それほど大事なものではないんじゃないかって

やっと目が覚めた気がする

 

 

 


結局

女一人で生きてこうとするなんてムリがある

もちろん世の中の独身者全員が

望んでシングルになった訳じゃないだろうけど

シンママさんとか

離婚経験者とかさ

やむを得ない事情もあるはず

 

 

でも私みたいに

自ら独身生活を選ぶ必要はないんじゃないか

 

 

なんか最近そういうオンナの人多いじゃない

40近くになって婚活がうまくいかない

「女性シングルの強い生き方」を言い訳にして

「どうせ結婚してもいい事ない」って言い聞かせ

逃げてるだけなんじゃないかって

私がまさにそうだった

イソップ童話の「酸っぱい葡萄」ってやつね

 

 

 

 

 

きっと誰かがそばにいたほうがいい

相手がオトコでもオンナでも

別に心から大好きな相手でなくてもいいの

ブサイクでもお金を持ってなくてもいいの

 

 

大事なのは

心から寄り添える存在が近くにいること

オンナは弱い生き物だしさ

 


もっと早く気付いて

ちゃんと本気でお見合いすればよかった

私はオトコをバカにして結婚を先延ばしてた

アメブロでお見合い相手の悪口ばかり書いてた

その結果がコレ

この有様

最終電車に乗り遅れちゃった

 

 

 

最初から素直にオトコと向き合ってれば

誰かと一緒に暮らす人生だったのかも

シン・ソンチョル どうしてるかな

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば

こないだ久しぶりにクロワッサン買ったの

その時の特集記事がさ

 

 

 

 

結婚と子育てQ&A

 

 

 

 

笑えるでしょ

世間に迎合しながら

時代ごとにスタイル変えるスタイル

それが情報誌なのよ

当たり前なんだけど

そんなメディアを信じ切った私が悪かった

 

 

 

 

あ、なんかごめんね

ダラダラと長話しちゃって

こんな話

いま婚活パーティーでする話じゃないよね

きっとあなたにはいい人見つかるよ

 

 

 

 

最後に一つだけ

誰かと一緒になるために大事なのは

好きな人を探すことじゃない




好きになってくれる人を探すこと

 

 

 

好きになってくれる人なら

一緒になるのはカンタンでしょ

自分がその人を好きになればいいんだし

後だしジャンケンでいいじゃない

あなたも最終電車に乗り遅れないようにね

 

 

 

 

 

シン・ソンチョル

どうしてるかな

 

 

 

 

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