全国神楽大会@豊後大野~2日目~ | いっちきち!やっちきち!豊後大野

いっちきち!やっちきち!豊後大野

大分県のなないろベース(豊後大野市青年団)のブログです。活動のこと、豊後大野市のことを紹介します!

2015.3.22(Sun)10:00-@エイトピアおおの

こんばんは、事務局タカッチです!
一昨日・昨日と、「全国神楽大会」@エイトピアおおので開催太鼓
(※出演団体など詳細は、↑をクリック:告知記事へ☆)

前回に引き続き、豊後大野市に関すること&郷土芸能(地域性あるもの)&なないろベースメンバーも出演・観覧ということで、弊ブログにてご紹介いたします!
なお、今回は2日目の模様をご紹介いたします☆

<演目表(2日目)>
(1)浅草・犬山神楽(豊後大野大野)「神逐」
(2)大土地神楽(島根)「荒神」
(3)大木神楽(豊後大野千歳)「地割」
(4)奥畑神楽(豊後大野三重)「五穀舞」
(5)備中神楽美栄社(岡山)「国譲りの舞」
(6)石見神楽久城社中(島根)「大蛇退治」
(7)早池峰大償神楽(岩手)「天降り」
(8)御嶽神楽(豊後大野清川)「高御座」
(9)松尾神楽(豊後大野三重)「八雲払」
(10)大迫神楽(豊後大野千歳)「岩戸開」


(1)浅草・犬山神楽(豊後大野市大野町)
 かつて、大野町には、浅草神楽(浅草神社:浅草流本山)と犬山神楽(上津神社:上津流本山)があり。
 犬山神楽は、県指定文化財。
 ただ、双方とも過疎高齢化の波に勝てず、しばし活動休止。
 しかし、平成14年に大野町の若者たちが立ち上がり、浅草・犬山神楽保存会として再興。
☆「神逐(かみやらい)」
 高天原(たかまがはら:神々の住む世界)で悪さをしてばかりのスサノオノミコト。
 その悪行に怒った八百万の神々が、スサノオを高天原から追放する演目。
 浅草・犬山も、前日の朝地同様、場外を含めて大攻防!!(笑)
 
(2)大土地神楽(島根県出雲市)
 古くから大土地荒神神社の神主に舞われていた神楽。
 寛政10(1798)年の記録では、宝暦年間(1760年前後)には既に素人神楽が舞われていたようです。
 平成17年2月に国の重要無形民俗文化財指定。
 能舞の要素も含まれた舞もあり、腰にまくらを背負っている独特な衣装もございます。
☆「荒神(こうじん)」
 国譲りの演目のようです。
 天照大神の勅命で、タケミタヅチとフツヌシの二柱が、出雲の国譲り受けを乞うため、大国主命を訪ねます。
 直談判の結果、大国主命は、出雲の大社造立を条件に国譲りを承諾します。
 しかし、大国主命の子:タケミナカタは、話し合いだけでは納得せず。
 ついには、タケミナカタは力比べを申し出るも、諏訪の地まで後退。
 結局、タケミナカタは大国主命の言われることに従います。
 なお、天照大神は、タケミナカタの武勇に感心。諏訪の社を与え、タケミナカタが諏訪の地を守ります。
▽天からの遣い、タケミカヅチとフツヌシ。
 腰には枕を当てています(枕の中見は、島根らしくそば茶)
 
▽大国主命が登場。大変めでたい神様で、ご利益を頂けたかな??(笑)
 
▽大国主命の子タケミナカタ。天からの二柱と激しく力比べするも、諏訪まで後退させられます。
 
(3)大木神楽(豊後大野市千歳町)
 江戸末期より伝わる浅草流神楽。浅草流の中でもひときわテンポが速いのが特徴。
 明治8年に大分市中戸次に伝授、近年は三重高校・三重総合高校神楽部も指導。
 若者の減少により地区だけでの伝承が困難となりつつも、誇りと使命感のもと、伝統を保たれています。
☆「地割(じわり)」
 天孫降臨の道中での演目。
 天照大神は、孫のニニギノミコトに葦原中津国(人々の住む世界)を納めるよう命じます。
 降臨の道中、天の八街という地点に差し掛かった時、威光を放つ神(猿田彦)が待ち受けておりました。
 猿田彦と、天孫一行(ニニゴノミコトやアマノウズメなど)との問答場面の演目です。
 なお、問答により、猿田彦は、相手が天孫一行だと判明。一行を先導することとなりました。
▽今回は、いつも以上に激しいお囃子&問答(笑) 
 問答だけでなく、アクションも!?(笑)会場を大いに沸かせました
 
(4)奥畑神楽(豊後大野市三重町 )
 三重町でも旧岡藩に属していた奥畑地区。
 そのため、御嶽神社の氏子としてお祭りで神楽奉納。
 昭和の合併以降、三重町奥畑地区の熊野神社所属の御嶽流神楽として活動。
 勇壮な舞を各地で披露し、継承しております。
☆「五穀舞(ごこくまい)」
 先述:神逐で高天原を追放されたスサノオノミコト。
 そこで保食神(♀)を発見。保食神は、体の各穴から食べ物を出して、八百万の神々へ提供。
 その光景を目の当たりにしたスサノオ。
 スサノオ「汚らわしい!」と怒り、保食神を斬り殺してしまいます。
 すると、保食神の遺体から、五穀の種が生じます。それを田畑に蒔く演目。
▽奥畑神楽も、細枝神楽同様、スサノオ面&女神で演じます。
 
▽五穀の変わりにお餅で会場を沸かせます!
 前日に引き続き、お餅ゲットできず。。。(笑)
 
(5)備中神楽美栄社(岡山県井原市)
 岡山県備中地方は、古来より荒神に奉納する荒神神楽(神職のみ)が行われました。
 しかし、19世紀初頃、国学者の西林国橋が、古事記・日本書紀などを参考に、能・狂言・歌舞伎などの芸能を取り入れます。
 演芸製の高い神代神楽を加え、神職以外の神楽太夫が奉納するようになりました。
 美英社は、150年以上の伝統がある国指定重要無形民俗文化財。
 なお、この地域は、日本屈指の星がきれいに見れる場所だそうです
☆「国譲りの舞
 演目のストーリーは先ほどの大土地神楽と同じ。
 こちらも、天からの遣い二柱とタケミナカタが登場、争います!
 お囃子の口上が多く、まさに能や狂言のような神楽でした☆
 
 
▽お面を外した後、さらにアクロバティックな激しい人間技(神業!?)で観客を魅了します!
 
(6)石見神楽久城社中(島根県益田市)
 益田市式内社櫛代賀姫神社の氏子たちに受け継がれてきた神楽。
 約170年の歴史を有し、明治維新前後に神職から伝授をうけたといわれます。
 久城社中のみ舞う「双剣(もろだち)・十羅(じゅうら)」が無形文化財指定。
 また、木彫面七点は益田市有形民俗文化財です。
☆「大蛇退治(おろちたいじ)」
 高天原を追放されたスサノオノミコト。
 出雲の簸の川沿いを歩いていると、娘(櫛稲田姫)を抱え泣く老夫婦の姿あり。
   理由を尋ねるに、「毎年、八岐大蛇に娘を飲まれる→この娘もいよいよ大蛇のもとに…。」
 スサノオ「よし、娘をわしに嫁がせることを条件に、八岐大蛇を退治しよう!」 
 そして、スサノオは八岐大蛇を無事に退治し、櫛稲田姫と結ばれるという神話です。
 大野系では、大蛇=綱とし、真剣で斬るスタイルですが、石見系ではいかに??
▽登場する神々(スサノオ・櫛稲田姫など)は大野系と同じ。
 しかし、大蛇は…!?
 
▽なんと本物の大蛇!?その数、8頭!
 こうした大きなホール公演限定での怒涛8頭!!
 
 
 
 
▽大人数ではるばる豊後大野までありがとうございましたm(__)m
 
(7)早池峰大償神楽(岩手県花巻市)
 岩手県にある霊峰早池峰山。
 その修験山伏たちによって舞い継がれてきたといわれる早池峰神楽。
 早池峯神社奉納の岳神楽、大償神社奉納の大償神楽の2つがございます。
 祈祷の形などを採り入れていることから、山伏神楽とも言われます。
 大償神楽の始まりは定かではありませんが、書物の存在から、少なくとも500年以上からと伝えられています。
 大償神楽は七拍子基調で、テンポがゆるやかで優雅と呼ばれています。
 国指定重要無形民俗文化財、ユネスコ世界無形文化遺産です。
☆「天降り(あまくだり)」
 先ほどから度々登場している天孫降臨の演目。
 各神楽座、系統は異なれど、やはり日本神話に基づいた演目が舞われますね!
 大償神楽でも、赤顔の猿田彦や女神のアマノウズメなどが登場。
 大野系と比べて質素ながら厳かで、神事的な印象が強かったです。
 
(8)御嶽神楽(豊後大野市清川町)
 宝徳元(1449)年、大友親隆公が清川の地に御嶽神社を勧進時に発祥した神楽といわれます。
 江戸後期には、神主加藤筑後守長古が従前の神楽を工夫、新しい神楽を編み出します。
 現在の大野系岩戸神楽の原型を創った神楽座といわれます。
 毎年4月第一日曜に御嶽流神楽大会、単独の有料公演、国際民俗芸能フェスティバル出演など、県内外で活躍。
 国指定重要無形民俗文化財です。
☆「高御座(たかみくら)」
 これまた再三紹介の国譲りの演目です。
 ただ、大野系神楽では、大国主命(?)が道化師(チャル/チャリ)として登場するのが特徴。
 御嶽のチャルは、ど派手にというよりも地味に人々を笑わせる所作が魅力的ですね♪(笑)
 また、観客との/からのやりとりも面白く、神楽(里神楽)盛んな豊後大野だと感じさせる一幕もございました。
  
(9)松尾神楽(豊後大野市三重町)
 前日に引き続きの奉納!
 前回記事で団体紹介しておりますので、そちらをご参照くださいませm(__)m
☆「八雲払(やくもばらい)」
 こちらも先ほどご紹介した大蛇退治の演目です。
 松尾神楽は大野系(綱の大蛇・真剣)で奉納!
 退治の場面となるや、舞台袖から大量のスモークが発生するなど、演出満点でした☆

 
(10)大迫神楽(豊後大野市千歳町)
 下の原天満社附属の神楽座で、明治5年創始といわれます。
   浅草流神楽で、速いテンポと激しい舞を展開しながらも、古式に沿った確実な舞が特徴。
  近年は子ども神楽も指導し、文化の継承もされているそうです。
☆「岩戸開(いわとびらき)」
 スサノオの悪行を憂えた、姉:天照大御神(太陽神)は、岩戸に籠ります。
 すると、世の中は暗闇となります。
 そこで、八百万の神々は天安河原に集まり、天照を外に導くための方策を考えます。
 ここで、知恵の神:思兼神が案を練ります。
 例えば、妖艶なアマノウズメが、岩戸の前で艶やかかつユーモラスに踊ります。
 それを見た八百万の神々がヒュ~ヒュー盛り上げます!
 すると、天照「世は暗いはずなのに、なぜこんなにも外は賑やかなのじゃ??」
 不思議に思った天照が、岩戸の隙間から外をのぞいた瞬間
 …力の神:手力雄命が、岩戸を一気に開け、天照を外に導きだす=世に再び光が取り戻された物語です。
▽天安河原でアマノウズメや八百万の神々が賑やかに宴します。 
 
▽浅草流らしく、大迫も早い所作&激しい踏み込みで、手力雄命が岩戸を開けます!
 
▽無事に岩戸が開かれました☆
 前日のとおり、二拝二拍手一礼m(__)m
 
…と、2日間19幕も終了☆

また、舞台上だけじゃなく、会場でも楽しい催しが行われました♪
▽神楽体験(松尾神楽)
 タカッチも大太鼓を叩かせていただきましたm(__)m

▽市内の道の駅や団体による美味しいお料理や特産物販売も大盛況☆
 
・・・と、豊後大野や全国各地の郷土芸能:神楽を満喫できた2日間でしたね☆
各神楽座に違いがあり、おもしろい☆
そして、各地で文化継承を頑張っていらっしゃる方々がいらっしゃることも感じました☆
情熱がすばらしかったです!これからも頑張ってくださいね^^
主催者の皆様、神楽座の皆様、本当にありがとうございましたm(__)m


さて、全国神楽大会@豊後大野は、市制10周年記念の特別事業のようです。
そのため、次回の開催は未定のようです。
ただ、またこうした全国各地の郷土芸能を楽しめるイベントが開かれればなあ・・・と、一郷土芸能ファン(一応獅子舞はしていますが)は願っております☆
(もちろん、運営はかなり大変だとは存じますが…。)
改めて、みなさまに感謝ですm(__)m


以上、簡単ながら、全国神楽大会@豊後大野2日目の模様でしたm(__)m
さあ、年度末、頑張って乗り越えるぞ!(笑)
-------------------------------------------------------
<大分県豊後大野市青年団>
◇MAIL◇nanairobase gmail.com
(※「☆」を「@」に変換してご投稿ください。)
◇facebook◇ http://www.facebook.com/nanairo.base

☆1日1回クリックしてくださると嬉しいです♪(ブログランキング)☆