NANAです。
破水したと思った私は、トイレから必死に旦那を呼びました。
『破水した』
と伝えましたが、旦那は事の重大さをまだよくわかっていないようでした。
結局病院に連絡し、救急車を呼びました。
同時に妹にも連絡し、破水したことを伝えました。
妹から実母へ連絡してくれました。
救急車が来るまでの間、私はバスタオルを腰に敷き、ソファに横になっていました。
腰を高くしていましたが、ダラダラと羊水が出ているのがわかりました。
私はずっと、泣いていました。
救急車が来たのは、かなり時間がたってからでした。
文句なんか言ったって仕方ないけど、20分以上は経っていたと思います。
でも、そのおかげで実母が間に合い、一緒に救急車に乗ってくれました。
旦那は帰りのこともあり、自家用車で。
救急車の中で、母が『大丈夫』って言うと、少しずつ落ち着いてきました。
そして、病院にまで2時間。
私はずっと目をつぶり、とても冷静に、現状を受け入れていました。
私は医療従事者です。
自分が持っている知識を全部集めても、お腹の赤ちゃんが助かる可能性はないと、とても冷静に思っていました。
2時間後、病院に到着しました。
救外ではなく、産科病棟運ばれました。
ますます、自分はすぐなんとか処置をする状態ではないのだと思いました。
産科に着いても、来るのは看護師さんばかり。
張り止めの薬を点滴で落とし始めてくれましたが、もうほとんど、お腹の痛みはありませんでした。
近くには、ずっと母がいてくれて、本当によかったと思いました。
医師は、なかなか、来ませんでした。
自分はもう、ダメなんだと、わかっていたけど、だからすぐには来てくれないんだと思ったけど、とても、とても悲しかったです。
『今日は出産が重なってて』と、看護師さんに言われたのも、とても辛かったです。
ようやく医師が来ましたが、申し訳ないけど研修医かと思うくらい頼りなさそうで、とても不安に思ったのを覚えています。
そして、ようやくエコーをあててくれました。
子どもたちが、元気に動いていました。
一通りエコーを見て、お話をしてくれました。
破水をしていること、破水しているのは1人だけだが(二卵性双生児でした)、すでにほとんどの羊水が出てしまっていること、今ある腹痛は陣痛だと思われること、今は張り止めの点滴をしているが、中止して、娩出の方向で考えたいとのこと、1人娩出されたら、2人目も出てくるだろう、ただし2人目に関してはすぐ出てくるか、出てくるまでの時間がかかるかもしれないがわからない、妊娠20週なので救命はできません、と。
私は、とても冷静に、静かに泣きながら、医師の話を聞いていました。
絶対どうにもならないとわかっていたけど、もしかしたらなんとかなるんじゃないかって少しだけ心のどこかで思っていたけど、現実を突きつけられました。
嫌だ、なんとかして、赤ちゃんを助けて、と、心のどこかで思いつつ、言葉にしても意味が無いと思っていました。
医師が患者に伝えるということがどういうことかを私は知っていたのです。
『はい、わかりました』
まるで他人事のように、そう答えました。