中日D1・根尾、忘れられない第一声 16歳とは思えない立ち振る舞い | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 2年前の秋季近畿大会大阪府予選4回戦、大阪偕星戦。1-1の六回に代打で登場した1年生は西谷浩一監督から「流れを変える意識で打席に立ってこい」と声をかけられて打席に向かった。
 期待どおり、広い舞洲(現大阪シティ信用金庫スタジアム)の左打席から逆方向の左中間へ勝ち越しソロ。衝撃的な根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭高=の公式戦初安打だった。 中学時代に146キロをマークし、アルペンスキーでは全国制覇。前評判抜群の男のすごみは、この一打以上に試合後の取材冒頭で感じられた。
 「初めまして、根尾昂です。よろしくお願いします」
 初々しい顔を浮かべながら約30度、腰を折り曲げた。16歳にして想像とかけ離れた、堂々たる立ち振る舞い。彼が「根尾くん」かと感じさせられたあの第一声を今後も忘れることはない。
 「藤原は夏を経験して、仲間と差がついているのかなとは思います」
 「どこからでもチャンスを作れて、どのチャンスでも点を入れられるバッターになりたいです」
 「(投手は)行けと言われたら行きます」
 同年夏にひと足先にスタメン入りしていた藤原恭大外野手(18)=ロッテから1位指名=に対するライバル意識も、投打二刀流への強い意欲も、この頃からずっと明確に言葉にし続けてきた。
 あれから2年-。別人のように顔つきにたくましさが増した「根尾くん」は西谷監督同様、担当記者たちからも自然と「根尾さん」と呼ばれるようになった。憧れてくれる子どもたちや取材する報道陣、誰に対しても紳士的な姿勢を3年間、グラウンド内外で示し続けた。好きな言葉「継続は力なり」の体現を貫いた結果も認められている。今後はこちらこそ拝(90度のお辞儀)をし続けなければならないのかもしれない。
 新時代のスターは中日の一員として、一流ではなく「超一流の選手になる」ことを目指す。憧れたプロの世界でイチから根を張り幹を伸ばし、日本中、世界中から「根尾さん」と呼ばれるまでに大輪の花を咲かせてくれると信じている。(須藤佳裕)