こんばんは、ななせです♪
5月になり、10連休のGWも残りわずか。
ようやく土休ダイヤから抜け出せます…
さて、旅行記が2つ続いたので久々に模型な話題です。
今回は日比谷線の向こう側を走る銀色車体に赤い帯を纏った
車両についての話題です。
新たに入線したのは、グリーンマックス製
「東急8090系前期形 東横線 8両編成セット(動力付き)」です。
こちらは品番が#4356の初期ロット品。
品番が#30000番台の再販品との差異はライト・動力・台車などの下回りであり、
ボディは変わらないため他の部分は別にいいやという事でこちらにしました。
昔エコノミーキットの8090系を作ったことがあるので「初めまして」感が薄いですが、
キットの方は製作スキルが「お察し」ですからだいぶ前に廃車・解体しています。
製品仕様は1次車(=8000系12-1次車)であるトップナンバーの8091Fで、
当初7連だった編成に1両(デハ8491)組み込んだ8両編成。
製品説明にもある通り1985年頃を想定しており、
8090系が全て出揃った頃の姿をプロトとしています。
8091Fの編成内容は下記の通りです。
←渋谷
(Tc2) クハ8091
(M) デハ8491
(M2) デハ8291
(M1) デハ8191
(T) サハ8391
(M2) デハ8292
(M1) デハ8192
(Tc1) クハ8092
→桜木町
東急8090系は8000系の12次車として1980年に登場しました。
*東横線時代を知らない世代です(言い訳)
広義の8000系に分類されていますが、外見が違いすぎるため
大抵の場合は8500系や8590系と共に区別することがほとんどです。
1958年製の5200系に端を発し、「ステンレス王国」を築き上げた東急は
更なる技術向上としてコンピュータ解析を用いた車体設計を行いました。
*8000系デハ8401・8402(1978年登場当時)
2両の8000系試作車を経て、量産された国内初の軽量ステンレスカーが
今回紹介する8090系です。
この設計によって車体が約24%、編成全体で8%の減量に成功し
のちに国鉄の圧力でこの技術を無償提供することになりました。
8090系は東横線に配属され、速達列車である急行運用をメインに
「東横線のエース」としてその栄華を欲しいままに…できませんでした。
80年代後半になると、横浜駅からみなとみらい地区へ延びる地下路線
MM21線計画が本格始動します。
東急でも将来的に乗り入れすることが決まったものの、8090系では
前面非貫通に加え、出力不足で乗り入れ基準を満たしていません。
そこでケチ臭い東急は、前面貫通の制御電動車である先頭車のみを製造し
8090系から中間車3両×2編成を抜き取って8590系を組成することに。
中間車を抜き取られ5両となった8090系は、花形路線である東横線から追い出され
1988~89年にかけて大井町線へ左遷転属してしまいました。
さて、細かく見ていく前にまずは点灯チェックから。
やはり2013年発売の前回ロットであるため、
ヘッドライトは末期色です。
一応この辺は想定の範囲内ですから、交換してしまえば問題ないですね。
という事で、(強行突破で)何とかしてしまいました。
こてを当てすぎてLEDが微妙に溶けてますね
使用したのは3020サイズの電球色チップLED。
*#LP-3020H196WH
…なのですが、今回はこの品番だと厚みがあり過ぎて嵌らないので
ライトケース側の基盤を抑える部分を破壊してマスキングテープで蓋パーツを固定しました。
ひとまず組み立てるとこれといった不具合は無く
ライトの色・光量が改善できたと思います。
では、気を取り直して前面のレビューから。
8090系1・2次車ーいわゆる「前期形」の特徴は、
ライトケースが赤帯の下にある事です。
3次車(8097F)以降になると赤帯の位置にライトケースを設置していて
前期形とは印象が異なります。
また8090系は前面非貫通に加え、前面窓押さえが細く開放的な前面であり
他の形式とは一線を画した独特な印象があります。
前面窓の改造についての言及は割愛します
側面写真です。
基本的なデザインは8000系を踏襲しつつも、コルゲートが廃止され
ビードプレスになっています。
また、8090系は東急のステンレス車で初めて車体側面に
赤帯が入ったことで知られています。
さらにコルゲートを廃止した事によって車体のひずみを防ぐため、
車体上部は内側に傾き、裾部を絞ったいわゆる卵形車体が特徴です。
この辺は何だか5000系に通ずるものがありますね。
側面をクローズアップで。
4次車までと5次車(8087F・8089F)&8590系では、側面の溶接部分が異なります。
4次車までは窓上部付近にあるのに対し、5次車と8590系は
ビードプレス(幕板部)の真下にあります。
他のレビューでもよく「銀色の質感が…」と言われていますね。
本来ならば溶接部分やビード部分を境につやあり/無し(=ダルフィニッシュ)で質感が違うものの
それらに関しては特に塗り分けしていません。
まずは渋谷方のクハ8091から。
右側にある補助電源装置であるSIVが目を引きますね。
確かにTc2には補助電源装置を搭載していますが、
実車ではMG(CLG-350;140kVA)を搭載しています。
こちらには空気圧縮機(CP)が吊るしてありますが、
先頭車にCPはありません。
逆にTc1には、補助電源装置として
SIV(BS-477A;50kVA)を搭載しています。
次はパンタグラフを装備する電動車(M2/M)。
7連→8連化時に増結したデハ8491、M1車とユニットを組む(=1C8M制御)デハ8191、8192です。
*デハ8491は単独M車(=1C4M制御)です
また、編成内ではパンタ装備車のみPTのある渋谷方の妻面に
貫通扉が設置してあります。
M/M2車の床下機器です。
パーツの金型は8500系のものを流用しているそうなのですが、
制御段数などの細かな差異はあれど8000系とほぼ同じです。
エコノミーキットだと、制御機器が国鉄のCS40(=103系1000番台)
みたいなものを使用していましたね。
今製品は8500系の流用とはいえ、8000系列でお馴染みの
界磁チョッパ制御の特徴が出ていると思います。
使用しているパンタグラフは2ホーンのPT42N(←GMの品名)。
集電舟のホーンが太く、何だか地方私鉄へ譲渡したような感じですね…
しかしながら、東横時代であればこのままで大丈夫です。
クーラーパーツです。
よく見ると8000系と微妙に形状が違いますね。
先述の通り8090系は軽量ステンレス車ですから、クーラー側面も肉厚を薄くして
軽量化を図ったのか側面に窪みがあります。
*8500系だと非軽量車でも混在している事があるので興味深いですよね
クーラーについてはディテールアップを図りたかったので
トレジャー製のパーツに交換したかったのですがー
…と思いきや、新製品で軽量車ver.の
RPU-2204AJが出ているではありませんか(今更
*#TTP903-03
今すぐにとはいきませんが、これはいずれ交換すべきですね。
動力ユニットです。
旧ロットであるためコアレスモーターではありません。
購入前に試走しており、阪急2800系の再来を思わせる
爆音モーターでした。
実車もかなりうるさいモーター音ですから、ひとまずはこのまま
使い倒していこうと思います。
こちらはM1車であるデハ8291・8292です。
コンプレッサーを搭載しているので片側にCP本体が、
もう片方には元空気ダメを設置しています。
どちらの車両も同じパーツを使用しているのはあくまでも模型の話であり、
実車と比べるとやはり異なります。
M1車であるデハ8290形は、それぞれCP(HB-2000)とSIV(BS-33-A-10;10kVA)を
搭載していますが、車両によって数が異なります。
奇数車であるデハ8291はSIVが2基・CPが1基搭載しているのに対して
偶数車のデハ8292はSIVが1基・CPは2基になります。
8090系の編成内で唯一の中間付随車であるサハ8390形。
サハとは言っても、SIVなどを搭載しており
床下機器は意外と賑やかになっています。
とはいえ、実際のサハ8390形はCPも補助電源装置も搭載していません。
最後に台車です。
東急お馴染みのペデスタル(軸箱守)台車です。
*M車:TS-807B / T車:TS-815B(新製時)
当区の保有車両の大半は住友製の台車(が主流の鉄道会社)なので
ペデスタル台車を履く車両は少数派です。
東武73系(=旧国鉄63系)か国鉄旧客くらいですね
構造が単純で分解が容易な反面、軸箱守の摩耗による軸箱との間に生じる
隙間の調整に手間がかかるといった欠点もあります。
東急の台車では主流の方式であり、ボルスタレス化した後も
9000系や1000系で採用されています。
という事で、以上がGM製東急8090系(前期形か・東横線)のレビューでした。
『私鉄の車両(営団編)』の一コマを意識しながら…
私は東横線時代の世代ではありませんが、幼少期によく読んでいた
『私鉄の車両』シリーズで表紙を飾っていたのでやはり東横線のイメージですね。
東急8000系列と言えば、四角い車体に貫通扉付きの典型的な東急スタイルですが
8090系はそのどれにも当てはまらない斬新さに惹かれてしまいます。
東横線を走ったのは10年にも満たないものの、合わせられる車両は
多く居るので今後はそれに見合った車両たちを集めていきたいですね。
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪