承認欲求って?自己顕示欲との違いやそれぞれの特徴について解説! | nanafutaのカルチャーガイド

nanafutaのカルチャーガイド

私が日常で気になったいろんなことをご紹介します。

他人から認められたいという気持ちが強くなってしまう承認欲求は、近年若者に多い傾向があります。

SNSなどで相手にアクションする「いいね」などを強く意識してしまうのも、承認欲求のひとつでしょう。

また、それと似た言葉として認識されている自己顕示欲とは、どのような共通点があるのでしょうか?

この記事では、承認欲求と自己顕示欲との違いや特徴についてご紹介します。

 

■承認欲求とは?

承認欲求とは、他人から肯定されたい、自分自身に価値があると思いたい、否定的な意見や評価をされたくないという欲求を意味します。

周囲から知識が豊富だと思われたい、会社で実績があることを評価されたい、周りから一目置かれる存在になりたい、SNSで多くの「いいね」をもらいたいなどの願望も承認欲求のひとつでしょう。

このような内容を聞いた時、正直良いイメージがないと感じた方もいるでしょう。

このように感じる理由のひとつとして、承認欲求そのものが強すぎてトラブルが生まれるからかもしれません。

承認欲求が強すぎると、周囲に自慢と思われたり、マウントだと感じられたり、評価を気にし過ぎて過労が重なったりします。

このような結果から、承認欲求そのものが良くないものという印象になっているからです。

しかし、承認欲求そのものは人間なら誰もが持っている自然な気持ちや欲求です。

周囲に認めて欲しい、褒めて欲しいという気持ちはやる気や意欲向上になるため、いきいきとした生活には欠かせません。

最初は、意欲として承認欲求があったものの、次第に過剰になった結果、SNSで悪目立ちして炎上したり、ママ友などから嫌われたりなどのトラブルになってしまうのです。

つまり、承認欲求そのものは人間なら誰もが持つもので必要なことですが、過剰になった欲求はトラブルの種になることを覚えておきましょう。

 

■承認欲求には2つある

承認欲求は、承認されたいものによって分類できます。

ここでは、その内容についてみていきましょう。

 

・他者承認

他者承認は、社会的地位や他人からの称賛などによって満たされるものです。

一般的な承認欲求は、他者承認を意味していることがほとんどです。

他者承認は、他人からありのままの自分を受け入れてもらったことで満たされ、自己承認欲求に繋がるとされています。

しかし、この他者承認はあくまで他人から承認を得られるかどうかに依存しがちになり、自分がどれだけ頑張ったとしても他人からの評価を感じなければ、もっと評価してもらいたいという気持ちになります。

これは一見正しい気持ちのように感じますが、言い換えてしまえば自分の存在価値を他人の評価に任せてしまうことです。

つまり、自分が周囲からの評価を感じないことで、もっと承認欲求を満たそうと過激なことをしたり、自分の感情を押し殺したり、自分を犠牲にしてしまったりします。

他者承認は、適度であれば次へのやる気に繋がるのですが、行き過ぎてしまうと自分自身を傷つける結果になってしまうので、自己承認に移行していくのが重要です。

 

・自己承認

自己承認は自分自身を磨いたり、能力を高めたりすることで心が満たされるものです。

自己承認は、他者承認とは異なっていて自分の存在価値を自分自身の基準で持てるのが特徴です。

そのため、他人の承認に依存することなく、自分自身で承認欲求を満たせます。

ただし、注意したいのは理想的な自分を高くし過ぎてしまうと、今の自分のすべてを不満に感じやすい点です。

自分自身の中で高い目標を持つことが大切で、モチベーションアップにも効果的ですが、クリアできなかった時に大きなモチベーションダウンになるリスクがあります。

また、自分が決めたことが実行できず、頑張った気持ちを過小評価して自信を失うと、他人への承認に依存しやすくなるのです。

自己承認は、自分に厳しくしすぎるとダウンした時に大きく落ちこんでしまうため、少しずつステップアップできるように刻むことが大切でしょう。

 

■マズローの欲求5段階説がある

アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローは、人間の基本的な欲求は5つの段階に分かれているとしています。

これはマズローが、人間を自己実現に向かって常に成長する生き物だとし、そのための欲求を階層化しているものです。

ここでは、マズローの欲求5段階について解説します。

 

・第1段階目・生理的欲求

生理的欲求は、生命維持に必要な欲求です。

本能のようなもので、具体的には食欲、性欲、睡眠欲などが該当します。

一般的な動物であれば、この欲求がレベルを超えることはありません。

しかし、人間では生理的欲求がすぐに満たされてしまうため、さらに高い安全欲求を求めてしまうのです。

 

・第2段階目・安全欲求

安全欲求は、安心して暮らしたり生活したり、身を危険から守るための欲求です。

事故、病気、災害などに遭遇した際に現れます。

特に幼児は、この安全欲求を求める動きが顕著ですが、大人では恐怖や危険に対する対処力を得ているため、安全欲求が目立ちにくくなります。

この安全欲求は、経済的な安全なども含まれています。

どこかに外食に出かけた際にいつも同じ店に行ってしまう、同じメニューをつい頼んでしまうというのも安全欲求のひとつとされています。

 

・第3段階目・社会的欲求

社会的欲求は、社会から必要とされたい、社会集団の一員でいたいなどの欲求が該当します。

人間の場合、グループになったりSNSで誰かと繋がったりという行動も、社会的欲求のひとつでしょう。

社会的欲求には愛情も含まれていて、マズローは与える愛と受ける愛の両方が含まれているとしています。

社会的欲求はこれまでの生理的欲求や安全欲求とは異なり、命の危険にさらされるものではありませんが、満たされない状態が継続すると孤独や不安を感じやすくなるとしています。

 

・第4段階目・承認欲求

承認欲求は誰かに認められたい、尊敬されたいなどと求めることです。

承認欲求に対してマズローは、自分自身の評価と他人から受ける評価にわかれているとしています。

自分自身の評価に関しては、達成、強さ、適切、世の中へ示す自信、独立と自由の願望としています。

他者からの評価に関しては、地位、評判、栄光、名声、注目などがあり、高級なものを身に付ける行為なども承認欲求の一種としているのです。

もちろん承認欲求は、内面的な部分にも向けられるもので、欲求が満たされると自尊心の高まりを得ますが、妨害されれば無力感を得てしまいます。

 

・第5段階目・自己実現欲求

第4段階までの欲求を満たしてくると、自分に合っていることをしない限り、不満を感じてしまいます。

理想的な自分になりたいと感じる気持ちが、まさに自己実現欲求そのものでしょう。

アイドルになりたい男性や女性、お笑いで優勝したい芸人なども自己実現欲求となり、欲求を満たすために毎日もやしで過ごした、お風呂に入らなかったなど、目的達成のために頑張っていることが該当します。

自己実現欲求は成長欲求であり、自分の夢を叶えたい、才能を伸ばしたいなどが当てはまります。

 

 

■自己顕示欲とは何が違う?

承認欲求について解説していますが、自己顕示欲とは何が違うのかと考えた方もいることでしょう。

自己顕示欲とは、自分の存在を必要以上に他人に周知させたい、目立たせたいという欲求です。

自分の能力を周りにアピールしたい、見せびらかしたいなどの気持ちが自己顕示欲ということです。

承認欲求は自分を受け入れて欲しい、認めて欲しいという気持ちですが、自己顕示欲については注目されたい、自分をアピールしたいなどとなります。

他人の会話に入っていき、自分中心の内容を話したり、他人の話をすり替えて自分の話題にしたり、協調性に欠けていたりするのも自己顕示欲が強い人の特徴です。

自己中心的な人と認識されることもあり、自分以外の誰かが目立っていると嫉妬することもあります。

これは動物の威嚇にも似たもので、「自分は強い」と周囲にアピールすることで他人から攻撃を受けるのを防ぐためのものになります。

簡単に説明すると、承認欲求は「自分を認めて欲しい」欲求であり、自己顕示欲は「自分を周囲にアピールしたい」欲求です。

これらの目的は認める、アピールするという違いがあり、自己顕示欲は承認欲求を満たす手段として現れることも多くなります。

そのため、承認欲求と自己顕示欲は別物にはなりますが、密接に関係していることには間違いないでしょう。

 

■承認欲求が強い人の特徴は?

承認欲求と自己顕示欲には違いがあるものの、とても近い関係性があります。

ここでは、承認欲求が強く出てしまう人にはどのような特徴があるかについてみていきましょう。

 

・話を大げさにする人

自分の話を大げさにする人は、周囲に自分を高く評価して欲しい気持ちから、話を大げさにする傾向にあります。

もちろん、話の間に嘘を入れることもあります。

 

・自分の話ばかりをする人

常に会話の中心は自分の話であり、何を話していても自分の話にもっていく人は、誰かに話を聞いて欲しいという気持ちが強くなります。

この承認欲求によって、相手の話をあまり聞くことなく自分中心で話すことも多くなります。

 

・プライドが高い人

承認欲求が強いと、自分は相手よりも劣っていると認めたくないため、自分の地位を優勢に保とうとする心理が現れます。

また、周囲から否定されることを極端に恐れ、見栄っ張りになったり、負けず嫌いになったりします。

 

・否定されて怒る人

自分を認めて欲しい、肯定して欲しいという気持ちが強いため、意見を否定されると強く怒ったり、悲しんだりします。

怒りになるか、悲しむかという感情の違いはあるものの、どちらも承認欲求が強い人に出る感情です。

 

・愚痴が多い人

会話の何を話していても愚痴になってしまう人は、自分の苦労を周囲に理解して欲しいという承認欲求が強くなっています。

そのため、自分がいつも不平不満を抱えていることを知って欲しく、このような内容で頑張っていると認めて欲しいのです。

 

■現代人は承認欲求が高いって本当!?

承認欲求は人間誰もが持つ欲求ですが、特に現代人は承認欲求が強い傾向となっています。

その理由はなぜでしょうか?

 

・SNSの普及

現代の生活に欠かせないといっても過言ではないのがSNSの普及です。

広い範囲でSNSが普及し、どの年代でも利用者が多くいます。

このSNSは、人々の承認欲求を常に刺激し、影響を与えている存在です。

SNSの普及によって、個人ユーザーは自分自身の日常や成果、出来事、また感じたことなどをすぐにアップし、誰かと共有できます。

公開範囲を広くすれば、会ったことがない相手にも自分の感じたことなどを知らせられるのです。

この普及により、他人からの「いいね」やコメントでフィードバックが得られるだけでなく、評価される瞬間を体験できます。

これにより、承認欲求の満足度や高まりが強くなってしまうのです。

 

・個人として活躍できる機会が多いから

現代は、技術の進歩や経済の発展によって、個人の才能を重視できる時代になりました。

それぞれが持つ特性や能力が重要になっていく社会では、自分の能力や実績が周囲から認められたいという欲求に繋がりやすくなっています。

特にキャリアや学業ではこのような傾向が顕著になりやすく、個人の成長や成果で社会的な評価を得たいという傾向が目立っているのです。

 

・家庭環境による影響があるから

承認欲求は、家庭環境でも大きな影響を及ぼしています。

特に幼い頃に親や家族から十分な承認欲求を受けていなかった場合は、大人になっても他人からの承認や評価に依存しやすい傾向となるのです。

このような心理現象は、自分自身の価値を他人の評価に依存させることで、自分の持つ内面の不安を埋めたいという気持ちが関係しています。

家庭での関係性や親との関わり、認めてもらった経験は心を成長させたり、人格形成において必要だったりするため、重要な役割を持つと言えるでしょう。

 

 

■承認欲求をうまく生かしてみよう

 

ここまで、承認欲求の内容や自己顕示欲との違いなどについて解説してきました。

マイナスな印象になりがちですが、承認欲求を上手に生かすことで今からでも心の成長が期待できます。

特に人間は、知らないうちに周囲から評価されたい、評価のために何かをしようという気持ちになりがちです。

しかし、承認されるための行動をするのではなく、自分自身のために何かをするという感覚と意識によって承認欲求や自己顕示欲に惑わされることはないでしょう。

悪く考えがちですが、「自分のために」ということを第一に考えてみると気持ちが楽になります。