NANAです。
医師からの話を聞いていたのは、私と母だけです。
遅れて到着した旦那にも、医師から同じ話がされました。
旦那も、泣きながら話を聞いたそうです。
その後すぐに点滴は止められましたが、陣痛は止まっていたように思います。
なんとなく痛いような気もしたけど、『痛い』って言いたくありませんでした。
そうしたら、そのまま産まれないでいてくれたら…と、どこかで思っていたのかもしれません。
一旦陣痛がおさまったので、その間に分娩室へ移動しました。
そこでようやく、旦那の顔を見ました。
何か会話をしたかもしれませんが…あまり覚えていません。
ただただ、2人で泣くことしかできませんでした。
分娩室にいるのに、お腹の赤ちゃんは助からない。
分娩を頑張るお母さんの声も、たまに無事産まれた赤ちゃんの声も聞こえる分娩室にいるのに、この新しい命が産まれるべき部屋で、私たち夫婦の未来は、真っ暗でした。
時は過ぎ、再び、お腹の痛みが戻ってきました。
痛みが出たら呼ぶように言われていたので、ナースコールを押しました。
最後のエコー。
子どもたちは、元気に動いていました。
私は涙で、よく見えませんでした。
私は本当の出産の痛みを知りませんが、すごく、すごく痛かった。
こんなに声が出るのかと思うほど、そうでないと痛みに耐えられませんでした。
『痛い』と泣きながら叫び、こんなに痛い思いをしても、得るものは何もない。
私の声は大きすぎたのか、助産師さんに『もう少し静かに』と、言われました。
ショックでした。
これから私は自分の赤ちゃんを、生きることが出来ない赤ちゃんを出産しようとしているのに、どんなに赤ちゃんが小さくても、陣痛は痛いのに。
『はい』って返事したけど、つらい。
つらすぎました。
私の産む子は生きることが出来ないから、陣痛の痛みは弱いの?
声を出してはいけないの?
悔しい。
なんで、私なの?
なんで、赤ちゃん生きられないの?
誰か、夢だと言ってほしい…
痛すぎて、早く産んで終わりたいとも思ったけど、痛みが終わるということは、子どもたちが死んでしまうこと。
もう、ぐちゃぐちゃでとにかく、痛くてつらかったことしか、覚えてないです。
夢の中にいるようでした。
人生で1番、泣きました。
あんなに妊娠して、幸せだったのに、こんなにつらい思いをするなんて思ってなかった。
初めて、死にたいと思いました。
出産の時は、なぜか旦那も母も外に出されました。
私は、ひとりで子どもを出産しました。
最初に出てきたのは破水した男の子。
5分もせずに出てきたのは、女の子。
苦しくて、つらい痛みはなくなりました。
そして、子どもたちもいなくなってしまいました。