接遇研修で行う項目について [クレーム対応] も入れて欲しいとご要望を受けることが多くあります。
ちなみに私が新人の時にクレームを受けた際、どんな対応をしていたかと振り返ると・・・
ひたすらペコペコ謝る
この対応は逆に不信感につながることがあるとその時はわかっていませんでした。
自分に矢印が向いていて嵐よ早く過ぎ去れ・・・のような態度にお客様には見えたりするのです。
クレームを受けた際、お客様からの信頼を取り戻すにはお客様の気持ちに矢印を向け【感情の回復】と【実質的な対応】に努めます。
まず【感情の回復】はただ単に「申し訳ございません」を連呼することではありません。
例えば、注文したものと届いたものが違う!というクレームがあったとします。
相手が口に出してはいなくてもどんなことをわかってほしいと思っているのかを想像し、代弁します。
この場合は例えば
・すぐに使えない残念さ不便さ
・正しいものが届かなかったことへの不信感
・忙しい中、返品など手間がかかるイライラ
こんなことが考えられますので
「すぐにお使いいただくことができず申し訳ございません」
「残念なお気持ちにさせてしまいお詫びいたします」
「大変ご面倒をおかけし恐縮です」
など
お客様が「この人はわかってくれているのできちんと対応してくれそう・・」という気持ちになるよう、具体的に言葉にします。
その上で【実質的な対応】に進みます。
この場合では速やかに注文通りの物をお詫びの文書とともにお届けすること。
最初に【感情の回復】に努めることで【実質的な対応】の話にスムーズに移れることにつながります。
状況によっては、より丁寧に言葉にしないと、話の論点が複雑になる恐れがあります。
例えば大事な人へ記念日当日にサプライズで贈り物を届けるご依頼なのに届いていなかった、ということが起きたとします。このような場合、
「大変申し訳ございません、すぐにお届けしたほうがよろしいでしょうか、それともご返金しましょうか」
これだけでは事務的な対応だと感じる方もいます。
お客様のショックなお気持ちを具体的な言葉にしていないのでその結果・・・
「そういう問題ではないんですよ!」
とさらに感情のもつれを生んでしまいます。
お客様としては「私にとって重大な出来事だとわかってくれているの?」と強く訴えたくなるのです。
なので
「〇〇様の大事な方の大事な記念の日にお届けできず、大変な不手際をしてしまいました」
「〇〇様と大事な方の関係に関わるような重大な間違いをしてしまいお詫びの言葉が見つかりません」
など心苦しさを込めた口調でお伝えします。
お客様にいかに「私がわかってほしいのはそういうことです。」と感じる言葉であるかが大切です。
それでも怒りがおさまらないという状況ももちろんありますが、こちらでできる限りのやりとりがあってこそ建設的な話に移ることができます。
自分がお客様の立場だったらこんな思いをしていらっしゃるのではないか・・・と想像することがスタートです。