こんばんは、ななせです♪
早速本題ですが、「おまたせしました」でいいのでしょうか…?
去年から地元車両として次々と導入が続く常磐線の103系。
今回は路線を変え、少し風変わりな車歴を送った103系についてお送りいたします。
新たに入線したのはTOMIX製「JR103 1000系通勤電車(三鷹電車区)セット」です。
限定品の黄帯仕様とどちらを入線すべきかギリギリまで悩んだものの、
相方である東西線車両の仕様に合わせ、通常品の青帯仕様にしました。
東西線乗り入れの103系の中では1編成しかいないこともあり、周囲でも「常磐は買うけどこっちはパス」
なんて話をよく耳にしますから、盛り上がりはイマイチみたいですね…
レビューも全然上がりませんし
実車解説をすると、当初は千代田線乗り入れを目的に登場した1000番台。
…とはいっても103系であることには変わりないので「暑い・うるさい・電気食う」と
評判はよろしくありませんでした。
のちに203系の登場で地下鉄乗り入れ運用から追い出され、
ある者は地上運用(常磐快速)へ、そしてある者は105系化改造の種車になりました。
そんな中、とある1編成だけは他とは違う運命を辿ります。
―場所は変わり三鷹電車区。
こちらも地下鉄東西線に総武緩行線が乗り入れています。
80年代になると、7連だった東西線の10連化が始まり
国鉄側も10連化によって編成数が減ってしまいました。
さらに国鉄民営化後は冷房化が進み、ただでさえ少ない編成が
冷改入場によって編成不足に拍車がかかりました。
*AU75基準ですが、1両あたりおよそ2~3か月かかるそうです
そこで不足分を補うために、もと乗り入れ車だった
松戸区の1000番台に白羽の矢が立ちました。
転属した編成(=ミツK8編成)の車番は下記の通りです。
←三鷹・中野
(10) クハ103-1010
(9) モハ102-1036
(8) モハ103-1036
(7) モハ102-1034
(6) モハ103-1034
(5) モハ102-1033
(4) モハ103-1033
(3) モハ102-1032
(2) モハ103-1032
(1) クハ103-1009
→西船橋・津田沼
当初は「貸出」という形での転属だった当編成ですが、かつての地下鉄運用は
まずはいつものように暗くて妙に光沢のある屋根を
当区標準化していきたいと思います。
この時、妻面の貫通扉も塗装していくので車体の方も極力パーツを外しておきます。
屋根塗装はいつものように屋根板がGM35・屋上機器類はタミヤAS-26を使用し、
塗装後はクレオスのつや消しクリアーで質感を整えました。
屋根を塗装したら、パーツ類を元に戻していきます。
その時にクーラーをKATOのAssyパーツ(#Z04-1276)に交換します。
1000番台なので当然ながら銀色のAU75Gであることは言うまでもない…のですが、
下写真左側のようにどういう訳かTOMIXのパーツは「似てない」です。
KATO製の方も実物と比べるとクレーンフックの彫りが少し深いものの、
造形はかなり引き締まっていると思います。
ちなみに、取り付けには向きがあるので気を付けましょう。
クーラー側面の突起モールドとキセの端との距離が狭い方を
屋根板パーツの矢印の方向に合わせます。
当区での取り付け方は、クーラーの取り付け足を全て切り落とし
Gクリヤーで接着するといった強行策です。
最近、KATOでは「AU75ステンレス」という名前で色味を変えており
メタリック感が少し強めになっています。
なので当区では旧ロットである「西武クハ1101クーラー」を使用しています。
同じことを考えている人は多いのか、西武クーラーの方は
在庫が無くなり始めているので購入を考えているならお早めに…
次は車体に簡単な色差しを行っていきます。
おや、新聞に何やら気になる見出しが…
先述の通り、三鷹区へ転属した車両は全て車両更新車なので
貫通扉を銀色に塗装しました。
*GM8番
緑帯車みたいに薄緑色の扉は原形や未更新車ですから
前回のノリで間違えて塗らないよう気を付けてください。
ちなみにIRアンテナはいつから黄色に塗られたのか分からなかったので
今回は保留にしておきました。
アンテナを設置していきます。
説明書にもエメグリ仕様では「(炎管に対して)前か後ろかお好みで」の標記が
今回は「後ろ側のみ」に訂正されていました。
付属品だと485系アンテナ(笑)なので独自路線で設置していくつもりですが、
マト12編成の時とは趣向を少し変えたいと思います。
*マト12編成の整備記事にも追記済み
まずは前回と同様に、本来は常磐無線アンテナ用の「B」にケガキ針を当てて印をつけました。
使用したのはレボリューションファクトリーの常磐無線アンテナ台座。
*品番#5011
少し前に田端のEF81を弄る際にブログ友達のyam様に教えてもらったのですが、
常磐無線アンテナは下に4つ足の台座があり、その上にアンテナ本体があるのだそう。
これは松戸生え抜きの103系にも当てはまり、1000番台特有の
四隅に足の無い四角い台座が少し浮いているのはこれに起因しているからです。
まずはパーツをランナーから切り出し、一見バリのように見える
取り付け足を直角に折り曲げます。
実車通りなら上から3番目のパーツですが、今回はアンテナで見えなくなるため
用途が不明な(?)一番上のものを使用しました。
台座をつけたら、いつも通りKATOのAssyパーツ#Z04-6345で
アンテナ本体を上に置きます。
前回とは違い、取り付け足を完全に切り落としてGクリヤーで接着しました。
というのも、前回のエメグリ仕様のやり方で取り付けたところ
どうもしっくりこないし運転会でも取り付け穴が悪目立ちするのですよね…
特に上から撮影すると…
そこで、EF81のアンテナをヒントに103系でも出来ないかと試した次第です。
*マト12の方も同様に仕様変更しました
また、信号炎管についても実車と比べると少し小さいなと思い、
0.8ミリで穴を拡げ、KATOの#Z04-6122に交換しました。
これに関しては今までのパーツに慣れ過ぎているため多少オーバーに見えますが、
実車もそれなりの高さがあります。
ちなみに前面窓下の通風孔蓋は、エアブラシを持っていないので
これについては目を瞑ってしまいました…
東西線内の種別表示器を再現しました。
営団車はATS-P設置に際して早々に外れてしまったものの、国鉄車の方は
90年代中頃まで見ることが出来ました。
いつものようにクロスポイントの営団5000系用ステッカーを
薄いプラ板に貼り付け、裏から接着しました。
ここで気を付けなければいけないのは、ライトユニットに干渉しないように
ガラスパーツの縁ではなく内側に接着します。
*つまり「のりしろ」が極端に少ないという事です
もちろんLED化する頃には撤去されてしまうため、幕式の列番表示器は
緑帯セットから捻出しました。
ちなみに乗り入れ運用については、営団最末期の2003年でも
01K~13K運用(平日)までしかないことから、あまり選択肢がありません。
次に保安装置の取り付けです。
ついでに点灯チェックも(出力弱めで)
車体標記は[PBC]であり、ATS-Pと営団用のWS-ATCが、
そしてATCの後ろにATS-B車上子があります。
使用したパーツはATC車上子が銀河モデルの#N-812、
ATS-Pはトレジャー製#TTP151-03です。
ちなみに緑帯仕様もそうなのですが、車上子の設置によって
TNカプラーの可動域に干渉します。
とは言え、どちらの仕様も他編成と併結することはないので
あまり気にしなくてもいいのかなと思います。
最後にインレタの転写です。
図はエメグリ冷改車セットの説明書を使って書き加えていますが、
転写位置については基本的に変わりません。
*ちゃんとモハ102のMG冷却ルーバーも第2エンドに置きました
使用したのはほぼ全てくろま屋のもので、品番は下記の通りです。
*くろま屋インレタは全て黒色を指定しました
#7:称呼順位標記・ドアコック
#27:ATS装置標記(要加工)
#61:通勤形電車用所属標記
・シルバーシート:他の103系セットの付属品から捻出
インレタを転写していく上で大変だったのは、先頭車第2エンドの所属標記。
標記の両脇にモールドがあるため、標記スレスレに切り出したものを
セロハンテープで固定して転写します。
この時に便利だったのは、ミネシマ製のバーニッシャー。
ヘッドが1.7ミリと1.0ミリになっており、こういった細かな部分の四隅などにも届きます。
ちなみにくろま屋インレタの特徴は弱い力で簡単に転写できること。
…ですが、裏を返せば転写位置の微調整や転写中にずれてしまうと
いとも簡単に標記が歪んでしまいます。
このようなセロハンテープ戦法の場合、まずは位置決めをしたら軽く乗せ
インレタフィルムの周辺のテープをバーニッシャーでしっかり固定してから転写します。
また剥がす時も勢い任せにすると、ただでさえマスキングテープで塗装が剥がれる
TOMIXクオリティですから、慎重に剥がしていきましょう。
転写が完了しました。
先述の通り保安装置標記は[PBC]であり、そのような組み合わせは無かったので
[PB]あるいは[BC]を先に転写しました。
そして、後からケガキ針などで「コ」の字形に削ったものを
くっつけることで何とかしました。
この時、「コ」の字に削り出すのは乗務員扉から一番遠いものに
すると転写が楽になると思います。
*第1エンド→[PB]+C]・第2エンド→[P+[BC]
やはり削り出しに苦戦したので、多少寸足らずだったりするところもあります…
保安装置標記に関しても、乗務員扉脇の手すりモールドがジャマになりますから
切り出してセロハンテープ戦法の方がいいでしょう。
こちらは先頭車第1エンド車端部です。
シルバーシート標記については両先頭車の両エンド側に取り付け、中間車には転写しません。
*黄帯セットと同様です
これに関しては、大抵の方はプロト通り列番表示器がLED化後のハズなので
全車の車端部窓に「優先席」ステッカーを転写します。
*弱冷房車は94年頃?
そして当区でのプロトは90年代前半であるため、所属標記は旧東京3局(=北・南・西)を
統合した東京地域本社時代である「東ミツ」を選択しました。
*1998年3月末まで
写真右側は客用扉の沓摺を銀色にしたのですが、気付いたでしょうか?
これもまた、くろま屋の#259番を使用して再現しました。
一度だけくろま屋の実店舗へ行ったことがあり、エメグリの103系を整備する際
お店の人に勧められたのがこちらのインレタです。
凹凸部への転写なので正直不安もあったものの、TOMIXの103系はモールドが
(実車同様)かなり薄いため、擦る時間を気持ち長くすれば簡単に転写できました。
ポイントは長く擦っていると、インレタの色味が変わってくるのが分かります。
全体的に色味が変わったら転写完了のサインです。
今回は車体が白っぽいのであまり違いがわからないものの
近くで見れば効果は絶大ですし、何よりも塗装の手間が省けるのは嬉しいです。
という事で、以上が三鷹電車区所属の103系1000番台についてでした。
千代田線乗り入れ時代に顔を合わせていた5000系とも
三鷹転属によって再会を果たすことが出来ました。
別に乗務員扉の下部把手を付けてLED表示器仕様でもよかったものの、当区での東西線系統の車両は
営団5000系をコアにしているため転属→青帯化直後の方が何かと都合が良かったりします。
ちなみに察しの良い方は既に気付いてるかと思います。
―この状態でもエラーであるのはお分かりですよね?
*各停運用ならセーフですが
それは行先方向幕の「快速」の部分。
当時の「快速」標記は、黄帯セットのイラストのように天地方向へそれぞれ余白があります。
そのうち黄帯セットからのばらし品や、あるいはエメグリに塗り替えることを前提に
黄帯セットを購入して捻出しようかと思案中です。
そもそも前面窓下の通風孔蓋の撤去や、側面のドアコック二重枠化といった
当区のスキル的に目を瞑ってしまったエラーがまだいくつかあるのですよね…
ひとまず今後103系の増備は一旦落ち着かせ、まだ見ぬ103系1200番台や
301系が製品化されたら東西線ワールドを拡大していこうかなと思っています。
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪