迷惑をかけても謝らない、自分のミスなのに謝らない、職場などで「謝らない人」がいると関係が悪くなったり、仕事に支障が出たり、周りの人にも影響が出てきます。
明らかに相手に非がある場合、「どうして謝らないんだろう」と感じる方も多いでしょう。
今回、なぜ謝罪が必要なシーンで謝らない人がいるのか、その心理や対処法について紹介します。
職場やプライベートで付き合い方に悩んでいる方や謝らない人への対処法が知りたい方はぜひ参考にしてください。
■理解に困る…謝らない人の心理と特徴について
謝らなければいけない場面で、頑なに謝罪をしない人がいます。
謝った方が楽なのになぜ、謝罪を避けるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、謝らない人の心理と特徴について解説します。
■謝らない人の心理とは?
「謝らない人」といっても、様々なタイプがいて、その心理状態もそれぞれ異なります。
その人の心理状態を理解せず間違った対応をしてしまうと返ってトラブルの原因になってしまうかもしれません。
まずは、謝らない人はどのような心理が働いているのか確認していきましょう。
・プライドが高く、間違いを認めることができない
人は誰でもミスや間違いをしてしまうものです。
ミスや間違いの大きさにもよりますが、通常、素直に非を認め謝罪すれば大した問題にはならないでしょう。
しかし、謝るという行為はプライドの高い人にとってはとても難しい行為になります。
自分の間違いを認めることなので、自分の失敗やミスを受け入れなければならないからです。
自尊心の高い人にとって、ミスを認めることは恥ずかしいことにつながります。
普通なら謝って済むような問題でも、謝ることができないため拗らせてしまう場合があるのです。
・防衛心が強く、自分の責任だと認めたくない
立場や状況によって、「謝る」という行為は非を認め、責任が生じる行為だとも言えます。
謝ることで、「自分の立場が危うくなる」「不利益になる」「立場が弱くなる」などと考える場合、自分のミスだとわかっていても非を認められません。
その後の対応やミスを責められる恐れがあると考えているからです。
また、立場が上の人の中には、過ちを認め簡単に謝っていては、部下になめられると考えている人もいます。
・謝罪が必要な状況だと気づけていない
謝らない人の中には、謝罪が必要だとわかっていて謝らない人もいれば、謝らなければならない場面だと気づけていない人もいます。
こういった謝らないタイプの場合、自分が悪いことをしたとは思っておらず、迷惑をかけていることにも気づいていない場合も多いです。
周りから「謝ってほしい」と思われていても本人は気づかない傾向にあるのです。
プイライドなどで非を認めないタイプとは異なり、「なぜ私が謝らなければいけないの?」と本気で思っています。
注意したいのが、敢えて鈍感な振りをしている人の場合です。
謝る場面だと本当はわかっていているのに、気づかないふりをして謝らないタイプ存在します。
そういった場合は、確信犯なので何を伝えてもはぐらかされる傾向があり、話が通じにくいでしょう。
・自分の責任ではなく、他の人や周りが悪かったと考えている
問題やミスがわかった時に、自分のミスだとは捉えないタイプの人もいます。
周りの環境や運、他の人が原因で問題になったと考えているのです。
こういったタイプの場合、何かにつけて「悪いのは自分のせいではない」という思考なので、謝る必要性を感じていません。
例えば、電車の遅延で大事なプレゼンに遅刻した場合、「電車が遅れたからしょうがない」と考え、上司からミスを指摘された場合でも、「今日は機嫌が悪いんだろうな」など自分の責任ではなく、周りのせいにしたりします。
毎回、自分のミスを他人や運のせいにしているので、また同じ過ちを繰り返す可能性が高いです。
また、注意や指摘を自分のこととして捉えないため、言い訳ばかりで成長する機会を失っているとも言えます。
・謝るタイミングを逃してしまい謝れない
「謝らない人」なのではなく、本当は謝りたいのに謝れない人もいます。
謝るタイミングがわからず謝れなかったり、相手にどういう対応を取られるのか怖くて謝罪から逃げてしまったりするケースです。
このタイプの場合、自分に問題があることも、自分が謝らなかったことで気まずくなっていることも理解しています。
しかし、謝るタイミングを逃し、勇気が持てないため謝らない状態が続いてしまうのです。
謝らない人には、プライドの高さから謝らない人もいますが、自尊心が低く、自分に自信がないために謝れないタイプの人もいるのです。
■謝らない人の特徴とは?
謝らない人の心理状態を理解した上で、謝らない人にはどんな特徴があるのかも確認していきましょう。
・自己中心的で我が強い人
謝らない人の中には、自分の気持ちを優先させるため、人の気持ちよりも自分中心に物事を考える人がいます。
自分の行動や思考が一番正しいと考えているため、もし間違えがあったとしても「自分が間違うはずはない」と考えてしまうのです。
自己中心的な考えのため、他の人の気持ちや考えを思いやれず、結果的に人に謝ることができなくなります。
・傷つきやすく気が弱い人
「謝らない人」というと、プライドの高さや我の強さがフォーカスされますが、その一方で傷つきやすく、気が弱い人も実は多いです。
「周囲から責められるのが怖い」「謝罪して傷つきたくない」など謝ることで自分が傷つくことを恐れています。
つまり謝らないことが自分を守る行為となっているのです。
自分の弱い部分を悟られたくないという気持ちから虚勢を張ってしまう人もいるでしょう。
・完璧主義者
完璧主義者の人の場合、謝らない人が多いかもしれません。
失敗したくない、失敗してはいけない、という気持ちがあるため、もしミスや問題があっても素直に認めることができないのです。
そのため、謝る場面であっても謝罪することが難しい傾向にあります。
・自尊心が高い人
自尊心が高い人の場合、自分の非を素直に認めることが難しいでしょう。
謝ることが自分を否定し、プイライドを傷つける行為となるからです。
そのため、自分が悪いと感じていても言い訳をしたり、人のせいにしたりして素直に謝罪することができません。
■我慢する?指摘する?謝らない人への対処法とは?
謝らない人の心理や特徴を理解して受け入れられる人もいるかもしれません。
しかし、職場やプライベートで謝らない人のせいでトラブルが起きる場合も多いです。
また、謝らない人の心理を理解していても、一緒に働いて入ればストレスが溜まり、何とかして謝らせることはできないかと思う方もいるでしょう。
ここでは、謝らない人へどう対応すべきか対処法を紹介します。
・自分から先に謝ってみる
相手からの謝罪にこだわってしまうと、お互い感情的になり、ストレスが溜まります。
対抗しても逆効果なので、割り切って自分から謝ってみましょう。
この対処法は、プライドが高い負けず嫌いなタイプや問題に気づいていない鈍感なタイプに有効な方法です。
先に自分から謝ることで相手のプライドを傷つけずに済むため相手を逆なでしなくて済みます。
場合によっては、自分も悪かったと謝ってくれる可能性も出てくるでしょう。
また、鈍感なタイプの場合は、先に謝られたことで「ここは謝る必要があるんだ」と状況を気づかせることができるかもしれません。
・謝ってほしい旨を伝える
この方法は、ミスだと感じていない鈍感な人や防衛心が強い人に有効です。
防衛心が強い相手には、まず謝罪が必要な事由をしっかりと伝えることから始めましょう。
その際、謝罪をすることで生まれる責任はない、または、責任が発生しても限られた範囲であることを明確に伝えることが重要です。
謝罪で生まれるリスクはないと理解すれば、素直に非を認めてくれるかもしれません。
また、鈍感なタイプの場合は、問題に気づけていないので、直接伝えることがポイントになってきます。
・少し時間を置き、悪いところを説明して諭す
問題が発生し、謝らなければならない状況下では、焦ったり、パニックになったり、混乱することも多いです。
そういう場合、お互い冷静になれずつい感情的になってしまうことも多いでしょう。
その中でも謝らない人が一番誰よりも動揺しているので、冷静になる時間が必要です。
時間を持つことで、振り返ったり、状況を確認したりすることができるからです。
状況が落ち着いた頃、相手からの話を聞いたり、何が問題だったか説明したり、どうすれば良いのかなどアドバイスしていくと良いでしょう。
自分の非がわかれば素直に謝ってくれるかもしれません。
・一旦距離を置いてみる
謝らない人の心理を理解していてもどうしてもストレスが溜まったり、許せなかったりする場合もあるでしょう。
他責志向がある謝らない人の場合、相手のためと思って説明しても言い訳ばかりで疲弊してしまいます。
そんな場合は、思い切って距離を置いてみるのがおすすめです。
職場では、最低限の業務だけで終わらせ、関りを持たないようにしてみましょう。
相手にストレスを感じるのは、日頃その謝らない人に対してサポートし配慮してきた背景があるかもしれません。
何も関係がなければ、謝らないことに対してストレスを感じにくくなるでしょう。
・気にしないで放置
謝らなければならない場面で、謝らない人がいると気になってしまうかもしれません。
しかし、謝るか謝らないかはその人の自由です。
例え謝罪を要求して謝ってもらえたとしても既に起こった問題が解決するわけではありません。
逆に、謝罪を要求された相手やその様子を見た人からパワハラと受け取られ、かえって自分が損をしてしまう可能性もあるでしょう。
謝らない人がいても、気にしない方が心穏やかでいられる場合もあります。
冷静に見れば、謝らない人は謝罪しないことで多くのものを失っています。
「損してるな」と割り切って自分のストレスにならないよう放置してみるのも良いでしょう。
■【職場・立場別】謝らない人との上手な付き合い方
謝らない人の対処法は、立場によって少し変わってきます。
ここでは、立場別に謝らない人に対するより具体的な付き合い方を紹介しましょう。
・同期、同僚など対等な立場の場合
もし、相手が同等の立場で、謝罪がないことに納得がいかず、理不尽さを感じているのであれば自分の気持ちを伝えてみましょう。
目的は相手からの謝罪ではなく、自分自身の心の整理です。
その際、事実関係と感情を別けて説明することが重要になってきます。
「(あなたの)資料の確認ミスからすべてこちら側で作成し直すことになりました。残念です。」など事実+感情で伝えてみましょう。
例え相手からの謝罪がなかったとしても、モヤモヤした気持ちを言語化し、相手に伝えることで、気持ちをある程度昇華することができます。
・部下や後輩など相手の立場が下の場合
新入社員や後輩の場合、社会人経験の浅さから謝る方法をわかっていないケースも考えられます。
また、謝る場面だと気づいていなかったり、謝ることを恐れていたり、タイミングを逃している場合もあります。
そういった場合、先輩として謝罪の必要性を教えてあげると良いでしょう。
謝らないことに対してきつく注意したり、謝罪を無理強いしたりするのは禁物です。
なぜ謝罪が必要なのかを説明し、謝罪がないことで起こり得るリスクや問題を伝え、相手に謝罪の判断を委ねてみるのが良いでしょう。
謝り方がわからなそうであれば、「一緒に謝罪しようか」と見本として謝罪の仕方を見せるのも良いかもしれません。
・先輩・上司など相手の立場が上の場合
相手との状況が上司と部下といった上下関係である場合、相手を変えようと思うのは止めた方が良いかもしれません。
基本的に、自分の意見でその人の性格を変えることはできないからです。
もし、その関係が上下関係だった場合、下手したら自分の評価や立場が悪くなる可能性も出てきます。
上司がミスして謝罪がなかった場合、「こういうタイプの人なんだ」と受け入れた方が楽でしょう。
また、反面教師として上司の行動から学ぶことも可能です。
非を認めず、言い訳をすることによってチャンスを逃したり、部下や周囲の人との信頼関係を崩したり、目上の人の行動はこれからの自分にとって参考になるケースも多いです。
どうしても非を認めさせたい、謝らせたいと考えるのであれば、さらに上の上司に相談する、判断を委ねるなど、謝罪させる手段を変えた方が無難でしょう。
今回、「謝らない人」についてその心理的状況や困った時の対処法など紹介しました。
身近に謝らない人がいる場合、関りが多い分関係が悪化したり、ストレスが溜まったり、どう対処していいのか悩む方は多いです。
謝らない相手を動かすためには、まず、相手を知ることが重要になってきます。
この記事を参考に謝らない人の心理状態やその状態別の対処法を活用し、無理のない範囲で付き合っていくと良いでしょう。
また、自分がうっかり「謝らない人」になっている場合もあります。
納得いかない場合でも、まずは自分を振り返ったり、相手の立場を理解したりして自分の成長へとつなげていくと良いでしょう。