おかえり!
ホンバくん、帰ってきました。


わたくし、真菌人間なのでそのまま預かりさんちにお届けしました。 
2軒隣の夫の叔母を預かりさん呼ばわりするって、酷い?
めっちゃ猫好きな私の里親さんでもあります。


同じ人に2回譲渡して、2回キャンセルされた訳で、まあ一言で言うと自分にも元里親さんにも怒ってます、私。
この方は他団体からも1回トライアルキャンセルしているので、2度と猫は飼わない方がいいと失礼ながらお伝えしました。

そんな人に2回も大切な子を譲渡した私が一番悪いです。

譲渡しなければ誰もこんな思いはしなかった。
このことは深く戒めとして心に刻んでおきます。


今日はトライアルについて、私のスタンスを書きます。

トライアルを、相性が悪かったら、飼育がめんどくさかったら、なんか違うと思ったら返却出来る猫のお試し期間だと思ってる人います?

もしかしたらそういう団体もあるかもしれないけれど、私はそういうスタンスじゃないです。

試されてるのは猫じゃなくて人間です。
不適切な飼い方をしてないか、きちんと生涯大事にしてくれるか、ジャッジしているのです。

私は他人を判断なんかしたくないから、そもそもトライアルなんて嫌なんです。
だから、ナーバスになっていたりちょっと違うぞって時も励ましたり大目に見ながら里親さんも生活しながら変化するのを期待して、あえてあんまり指導みたいなことは言わないようにしてる。


今までそんな人いないけど、猫に危険が及びかねない飼育をする人には雷親父になる覚悟はありますけど。

そんな訳で、里親さんから猫を取り上げたことはないです。(厳密に言うと他のボラさんの里親さんから猫を取り上げたことはあります。)


トライアル中止で戻される猫の気持ち考えたことありますか?

猫は私をお母さんだと思っています。
譲渡なんて人間の概念で、猫からしたら譲渡だって遺棄ですよ。

毎回ごめんね、この別れだけ耐えてね、すぐに忘れてね、幸せになるためだからねって思って別れます。
幸せにするための通過点だから辛くはないけど心は痛みます。

里親さんちで新しい名前を貰い新しい生活を始める。
猫は前しか見ないから、遅かれ早かれそこで生きていくものだと受け入れます。
新しい親も名前も受け入れます。

そうして慣れたころのトライアルキャンセル、猫はまた棄てられたんです。
譲渡もトライアル中止も猫にしてみれば遺棄なんです。傷つくのです。


駄目なら返せばいいやとキャンセルの可能性を残したままに申し込まないで下さい。
傷つくのですよ。
猫だって。
私だって。
たぶん、あなただって。


人間の子どもに同じことをしますか?
相性が悪いから返却したい。
お兄ちゃんと合わないから返却したい。
私じゃない親の方が幸せに出来そうだから返却したい。
なんかめんどくさいから返却したい。

人なら出来ないことを猫相手になら平気でする。
それは命の軽視です。


私ね、6歳の時に両親が離婚したんです。
サラリと書きますけど翌日には違うお父さんがいました。
小さいと、それがなんなのか分からないのですよ。 
悲しいとか寂しいとか幼すぎて言葉にする能力がない。
ただ、そういうものなのかな?と思いました。
お父さんってたまに代わるのかな?みたいな。
ちょっとアホだったからそんな感じ。

返された猫もたぶんそんな感じです。
幸せがシャボン玉みたいに弾けて消えても、なすすべなく受け止めるしかない弱い存在です。
柱にしがみついて行くのは嫌だとも言えず、
なんで捨てるのかと怒りも表せず、
ただ漠然となんだか寂しくて泣けてくる。


猫の気持ちに自分の過去を映してワナワナする自分がカッコ悪いですけど、私にとって猫を譲渡する、猫が戻ってくる時に思い出すのはあの時の自分なんです。


頼むから、私から猫を引き受ける人は絶対に手放さないとかたく誓って下さい。
猫も私もすごく傷つくのです。

そういうの重かったら、カジュアルな譲渡してくれる人から引き受けて下さい。
この辺のスタンスはボランティアによって温度差があると思います。

今日は悲しいです。
でも猫は前しか向かないから、ホンバくんも少し泣いてきっと忘れてくれる。
新しい幸せを探すしかないですね。