アスぺあるある 空間把握
前回から随分時間が経ってしまった。
貧乏暇無しというヤツです…..。![]()
ま、それは置いといて、
今日は、彼様の「駐車」について書こうと思います。
車の運転に関しては
書いたらキリがないほど問題がある彼様だが、
殊、駐車時の彼のヘンな様子については、
長年付合ってきて最近ようやく理解出来るようになったところ。
空きスペースにちゃんと上手に駐車出来るのでそれは全く問題ないんです。
例えばこの絵です。
駐車場のイメージで、上の列だと左から3番目、
下の列は右から2番目と左から5番目が空いています。
しかし彼は、空いている場所があるにもかかわらず進んでしまうのです。
あれ、もっと店舗入口に近い所で空きを探すのかな?
と勝手に解釈していても
けっきょく入口に最も遠い所のはしっこに停めたりします。
「今空いてたよ」と教えても、「ホント?」と何だか焦っている様子。
しかも、ものっっっスゴイ徐行。そらみんな徐行しますわね。
でも、有得ないほど最徐行するんです。時速2キロか?というほど。
私は前はいつもイライラしていました。
何で空いている所にさっさと停められないのか理解出来なかったんです。
何を選んでいるのか?
1988年の香港での写真 ↑
ところで今の彼様とは一度、一年間別離していた
と前回までの日記で何度か書いたと思いますが、
その間に短くお付合いした男が、
これまた超絶最強なADHDでした。
何で次から次へ・・・と皆様も呆れますでしょ(笑)
私だって選んでいるわけじゃあないんですけどね。![]()
つまりは、そういう人に見初められてしまう性質を持ち過ぎているんでしょうね。
一部通じる部分が確かに私にあるからなんですが、
おっと話の主旨が逸れた。
その男も、駐車がおかしかった。
ある海辺の食堂に入ろうと車を停める時、
店舗に沿った所に何台か車が停めてありました。
普通空いてる所にすっと停めればいいと思うんですけど、
やはり彼もおっそろしく車を最徐行させて、その顔つきは真剣で焦っていました。
そして、けっきょく随分離れた、
誰も停まっていない最も店から遠――い所の端っこに駐車しました。
目の前が海だったので、じゃあ海を眺めるとか?と思うもそれはナシ。
ナニやってんだい??![]()
とワケがわからずにイラついたものです。
その後、予約していたホテルに向かったんですけど、
そこでも、広―い駐車場で、
ホテル入口近くに3台ほど空いていたにもかかわらず、
そこはスルーして、
やっぱりホテルから最も遠い第2駐車場の一番端っこの、
車が周りに少ない所に停めていました。
お陰で荷物バッグをガラガラと、
数100メートル引きずってエントランスへ歩いたのですが、
この人アホなの??![]()
と内心腹が立っていました。
運転に慣れていないならまだしも、
この男は毎日車に乗って長距離を移動する仕事だったのです。
今の彼様だって、20代の時は運送屋をやっていました。
しかし長年そういうのを見てきて、
それまでは単にイライラしていただけだったのですが、
そこには何か共通の障害がある、一体それは何ななのだろうか??
と近年やっと理解しようという気になっていました。
永遠の愛犬ちゃん↑
そして、去年の8月でしたかね、
ある滝を見にドライブしました。
そこの駐車場は、田舎だから駐車場と言っても特にラインを引いてあるでもなく、
四角い囲いもなく、
単に広く空いてるからテキトーに停めてや、
っていう感じの場所です。
しかし今考えたらこーゆーのが最も彼らにとってはわからないと思います。
寂れた滝の割りにはスゴイ人がいて、駐車場はビチビチでした。
一番奥まで行って、停められそうなスペースが数台分あるのに、
「空いてるよ」と私が言うも、彼は「...うん....」と弱々しく言って、
元来た入口に引き帰します。
そして、かろうじて空いていた川のほとりに停めたはいいのですが、
逆向きに駐車したのです。
いくら適当でイイと言っても、逆向きはどうなの?と思った私は、
「何か言われるかな?」と頼りなく言う彼様に、
「わかんない」
と、けっこう冷たく言い放ってしまったのです。
散々駐車場所探して、停められそうな所を逃しながらダラダラ探し続ける彼にイライラが募っていたのです。
しかしその瞬間、彼の心が折れたのを感じ取りました。
アッ...ヤバい、傷つけてしまった....
そう悟ったのですが、もうどうしていいかわかりません。
彼の中で治まるまで、私もむやみにアクションを起こさないでそっとしよう、
と静かに二人で滝を見て歩きました。
1988年、バリにて↑
彼は落ち込んだ表情のまま、黙っていました。
普段は私に何か言われると、
咎めているわけでもないのに怒り出したりする処のある人なのに、(これがまだ良く分からない...)
今は落ち込んでいるという事は、
自分が駐車場所を「決める」のが苦手で
その能力の事を私に見下された、
と感じているという事です。
ああ、やっちまった....![]()
ここで、さっきはごめん、と言えば、
空間把握力低い、と私が思った事も伝えてしまうのでより彼は傷つくだろう...
と私も焦りつつ、滝が気持ちいいなあ、とか言いながら写真を撮ったりしてやり過ごしました。
そうして何本かの静かな滝を見た後、
車に戻る頃には彼も少し気を取り戻してくれていたようでした。
この時は悪い事をしました。
そして車を見ると、なーんと、後続の車の方達も停め場所に困ったと見え、
「前に倣え」ってんで私たちの車の後ろに同じく逆向きに何台か停まっていたのです。
それを見て、「あら、みんな私達のマネしてるね」と明るく言うと
彼も笑ってくれました。
2004年 某ペンションのワンコ↑
この時は本当に反省しましたね。
でもこれがきっかけで、私は本格的に、彼らが駐車を戸惑うのはどうしてなのかを考えるように努めました。
多分、部屋を片付けられない、物を整理できない、並べられない、というのと通じていると思います。
沢山の同じ種類の固体、この場合はクルマ、
が整列しているのを見ると、
その映像がいっぺんに頭の中に入ってきてしまい、
どこに一台分のスペースがあるのかわからなくなってしまうんですよね、多分。
だから、端っこの、他の車がいない所を探す。
これは、彼らに識字障害がある所にも関係してると私は考えています。
こういうヤツです。
並んでいる物や文字が、一括で頭の中に入るから並んで見えないんでしょうね。
だから、一生懸命見ようとして、あんなにスピードを落とす、出来るだけ端っこを探す。
その感覚が何となく分かる様になった今では、
もう彼様が駐車で焦っていても、遠くに停めても、何も考えず、何も言わず、
ただただ彼が停めたい所に停めればいいさ、
と楽観出来るようになりました。
思えば、ちっちゃいどうでもいい事なんです、
最寄りに停めなければならんとか、
空いてたらさっさと停めろとか、
まあ、いいんですよそんなの。
それより、彼様が楽な場所に楽に停められて、それで彼様が気分が良いなら、
それが一番大事な事ですもんね。
人を愛する、人をそのまま受け入れるとは、そういう事ですもんね。
やっとそんな風に思えるようになりました。
勉強させてくれる、彼様です。
後悔のわけ
ワケは、だ。結論から言うと、またまたシイタケ事件、だ。(笑)
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ウチ帰って、彼と二人で台所に立ち、私が椎茸を水洗いしようとした時、
彼が
「あーダメ!!」 ![]()
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と、叫んだ。
まるで、ヤケドするからやめるよう阻止するかのように、
緊急の時の言い方で。
そうだった、あの後ちゃんと調べて見ると、
今時の椎茸はたいていハウスの中で随分とクリーンな状況で育てられているので
前みたいにゴミとかそんな付いてないから、
拭く位でイイし、水洗いしても、すぐ水をふき取ればイイからそれで栄養分が失われる事はない。
なので念の為、付いている何かのカスとかを
水で流してすぐペーパーで拭取るつもりだっただけの事だ。
なのに、何か非常事態の様に必死で止めた彼。
追討ちをかけて、「前にも言ったよね?」と彼は料理の先生みたいに淡々と言った。
私は大きく失望した。![]()
前に私とそれで嫌な雰囲気になった事はまだ新しいのに、
またそうなるかもしれない事は彼は全く!!
全く心配などしていないのだ。
そうなったとしても「俺様は正しい」からそれは貫かれるべき事なのだ。
彼女が間違っているので、俺は正さなければならず、
間違いを主張する彼女はあくまでも間違っている。
とでも考えているんだろう。
キノコの扱いについては前述の通りで、つまりは、どっちでもいいんである。
私にとっての問題は、そんな たかが直径5センチの茶色い物体の事ではなく、
そこまでしつこく根に持ってこだわる彼の気質についてだ。
私は、瞬間彼に敵意の目をキッ!!
と向けてしまった。
そんな目を他人に向けたのは久々の事で、自分でも驚いた。
基本的に気が長い私はよほどの事でもない限り
他人に憎しみを向けたりはしないのに、
今は彼が憎いと感じている、その事にショックを受けた。
何でそんなに自分が正しいと主張するのだ?
なぜ私を排除するのだ?
彼は私が嫌いなのだ。
私を愛してなんかいないからだ。
そんな怒りと悲しみが渦巻いて、その後どう行動したのか覚えていない。
きっと何気ない振りでテーブルを整えたりしながら、
頭の中でグルグル考えていたのだ。
旅の間の彼の「俺が正しい、黙って言う通りにしろ」的行動で私はもう限界に達していたのだ。
なんて自分勝手な男なんだ....。
しかし彼様は私の事をこそ、我侭な女だと思っているのだろう。
ずっと前付合っていた超絶重症アスぺ男もそうだった。
俺が正しくて俺以外はすべて間違っているのに、
みんなが俺を責めたてるのは、やはりみんなの気がおかしいからだ。
と常日頃言っていたしそういう行動を取ったし、
私に対しては「お前と話してもムダだな」とさえ言っていたな。
いや、ムダなのはアンタだから...。![]()
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世のカサンドラ達はこの理不尽な状況に陥って苦しんでいるのだ。
まるで冤罪だ。
こっちが嫌な目に遭っているのに「お前のせいだ」と本気で決め付けられ、それは理解される事がまずないのだ。
待てよ。私、とっくに彼がそういう人だってわかっているよね。
アスぺの特徴って知ってるよね。
わかってるのに、なに怒ってるんだろう。
怒りを感じるのならなぜ付合いをやめないんだろう。
全部受け流すって覚悟決めた筈だよね??
なぜ彼じゃなきゃダメなの?
ああダメだ...。
いつの間にか彼に「普通」の男の人、を当てはめて
つまり「彼とは違う別の誰か」を期待してしまっていた。
そして椎茸を使った「何か」(記憶にない)が出来上がり、
食卓を彼と囲んで、私は気を取り直して
「キノコ類は、椎茸以外もいつもそのまま使ってるの?」
と穏やかに言った。
「そうだね。キノコはね...」
と彼は私もわかりきっている事を講釈し始めたが、
それが私の目的だ。
それで、「ウンわかった」と私が生徒の様にうなづけば、全て丸く収まる。
しかし、彼はさっき見た私の鋭い目つきを覚えているだろう。しばらくの間....。
私は後悔した。
どっちが正しいとか、いいじゃないのさ !!
と私が思ったのは、
イヤイヤ、私は私で「私は間違ってない!!」と言いたかったに違いないのだ。
つまり、お互いに常に
「自分は間違ってなんか いやしない」
と考え続けている人間同士だという事だ。
「アッそう。どうでもエエよ」
と笑って言えて初めて「受け流せる人」なんだろう。
私は激しく落ち込んでいた。
彼が帰る時玄関先でいつもの様に見送り、
何となく彼と距離を取っていると、
彼が私の衣服を掴んで自分の方へ引き寄せ、
いつもの別れのキスをした。
仲直りしよう、という彼のメッセージなのだろう。
そんな彼に心で感謝をし、やっぱり愛しいと思った。
ああ、まだまだダメだ私。
世にはアスぺを相手に
試行錯誤、喜怒哀楽悲喜こもごも
を体験して入る人が沢山いるようだけれども、
逃げるも挑むも良し、
だが私は、アスぺ彼の言動によって自分に湧き起こる感情こそが、実は胸の奥底に潜んでいるモンスターなのだと気づいたのだ。
彼に対して怒りや悲しみを覚えた時、
私が普段押さえている過去の記憶の何か、
を彼によって掘り返されているのだ。
私は今怒って当然だ、と権利を手放すまいと憤慨する前に、
一度立ち止まり、なぜ自分はこれで憤慨するのか?
を問いかけているのだ。
自らの怒りを天から見下ろす。
アスぺ彼様と出会い愛し合ったという事は、そう考えれば、
自分を見つめ直せ、という神からの贈り物なのだと私は考える。
そして次に会えるのは約ひと月後になった。
彼が用事があるとの事だったが、やはり彼も彼で一人になって色々考えたいのだろう。
私は黙ってその間沈黙し、
一人で過ごし自分の用を次々と済ませ、
その快適さと自由への有難さと、
彼が隣にいない喪失感を同時に噛み締めるのだった。
そうしながら、彼がどう大事なのか、
それはなぜか、
自分は何者で、どこへ向かおうとしているのか、
運命は私に何を期待しているのか、
をひとり静かに考え続けた。
今は天国にいる、春子です。お腹をポチポチしてやって下さい![]()
愛のすれ違い
さて、帰路に付く際、彼はとある道の駅に寄ってもいいかと聞いた。
付合った時から気になっているのだが、デート中彼はたいがい
「○○○に寄ってもいい?」と断りを入れる。
「行こうよ」とか「行こうか」という事は少ない。
なんでだ??
「イヤだね」って言ったらどうすんだろ。![]()
勿論言うわけないし、そもそも嫌な事を彼は提案などしていないのに。
他は色々、私の服装や食べるもの、やり方などは指示指導するのに、
何でこういう時は急によそよそしく断るんでしょうか。
ということは、だ。
私がどこか行きたい時にも、彼に対して「行ってみてもいい?」と断りを入れてほしいという事なのか。
とにかく道の駅に行き、しばらくぶりに何とかって言う饅頭みたいなものを買った。
そこのテラス席でもいいし、何なら駐車場でもいいから
腰をおろして二人で食べるものと思い、
「食べよっか」
と機嫌よく言うと、
「いい、走りながら食べるから」
と早口で言う。
何か、やっぱ機嫌悪いの??
神社めぐりは私の趣味で、彼は確かに付合ってくれていて有難いのだが、
今回の旅で神社行こう!と言ったのは彼の方だった。
私を喜ばせようとしてくれているのがわかってとても楽しみにしていた。
しかし、さっきのチャリンコ爆走事件で彼は気を悪くしているのか。
「え~、どっか停めてゆっくりしようよ」と言うも、
「もう走り出しちゃったから」とめんどくさそうに言ってハンドルを操る。
何それ??
特に今まで走りながら食べたのって小腹が空いた時のソイジョイくらいだ。
別に急いでもいないのに??
何だか朝からずっとイライラを抑えていた私はついにここで、
「私がいやだ!! 」
と自己主張をしてしまった....。
言ったそばから悲しくなった。
なんで、二人で天気いい空の下ドライブしてるのに、
食べ物を走りながらせわしなく食うのさ?
そうだった.....元々の彼はこういう人なのだった。
人の意見や何でもない行動や言動にはたいてい反対する。
しかし時間を置くと同じ物事に対して賛成もする。
つまり、その時の気分によって反対と言ったり賛成と言ったり、
いつもくるくると態度が変るのだ。
だから私は彼のこういうところをモラハラだと思っていた。
いや実際そういう事なんだろうけど、
もしかしたら彼自身は、私に意地悪しようとか翻弄しようとかいう意図はないのだろう、と最近では思う。
多分、憶えていないし、彼の気分というものは固まらずに常に揺らぐのかもしれない。それはADHD系の精神処理なのかと思う。
例えば、前にAという曲を一緒に聴いた時、彼は厳しく批判した。
私はいい音楽だと思っていたのだが、私がどう感じていようが、批判されて嫌な気分に陥ろうがお構い無しに長々と文句を言うのだ。
しかし、何週か後にまた、たまたま同じ曲がかかると、
「この曲誰??凄くいいね」
と言うのだ。
いや、貴方こないだ散々批判してたよね...![]()
しかし彼にはよくある事なので私は黙って「そうだね、とてもいいね」と言って聞く。
だって、彼を好きだから、彼がその時感じる感情を、否定したくないのだ。
ただ彼は、憶えていないのだ。
こんな事はしょっちゅうなので、セロトニンとか?ドーパミンとか?そういう事で急に怒っていたりするのかも知れない。
だったら私もこれに対していちいち反応しないよう、それはそれとして受け止めたい
所だ。
しかし、私も女である、こうやってお泊まり旅行に彼と来ていればテンションも上がるし楽しく過ごしたいのだ。
とても、とても悲しくなって、しばらく彼の口から何か言葉が出るかを待ったが、
初めて彼に対して示した「イヤだ」という意思表示に彼もいやになっている様で
、車内は重い空気を抱えながら湖畔へと向かった。
私は諦めて、ひたすら走る車の中 孤独感に押しつぶされそうになる自分をなじるように饅頭を黙って食った。
そして彼は少しスピードを落し、眺めのいい所まで来て、車を停めた。
えっ....。![]()
はあーーー![]()
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もう饅頭半分以上食っちまってるし。今頃停められてもバツが悪いわ。
ていうか、「じゃあ眺めいいとこまで行くから」とか何とか言ってくれたら待ったのに。そんな事を期待した私はアホなのか。
とにもかくにも彼は私の言う事を聞いてくれた事には違いないが、
後味の悪い饅頭となってしまったじゃないか。
私は何事もなかった様に彼に手拭きと饅頭をわたす。
彼は有難う、というが、食い出してから、
「こっちがななばろんのじゃないの?」と。
そう、二人別々の味の物を買ったのだが、外から見ただけじゃ見分けが付かないし、私は動揺していた為もあるのか、間違って彼のを私が食べてしまったらしい。
最後の最後まで笑えない話になってしまった。
その後は何だかよく憶えていない。
多分景色も頭の中に届かず私はずーーっと考えていたのだろう。
帰りは下道で行く事とし、一時間くらいした頃、運転を変ると申し出たのだが、
「いい、大丈夫だよ」と言われてしまった。
彼は運転に疲れてくると乱暴なハンドルさばきになりスピードを出すクセがある。
それが嫌だから交代交代で行けばいいと思っていたし、
「疲れないように1時間交代で行こうよ」と提案していたのだが、
こういう提案さえ彼はうなづく事はそうない。
こうなると、私のやる事成すこと全てじゃないが半分意思は常に否定されていると感じるのだ。
そして案じていた通り、道が暗くなり、峠が続き、
そんな急なカーブを彼はろくに減速もせずにガンガン走って、
私の体は左右に大きく傾いだ。
とても怖い。
しかし、怖いと言えば彼は怒りだすだろう。
今迄ずっとそうだった。
私が怖いのなんてどうでもいいのだろう。
それより「怖い」イコール「あんたの運転信用できない」って受け取るんだろう。
これもジョングレイの本によく書いてあるよね。
女がスピード落としてほしいというと男は馬鹿にされた気分になると。
じゃあどうすればいいのよ??
私は恐怖のあまり目を綴じて両足を踏ん張り、硬く両手を結び、
寝ている振りをして黙っていた。時々耐えられなくなって外を見ては、
はあ~~、と大きなため息をついた。![]()
それを聞き付けると彼は「疲れた?」とこういう時は優しく聞くのだった。
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何時間も続くかのような辛い帰路だった。
私はただ、彼と仲良くしていたい、
楽しく過ごしたい、
彼を愛しているし、彼に愛されたい。
相思相愛でいたい為にどんな努力でもするのだ。
そうか、ならば饅頭の一つや二つ、どこでどう食べようとむきになる事でもなかったのだろう。
粗野な男性にとっては、そんな事は女に合わせてやってるだけの事なのだ。
そうよね、よく考えたら、ちいせえわ、アタシ。
太陽の大きさに比べたらあの丸い可愛い饅頭なんてただの点にも及ばない。
ちいせえ。![]()
でも、彼も小さい。
二人してちいせえ。![]()
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チッコイ二人がチッコイ車のチッコイ世界の中で
馬鹿みたいに機嫌悪くしていたのだ。
はあ、修行が足りんわ。
神様、どうしたらもっとドッシリ構えた女になれますか。
こうやって振り返れば、誰も悪くないし、彼も私も悪意は一つもない。
お互いにお互いを幸せな気分にしてあげたい、と思っていたに違いないのだ。
ただそれが強過ぎて、期待通りに相手が反応しないと苛立つのであろう。
女心を汲み取れない男という生き物を愛しているのは、私自身なのである。
なにも彼が特別ではないのだろう。
なのにしばしば私の中の女の気持ちを汲んでほしいと願うのは.....
彼を変える事なんて神にもできない事なのだし、変えたいと思っているわけでもない。
彼は私が疲れない様にと思って、長い道のりを運転してくれただけの事なのだ。
こういうのは典型的なすれ違いと言うのだろうが、
翌日になって溜飲を下げ、少なくともすれ違っていた事そのものは自覚する事が出来た。
そして、猛烈な自己嫌悪に陥るのである。
逃げたいわけ
前回からまた時が経ってしまいましたが、書きます。
-------------前回のエピソード---------
https://ameblo.jp/nanabaron/entry-12643280707.html
取りつかれたように、しかし自転車こぎハイになったかの如く、
ま、実際そうだったんだろう、
私は、自力マックスでペダルを漕いだ。
漕げばガンガン前に進む、鳥の声以外に何も聴こえない。
決して滑らかではない自転車道路をタイヤが踏んでいくゴトゴトという音が
私の足の裏と尻を伝い肩関節の辺りに伝わる感じがして、...
心地よかった。
何もかも忘れていた。
ひどく うまくいっていねえ会社の事も、
色々憎らしいのに折合いを付けようと一方的に頑張っている私のいじらしさも、
かつてのDV男の事も、
そして…………………..。
クルマ用駐車場のある、湖畔の展望場所に着いた。
いくつかベンチがありそれぞれ簡易な屋根がついて、車で来た時に何度か停めて湖を眺めた所だ。
そこで自転車を降り、一息つこうと腰を掛けるとすぐに彼が後からやってきた。
「いいね!!気持ちいい」
とか何とか私は快活に言った。
その瞬間、雨がザザザーーーーッと、降ってきた。
何じゃコリャ??と言うくらいのスコール。
まったくの晴天だった筈である。
私たちが夢中で自転車をこいでいる間にいつの間にか曇っていたのだろうか、
山の天気だ。
つまり私たちはちょうど休憩した屋根の下にいる時に雨に出くわした。
屋根のある休憩所でちょうど降ってくるなんて すっごいラッキーだね!!!
と私は言った。
カンカン照りだったのに、。急に止まった途端降りだしたのだから本当にそう思った。
しかし彼は素直にうなづかないというか、
うん…と言うものの何か言い淀む。
自転車乗るのも何年かぶりだが、すっ飛ばすのも本当に久しぶりで気持ちいい、
というような事を彼に言うと、
「都内ですっ飛ばす奴はバカよ!!!」
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と、彼が叫ぶように言った。
は???
ビックリ。
「……….」
都内って何のこと?
「都内ではふつう飛ばさないよね」
と静かに言ったら、、我に返ったように
「あ..うん」
こういう時に、彼と付合い続けていいものか不安になるのだ。
つまり、彼は私が常々言っていた様に、
田舎の道を並んでのんびりチャリンコで走る、というのを考えていたのだろう。
そりゃ、私だって同じだ。![]()
実現してみたら、彼は、
「乗り方はこうしろ」
「走る速度はこうしろ」
「それは良くないからやめろ」
「ああだこうだ」
命令と指示ばかりた゜。
普通に運動神経が良く、飲み込みは人より早い私なのだが、
恐らくモタモタしてまるでドンくさい私を彼は期待していたのか?
期待が外れて腹立たしいか。
それは取りも直さず、やはり彼のこれまでの自信のなさ、ネガティブな記憶、などが総動員されて、一気に私に押し寄せてるんだろう。
ウンザリする気持ちと、景色の良さと自転車の爽快さ、
彼の戸惑いと、とことん私を支配しようとする欲望、
彼の事を好きという気持ち、
など色々な要素が全部均等に私の胸の中に渦巻いて、
取り敢えず私は自分の感情を制御するのに集中した。そうするしかなかった。
雨は数分で上がりしばらくまた走る。
途中腹が減っていた所でちょうどいい具合の蕎麦屋を見つけ、
開店直前で先客が3組並んでいた。
しかしタイミングよくオープン後すぐに座れて、10分後には忽ち長蛇の待ち客の列が出来ていて驚く。これはラッキーだった.
それで少し二人とも留飲を下げ、また走り、貸しチャリ屋に自転車を返却。
車に乗換えて神社へ向った。
巨木杉のある有名な場所で、最初からここは訪問する予定でいた。
彼がハンドルを握り、しかし無言で出発するので何となく確認の為に
「浅間神社行こうよ」と言うと、
「今向かってる」 ![]()
とイラついて彼は言った。
ああ、わかってるのに私が余計なこと言ったって事ね。
だって、「ヨシ、次は○○行くか」とか言うじゃん?
やっぱりなんか機嫌悪いのは、私がチャリロード独りで突っ走ったからなのだろう。
その行動の訳を、彼は想像もできないのだろう。
とにもかくにも神社に行って、腰を抜かすほどデカい杉に圧倒され、
境内を流れる小川に二人してガキみたいに裸足で入り写真を撮ったりして、
二人それとなくいつもの様子を演じた。
天国にいる、春子です。お腹をポチポチしてやって下さい![]()
逃げる私
前回の旅の続きです。
って、もう4ヶ月も経っちまいましたがね。
私はなぜか一睡もできなかった。
赤ちゃんの時から寝ない子だったらしく、確かに幼稚園、小学校、中学校、
その後もずーーーっと重度の不眠症で病院に通った。
そもそも睡眠薬をもらっていた小学生だった。
この辺りも発達障害と関係しているんだだろう。
それにホルモンのせいなのか??20代後半になるとこれは落ち着いた。
しかし、このように時々心配があったり何らかの重圧を感じると、やはり眠れなくなったり酷い悪夢を見たりするのだ。
東京と違い街が暗いので、カーテンを開け放し、
藍色の大きな空に速く流れる雲をまんじりともせず眺めながら、朝を迎えた。
起きて、サイクリングに備えて着替える。
彼が買ってくれたスウエットのショートパンツに合わせ、今日は暑いからタンクトップ。
このタンクトップも、数年前の誕生日に彼が買ってくれた物。
彼は、「似合うじゃん」と満足そうだ。
彼はしばしば、私に衣服を買ってくれ、それを私が着れば必ず「似合うよ」と褒めるんだが、それは即ち「俺のセンス最高」って事よ。
彼の一人よがりや独占欲や偏った考え方を感じる。
むかーーしに付合っていた超絶アスピー男はもっと凄かった。
とにかく私に色々服やら靴やらを買うのだが、
どこそこに行く時にこれを着ていけ、メイクはこうだ、それにはこの靴が合うから、
と色々指定し、そうじゃない格好をすると着替えるまでブツクサ言い続けた。
勿論彼の言う格好は確かにイケてたし、みんなからも褒められたんだけれども。
彼は、指示通りの格好をした私の写真をバシャバシャ撮った。
私はデートをしたいのに、これ着て、ハイ次はコレ、と何度も着替えさせられた。
たいてい撮影時間は数時間に及び、撮り終るとパソコンに取り込んで加工したり、
そこでまた何時間も一人の世界にハマってゆき、私は結果放置されていた。
ヘンな話だ。
私はここに居るのに、彼が相手にしているのは画像の中の私 だ、
実在の私は無視されていた。
彼はバービー人形をコレクションしていた。
私はまさに着せ替え人形だったのである。
今の彼も、とってもその性質に似ている。女を、人間として認識するのが難しいのだ。
その気持ちは、実は私はとてもよく理解できる。
なぜなら私も同じ事を交際相手にしていた事があるのだ。
まだ私は21か22の子供だった。恋愛初心者で、彼を思い通りにしようとしていた。
その時の彼氏はセクシーなハンサムで、体はボクサーみたいな、今で言う細マッチョ。
そんな彼はファッションがいつもダサかった。
というか気にかけないタチだったのだが、せっかくだからカッコ良くさせたくて、
一緒に服を買いに行ってはあれ買えこれ買えと指定したのだ。
これについては前々の日記でも少し書いたと思う。
それがどんなに彼自身を無視していた行為だったかは今はわかる。
あの時の彼ちゃん、御免なさい。
さて、河口湖畔の貸し自転車屋で車を停める。
さ、何気なく私はいつもの愛用している小さめのバッグを持っていこう....としたが、
彼様は目ざとく、「そんなバッグ持ってもカゴ付いてないよ」….。
まあ、確かにそうだからこのバッグじゃマズいんだけど….。
「あのメッセンジャーバッグ持てばいいの。その為に買ったんだから。」
とドヤ顔で言うのだ。
私は返事もする気になれず、彼が買ったデカい、かさばるバッグを斜め掛けにした。
そして人生で2度目の、「スポーツ自転車」乗り。
ママチャリと違ってマジ難しい。停まる時にコツがいるのだ。
彼がにわか停まり方をレクチャーしてくれるが、
そんなのとっても難しくて今から乗って湖周るっちゅうのに練習しないと間に合わんわ。
なので、ママチャリと同じ止まり方が出来るよう、サドル位置を低くした。
ここでも私はイラっとしていた。
何もかも、これはこうして、アレはああして、
とイチイチ「指示」して従わせようとばかりする。
しかし彼はそれが愛だと信じ込んでいる。
自分が正しいと信じている物事を自分の女にもやらせる事は、正しい行いであり、喜びであり、それが交際だと思っている様子だ。
ともかく、二人で走り始めた。
私の乗り方が悪いのか、慣れてないのか、早くもお尻が痛い。
しかし、自転車で風を切るのはなかなか爽快だ。
彼は私を先に走らせて後ろから見守ってくれているが、
時々車の空いている隙に私の隣に来て、
「すごい調子よく走ってるじゃん。初心者とは思えないよ。」などと褒めるのだが、
複雑な気持ちである。
どんだけ私が運動神経悪いと思ってんの…??
かばんには財布とかそんなものと、水筒が入っている。
そしてこの、メッセンジャーバック斜め掛け…
何度も何度も、胸の方にずり落ちてきて、チャリンコ乗るにはバランスが悪すぎる。
ハンドルを取られるわ、邪魔だわ、暑いわ、何でこんなクソ邪魔なカバン強制されてるわけ???
ふと見ると、彼様はリュックを背負って涼しい顔で漕いでいる…。
はあ???!!!![]()
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何でアンタだけ安定のリュックサックなん??![]()
両肩付きで、そら楽でいいですね!!![]()
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アタシだけ何でこんなズリズリ落ちてくる不安定な超邪魔な斜め掛けカバンなのさ??
そうだ、私はリュックにするから、って言えばよかったのに、彼に悪いと思って黙っていたんだ。
しかし「悪い」というのはバッタもんだ。
彼の機嫌を損ねたくない、即ち彼に好かれていたい、という偽りの思いやり、
単なる私の欲望が、結局私を縛っているのだ。
そしたらその責任は自分で負うしかないのだ。
何やってんだ私は。
そうして
自分にも彼にも腹が立っていると、
時々さっきの様に、「ウマいね」「その調子」とかいちいち言いに来るのだが、私はウンザリしていた。
とにかく「全部俺の言う通りにしていれば大丈夫」というその上からな態度と言動に、ジョン・グレイの本を思い返していた。
●上手に、男性を立ててあげれば、男性は何でも喜んでやる。
●女性が何か言うと、男性はああしろこうしろと指示してしまい女性を怒らせる。
そこだ、そこだよなあ。この数か月、私は心して彼様を立てるよう、機嫌がいいよう、努めてきた。
そのせいか彼様はずっと機嫌がよく私に優しく、何でもしてくれ、たのもしかった。![]()
が、行き過ぎて、「何でも俺に従っていればイイ」的な事になってしまっているんだ。
どこかで、私も何か少し間違っていたんだろう。
そんな事を急いで考え、急いで修復しようと思いながら走る。
しかしそんな些事はお構いなく、湖は美しい。
湖畔に白鳥たちが寛いでいる。
人間たちも、ボートに乗ったり釣りをしたり、散歩をしたり、皆楽しんでいる。
私だって楽しむためにここに居るのだ、と気を切り替えて、走った。
すると、開けた場所に出た。サイクリング専用道路だ。
それまで車の多い道路脇やら、デコボコした歩道やらを走っていたが、しばらくこの辺りだけ チャリ用ロードらしい。
聴こえるのは湖のせせらぎ、鳥の遠い声、自転車のタイヤの音だけ。
何て気持ちがいいんだ。私はスピードを上げた。
こんな風に自転車で流すのなんて中学生以来だろう。
その頃田舎に住んでいて、友達とよく遠乗りに野山に出かけた事を思う。
ああいい気分だ。私は飛ばした。
ムキになって漕ぐ様にして、しかし夢中で、快感を覚えた。
走れ!!逃げろ!!
と心の中で、いや口に出てしまったかもしれない。
彼の存在を瞬間忘れて、
親の事も生い立ちも、今までの苦悩も、理不尽な現実も、
すべて湖のあっち側に投げうって、
すっ飛ばした。
もう彼が今何考えてようがどうでもいい。
彼といる時に24時間彼の気持ちだけに気を配っているのはもう御免だ。
私は自由だ!私は誰の所有物でもない!
シニア乙女の葛藤に同情??して下さる方、ありがとうございます
アスピーあるある★聴覚過敏とトゥレット症候群
さて、曇り空で夕方、薄暗い天気の中、田舎町の宿に着いた。
目の前は駅。駅前通を二人で散策する。
特に何も珍しいものもない小さな町を、
こうやってプラプラ彼と歩くのは、幸せな時間だった。
良さそうな店に目星を付け、一旦ホテルに戻って運転の疲れを癒してから、
夜になりそろそろ出かける。
おじさんと、ワンコ![]()
夕食はさっき選んでおいた居酒屋。鶏料理が自慢、と書いてある。
ところで彼様は酒を飲まない。というか、完璧な、下戸だ。
洋菓子に入っている微量のブランデーさえ嗅ぎつけ、頭が痛くなるのだと言う。
対して私は、ザルだ。![]()
このギャップが、お互いに障壁となっていたのだが、最近は歩み寄っている。
さて、案内された席は、東京とは違いテーブルが大きくゆったりしているものの、
隣席のお客が騒々しい。
40前後の男達3人グループなのだが、もう相当酒が回っているのか、かなりデカイ声で喋っている。
こちらの会話もかき消される勢いだったので、
私はすぐに席を変えてもらおうとするが、そこしか空いていないと言われる。
そういう運命か。
彼様は、騒音が大嫌いなのである。
いや、そりゃ誰だってうるさい怒鳴り声の客が隣にいたらイヤだよ。
でも、彼の場合は意味合いが違う。
しーーーーん.....としていなければならないのである。
それを避ける為に電車に乗りたくない
チャリンコ生活に変えたくらいだ。
出かけた先に騒いでる子供がいようものなら親がいようとも
「うるせえ!!」
と一蹴する。
アスピーあるある...
音が幾重にも重なって大きく聴こえると、いっぺんに音の波が押し寄せてしまい、
気がヘンになりそうなのだ。
私には、実はこれと似た性質があり、それは私が共感覚者だからのようだが、
人が聴こえない音まで聴こえている。
例えば森の中の鳥の美しい声。
湿地の中の微かな蛙の声。
カートなどの、油が切れた車輪のキーキー音。
いっときモスキート音なるものが話題になったが、まあ、ソレである。
一番いやなのはエレベータ入口や駐車場入口、ネズミ除けの電波音。
これらの音は私の耳の奥をつんざく鋭さで痛みを伴うが、
その場一緒に居ただーーーれにも、その音は聴こえた事はない。
![]()
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蛙の声やネズミ除けなんかは、彼様にも聴こえなかった。
なので彼の場合は脳の情報処理の問題であり、
私の場合は聞き取れる周波数の範囲が普通より広過ぎるのである。
そんな私も隣席の酔っ払いがうるさいのは嫌いに決まっているが、
目の前の相手の声に集中すれば、
その他の音は「部外者の音」として処理しながら聴き流す事が出来る。
だから私はこの時も神経質になった。
しかし珍しく彼様は我慢して、大人しくそのテーブルに付いた。
しかし、それにしてもマジでうるせえ。![]()
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些か西側寄りの訛りで、それ自体は聞いてて痛快なのだが、
話の内容はとっても下品、それで大声出して叫ぶように喋り続ける。
何話そうがどうでもいいんだけど、そんなにデカイ声出すか。
時々彼様が「ほっんんとに声デカイね」と私に囁くとピリピリする。
そして、アスペあるある....
そういう割りには、彼は公共の場でしばしば大きく奇声を発するのであった。
最初の数年はそれが理解出来ないし、恥ずかしいし、
人の事ウルサイって言うけど自分がよっぽど声デカイだろう??![]()
と とてもそういう所が嫌いだった。
勿論今だってそんなの好きなわけがない。
でも、そういう人なんだ、と今はわかっているから、平気だ。
ところで奇声というのは「ギーー!!」とか
「ふいーーーー!!!」とか無意味なものだ。
時々そういう声をあげて何か発散しながら、何とか社会人を保っているのだろう。
トゥレット症候群と言うやつだ。
Deuce Bigalow: Male Gigolo
という映画を彼が見せてくれた事があるが、
ああいうのを彼が好む理由は、彼と同じトゥレットの女性が出ているからだろう。
彼が好きな映画には彼様みたいに
生き方が不器用で、口下手で、どこかヘンでオタクな人物が出ている事が多い。
彼は自覚があり、自分の事を時々「俺トゥレッティだからさ」などと言っておどける。
最初、NHKのバリパラかなんかでトゥレットの特集を見たらしく、
※バリパラ知らない方の為に
障害者による障害者の為の番組です
それを私に「俺もそうかもしれないって思って」と恐る恐る言った。
その時私は「私も、そうじゃないかと思ってたよ。」と言った。
「治んないみたいだね」と彼が言うから
「いいよ、私そういうの全然平気だから。私もそういう時あるし。」
と答えてから、彼は私の前で安心して奇声を出せるようになったようだ。
すると彼は「なに見てんだジジイ!!」
と言う。
見ず知らずの人間様にジジイとかババアとかガキとか...![]()
いけない行いですけどね、これも、暴言を吐いてしまうトゥレットなんだろう。
ここまで読んだ方は、間違いなく彼様をおかしな男だと思ってるに違いないだろう。
私もそう思っている。![]()
以前はそれが恥かしいし反社会的な人間なのかと悩んでいたが、
今は、そういう障害の人、だとわかっているから何ともない。
そもそも、障害児を持っている親御さんや保育士さんを町で見かける時、
その子がキーー!!と奇声をあげても、止めもしなければ何もせずただ寄り添っている。
まあ、そんな心境だ。
彼自身の問題だから彼が一人で解決すればいい事なのだから。
誰もいない所でそんな大声をあげる事もあるが、その時は私も真似して、
「イーーー!!!」と叫ぶ。![]()
そうすると彼は笑い転げる。
そして「なんだよ、俺そんな声出してないよぅ」と照れ笑いするのだ。
何らかの障害がある人を愛してしまったら、言い方は良くないが毒食らわば皿までだ。![]()
以前は悩みだった彼様の奇声も、今では私の笑いのネタになり、引いてはここでのネタにもなっているというワケだ。
ポチーーッと、お願いします![]()
アスペの世界は1か100 !!
というワケで
(どんなワケだい...)
前回から随分日にちが経過してしまいました...。
私ではアリマセーン
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彼の怪我は、やはり血が鼠径部にそうとう溜まっていたらしく、
東大病院をすぐに紹介されて通う事になった。
先生も驚きの500ccの血液が採れたという事で、![]()
そーーーんなオオゴトになってんのに、それでも病院へ行かないという男なのだ。
本当によかった...無理にでも連れていって。
そんなこんなでしばらく病院通いはしたものの、
ほぼ通常通りの健康状態に戻り、計画通り富士山方面へ向かってゴー!! ![]()
渋滞を考慮して余裕を持って出た為、
ホテルのチェックインまで少し時間があったので、近くのアウトレットに寄ることにした。
ここで、発達障害あるある。![]()
これはアスペというよりADHD傾向の特徴らしいのだが、
前に、彼は左右の認識が曖昧だとここで書いた。
これは、秩序、順番、などの概念がないからだと私は思うのだが、
それが彼の特徴のほぼ全てを説明できそうだと思っている。
文字を書くと形状がおかしい、書いてある順番通りに読めない、
部屋を片付けられない、同じ物を気づかずに何個も買ってくる。
それは、全体を俯瞰で見つつ、順番や並び方の規則を理解するのが難しく、
視野が極端に狭く一点しか見ていないことが多い事と関与するらしい。
こないだ自転車で転んだのも、なーんと自転車よけが目に入らなかったのだと言う。
彼は車の運転中も、右側に何か目を引かれる物を発見してチラとわき見をすると、
同時にハンドルも右に切ってしまい、
当然車体が瞬間急に右に揺れてビックリする事がよくある。![]()
なので、実は彼にあまり運転してほしくないのが本音だ...。
しかし、彼は「気を遣って」、先のサービスエリアで運転を変わった。
そ、そりゃ、疲れてるから有難いんだけど....
かわらなくていいよ...![]()
![]()
アウトレットは相変わらず混んでいるらしい。
駐車場から出庫してきた車が右側からビッシリやってくる道路を、わき道から横断して右折しようとした。
左側からも車がゾクゾクと来るので、一旦道路の中心まで進んで止まり、
左側を注意深く見なければならないのは当り前だ。
彼は、左を見た。
そして、右にハンドルを切りながらアクセルを踏んだ。
その時、車の陰からビュッと車が走って来たので
「危ない![]()
![]()
」と私は叫んだ。
彼はとっさに急ブレーキを踏んで、事なきを得た。
本当に、スレスレだったのだ。
「..ビックリしたあ」と彼は私を見た。
左から車来てるの、見えた![]()
と私に聞くので、「確かに見にくかったけど、見えたよ」と答える。
と言うか、あんなに車が並んでたら左側見通し悪いから、
一回見て車来てなくても、最徐行するべきでしょ。
「気を付けて下さいね」
「ごめんごめん、こんなトコで事故ったら最悪だよね」
と彼も反省しているようだったが、何せ、いつも運転が衝動的なのだ。
プラプラと店内をうろついたりして時間を潰す。と、スウォッチの店舗が。
ねえ、入ってみない
と彼に話しかけると、速攻で
「俺はいいや。行ってくれば
」
..............!!!!!
「いや いい...」
と私は首を横に振った。
「入ればいいじゃん。オレここで待ってるから」
と、言いながら腰掛にオシリをもたれる彼は、そんな風に言えばどんな女だって傷つくのを知らないのだろうか。
今までも、こんな事は何度もあった。
私が入りたい店の中から出てくるのを彼は暇そうに待っていて、
こっちは早く出なきゃ、と気が気でない。
そして、彼の方は自分の好きな店に入るが、勿論私も付いていく。
つまり、私はたいがい店の中に一人、彼は常に私と一緒。
だけど彼に言わせたらそれは私が好きでしている事だ、というんだろう。
彼は、デートというものの本質を知らない。なーんて言ったら偉そうだけどさ。![]()
どちらかが「これ見ようよ」とか「ここに行こうよ」と提案したら、
とりあえず一緒に行動してみるというのが基本だと私は思っている。
そりゃ、菜食主義の男性に、「焼肉行こうよ」と言うとか、
超怖がりな女性に「ホラー映画みようよ」と言うのはタブーだろう。
が、スウォッチだよ![]()
スウォッチ憎いほど嫌いな人間て、いる??
私だって別にスウォッチマニアではないが、1個だけ持っている。
しかしそれも もう30年前に買ったものだ。
当時スウォッチみたいな斬新で楽しいデザインの腕時計は真新しかったが、
今ではこういうのは色々安く手に入るし珍しくもなくなってしまった。
が、それでもスウォッチのコンセプトは好きで、見ているだけで楽しい。
その気分を、好きな彼様と一緒に、共有したかったのだ。
それなのに、この冷徹な態度。私はショックで悲しくなり、
しかしそんな気持ちは全く彼に通じない事も知っているので更にダブルで傷つき、
表情を硬くしていると、
「何、見ないの![]()
」と不思議そうに言っている。
そうだった.....。
また、私は、期待していたのだった....。
彼とこの処ラブラブなので、つい、「人並み」の男性たちの反応を、彼に期待してしまっていたのだ...。
私は怒りと悲しみと恥ずかしさに打ちひしがれながら、
無言で彼と、駐車場へと歩いた。
彼が、天気の事だったか、何か呟いたが、私は黙っていた。
アスペあるある。
自分が興味ないったら絶対ない。
彼にとっての世界は全て1か100。
スウォッチを見る時間は100%無駄なので、
彼女が店内を見ている間待つ時間くらいは作ってやろう、という事だ。
それが彼女への思いやりであり、
彼女が興味あるなら一人で見てくればいいじゃないか、
何で俺が行く必要があるのかわからない。
俺なら、俺の興味あるものはオレ一人で見るし、別に彼女にそこにいてほしいとも思わない。何が悪い![]()
という事だろう。
そうだ。彼との関係は前とは違ってとても良いが、
彼の態度がとても良い方向に変わっているのは、彼に対して私が期待をするのを極力削減しているからに過ぎないだ。
別に彼の本質---何らかの発達障害という事---が変化するワケではないんだ。
やっちまった....。![]()
彼の冷たい態度と鈍感さへの怒り、傷ついた悲しみ、彼に普通を期待した私への怒り、で私は気がヘンになりそうだった。
以前は、それはモラハラであり、私の苦しみはカサンドラと名づける事が出来た。
しかし今は、彼が「そういう特性を持った人」とわかった上で一緒にいると決めたのなら、これも良い機会と捉えて勉強しなければなるまい。
私の欠点は、物事が良い方向に進むとつい有頂天になり、慎重さを忘れるところだ。
何か彼に提案をする前に、一呼吸置いて、
「彼はこれを拒否するかもしれない」と考えるようにすれば良いのだ。
そう言ってみたらそれはどんな相手にも当てはまる事なのだ。
が、アスペの場合驚かされるのは、それが常識外の事ばかりだからなのだろう。
定型発達であれば、
一緒に行動していて、「この店見てみようよ」と言えば「ウンいいよ」となるのが「普通」だというマニュアルみたいなものが、社会にはあるんだ。
しかし自分の世界だけ100%、なアスペにとっては、例え嫌いでなくても興味がなければ「イヤだ」と真顔で言えるのであろう。
ならば私は「普通」の反応は返ってこないのだ、という事をもっと認識しなければなるまい。
そう、肝に命じて、車に乗り込んだ。
不吉な映画と夢...
さて、前回は夏休みの始まりを書いたが、ひと月遡って7月の記憶を辿りたい。
この月に観たレンタル映画の中で、非常に秀作だが観ている間中 重苦しいのがあった。
男女が恋に落ちて結婚して離婚するまでの、誤解とすれ違いが良くわかる筋なのだが、
あのジョン・グレイが散々書いている、男女の感じ方の違いをそのまま映画にした様な良くないお手本だった。
客観的にソファにふんぞり返って観ていれば、どっちの気持ちも痛くわかる。
けれどもどちらかと言うと女の方が計算高い生き物というか、
そういう風に出来ているのだな、と改めて考えさせられた。
社会のでき方を考えたらそれは仕方ないのだが。
こうやって観客として分析している限りでは、
なるほど、私は随分男心を理解出来ているようでいて、
実際は彼様とのやり取りで
あくまで主観で物を考えてる事の多い事多い事。
長らく生きてきて勉強しているお陰で、
自分が何を考えて彼に今接しているかを俯瞰で見る時間は増えたが、
それでもまだまだなのである。![]()
それにしても、観終わって何か嫌な感触が残った。
それだけリアリティがある映画という事なのだろうが、
何となく、私の心に暗い影を残した。
その映画Blue Valentine
なぜだ???
確かに私は何にでも感情移入しておのれの事の様に体験してしまうが、
この映画については、教えられている気がしたのだ。
................................。
いやだ、ここまで彼とやってきたのに、
崩れそうに何度なっても、くじけないで積み重ねてきたのに、
この映画みたいに諦めてしまうなんて嫌だ!!
と強く思った。
映画との出逢いも天のお告げであり、
自分の勘が選んでいると考える私は、
しかし今こんなに絶頂ラブラブなのに、
今更どうしてこんな映画を観る必要があったのだろう???
と考えた。
私は、何か見落としているのではないか。
というより見ない振りをしているのか?
それは、彼の欠点であり私の欠点なのか。
だとしても、欠点をゼロにする事は無理だ。
そして、週末彼が隣に寝ているそばで、私は悪夢を見た。
夢の中の彼は、私に悪態をついていた。
一方的に私を責め立てていて、それはある事ない事ばかりだ。
そんな事私言ってないししてないし、そもそも考えた事もないよ??
そんな風に思ってたの??
というとても悲しい夢だった。
つまりは私の愛情がうまく伝わっておらずに彼が逆恨みしているような、
そんな夢だった。
苦しい夢からハッと覚めて、傍らでぐっすり眠っている愛しい人の寝顔を見やる。
大イビキをかき、時々大きなオナラをし、ブランケットを奪い、
口を開けて寝ているオッサンは、
私の心から大事なただ一人の人。
離したくないし、離れたくない。
なのに、どうしてこんな夢を見るの??
私は予知夢を時々見る。
殊、付合い始めの相手の夢を見て、やがてそれは必ず真実となる。
というか、真実だったのだとわかるのだ。
だから、ラブラブな時は事実を感知していながら、目をそらすという事なのだ。
この彼様と付合い出したばかりの頃にも嫌な夢を見た事がある。
後にそれは現実となった。それは私が最初から感じ取っている勘なのだろう。
但し、この時の夢というのは、
それを見た当時私の器が今より浅かったせいで悪夢となったと言えよう。
今では大した事ではない。
でも今回の悪夢は最悪の部類だ。
この日から私はこの悪夢を恐れた。これは警告なんだ。
今はラブラブで彼も楽しそうだし何でもしてくれる。
しかし、その事で私は油断しているのではないだろうか?
気を引き締めようと思った。
そんな折り彼から、自転車でころび、けっこうな怪我をした、とメールが来た。
大事な場所の近くが腫れており、脚も随分痛いらしい。
とても心配したが、大丈夫だと言っている。
まあ、男だから強がるのだろうとは思っていたが、
実際会ってみたら、歩き方が相当おかしく、
ゆっくりじゃないと脚を運べない程だ。
病院へ行った方がいいと言うも、1週間経って少し良くなってきたから、
これ以上治らなければ行ってみるという。
何たって彼は病院嫌いなのだ。
これ以上しつこく行けと言っても行かないだろう。
その日は気の毒だからドライブ中も運転は全て私がしたが、
部屋に帰って患部を見せられて驚いた。
太腿の付け根の前側、いわゆる鼠径部という場所が、
野球ボールが中に入っているのではという位に丸く大きく盛り上がっていて、赤い。
腕や脚も所々擦りむいていて、相当痛かったに違いない。
大事な所は避けられて不幸中の幸いだったにしても、
尋常ではない腫れ方で、血か膿が溜まっているに違いなかった。
これは、病院嫌いとか言っている事態ではない。
さっさと病院行く様に強く促すと、週明け月曜に行くと言った。
彼は痛くて具合が悪いのに無理して私に会いに来たのだ。
そして何でもない振りを装おうと、一生懸命にエネルギーを使っている。
そのせいかまだ夜早いのに横になってアッという間に寝てしまった。
彼は寝かせておいて、金曜の夜一人起きて映画を見ながら、
あ~、あれじゃ暫くサイクリングどころか活発なデートは無理だよね、
明日はまた雨降りそうだし、どんなデートが出来るだろう、と考えた。
しばらく。
そして、1時間位して、ハッと気づいた。
私が自分の都合しか考えてない事に。
怪我しているからその中で楽しめるデートをしよう、
という考えに変わりはないのだが、
つまんなくなっちゃうな、とか合わせるの大変だな、
とどこかで思っていたのだ。
合わせているのは彼だって同じなのに!
遊ぶ事なんかよりも、一刻も早く病院に行かなければ!!
これが人間というものの本性だ。
と自分の正体を突き付けられて、猛反省した。
しかし、気付けて良かった。
あの映画って、お互い相手を求めているのに、
求め方に於いて男女両方が自分のいい様にしか考えられずに、
どんどんすれ違ったのだ。
やはりあの映画は教訓だったのだろうか。
私はすぐに、手元のスマホで検索を始めた。
彼が自宅から通い易い様、周辺の整形外科クリニックを。
あんな尋常ではない腫れ方ならクリニックレベルでは手に負えないだろうが、
大病院に行く前にまずクリニックで紹介状を書いてもらう必要がある。
明日は土曜だが、幸い開いている所を見つけられた。
彼は怪我から疲れているらしく、次の朝も中々起きなかったが
ようやく目を覚まして薄目を開けると
頬を緩めてかすかに笑って見せ、
私は大事な人にそっとキスをした。
こんな「寝起きの微笑」を見る様になって数ヶ月が経っている。
前はもっとキツイ表情で私を見ていた。
心を許していなかったのだろう。
今は信用されている。夢の様に、幸せだ。
夜中はうううーーー!!!と大声で叫んで苦しそうな顔をし、うなされていた。
転んだ時の夢を見たかもしれないという事だった。
しかし、私はそういう彼の苦痛さえも愛しいという事にその時気づいた。
彼の喜怒哀楽全てを、共に体験しつつ、苦痛はやわらげてあげたいと心から思う。
一人で抱え込まないでほしい。
こんな風に心底思った事がかつてあっただろうか。
私は生まれて初めて、やっと、本心から男性を愛しているのだ。
私は寝起き間もない彼の横に座って、恥ずかしかったが告白をした。
「○さん、これから病院行こう。連れてくから。」
「これから?」
そして、病院大嫌いな彼をどうしても行かせる為の説得もしなければならない。
「うん。昨日、一人で土曜どうやって過ごすか考えてたけど、
自分が楽しむ事ばっか考えて、自分勝手だって気づいた。
その状態だとすぐにでも診てもらわなきゃいけないのに。
反省してます。ごめんなさい。」
と頭を下げたら、
彼はおそらく驚いたがその動揺をさっと隠しながら、
「いや、そんなのいいよ、誰でも普通だよ」
と早口で私を見ず、穿き捨てる様に言った。
拗ねているような妙な口調は、いつもの、彼なりの照れ隠しだ。
彼は、謝られたり礼を言われるのが慣れていないのだろう、以前からこうやって、素気なく聞いてない振りをしたり、
「いーよそんなの何でもねえよ」と言ってさっさと話をそらしたりする。
恥かしいのだろう。
その様子を受けるとこっちもただでさえこっ恥しいのだが、
そう、私もそんなに反省してる事をうまく言えるタチではない。
が、だからこそちゃんと伝えるべきなのだ。
アスピーでなくても、男性はストレートに言ってもらわないと分らないのだから。
「だから、病院連れて行く。もう探したから。」
と、ちゃっちゃと支度をして、
念の為クリニックに電話を入れ、こうなれば彼も拒否できない、早速向かった。
クリニックは激混みで私が座る余裕がなかったので、
近くの駐車場に車を停め、喫茶店で待った。
しかし、1時間経ったので駐車場代が高く付くと思い、
彼にメールすると、
今終って薬局にいると返ってきた。
私はその時少し怒りを覚えた。
最初から駐車なんかしないで適当に近所を流していれば
駐車場代も浮いたし待つ事もないのを私はわかっていたのに、なぜそうしなかったのか、
そして彼はなぜ終った時点でさっさと連絡よこさないのか。
苛立ちを沈めながら薬局へ歩いて行くと、
彼も向こうからやってきた。二人で駐車場へ向かう。
私はまた怒りを感じていた。
待っていた私に何も言わないし、駐車代も私が払った。
当然だと思ってる??
しかし、すぐにそれは自己嫌悪に変わった。
何だよ私...クリニックに連れてきたのは私で、
頼まれもしないのに車停めて待ってたのは私だよ??
彼に何を期待してる?
これじゃあ全て彼に愛されたい為にやってたって事じゃないの??!!
自分のエゴをまたもや目の当たりにして、ほとほと嫌になった。
それは愛じゃないだろう??
愛していると確信したり、
いやいや、自分ばかり愛されようと渇望していると自覚したり、
揺れる。揺れるのだ。3歩進んで2歩下がるという事なんだろう。
実は4月からずっと、毎週神木巡りをしている。
元々樹木をこよなく愛していて自称巨木マニアだったのだが、
突然、ご神木に目覚めたのだ。
ご神木からはパワーを頂き、外て汚れた心を浄化してもらっていると思っている。
ご神木の前に立つ時、そもそも境内だという事もあるが、
曲がった心ではとても向き合えないから、
教えて下さい、
と師匠にご教授して頂く心意気で以って立つ。
そして夜は食事前にも必ず神々や先祖や両親、友人や過去にお世話になった人たち、
勿論彼様にも、全ての人たちに感謝を送る事にしている。
そうすると、色々自分が勝手な人間で、色んな人に支えられていた事に気づくものだ。
それなのに、それなのに、このザマは何だ?? ![]()
ああ...修行だ。修行が足りるという事は一生ヒトには訪れず、それが人生を生き抜くという意味なのだろう。
彼様に、期待をするのはやめるのだ。と、自分に言い聞かせた。
しかし、人間という愚かな生き物が、そうそう完璧に出来る筈がないのだった。-
---続きます---
パリのおバケ !!
ここで、前回の続きを載せたいのですが、
箸休めで全然関係ない話なんかを載せます。
前に、パリ在住のお気に入り様に、「パリの幽霊話」についてコメントした事があるんですが....
いや、私別に霊能力あるとかそんなじゃ全然ないんですが、
確かに「気配」にとても敏感で日々疲れる体質ではあります。
その場所の持っている空気を、とても感じます。
何かおっそろしいものを目撃した事は、あんまりないんですけどね。
でも、とっても怖くてびっくりする経験があります。
あれは、1997年、パリに私はいました。
仕事で行っていて、当時の社長であり超絶アスペルガーだった彼氏様は、
「予約する」ということがあまり得意ではない方
だったので、
海外出張だというのに行き当たりばったり、
パリに着いてから宿を探すというとんでもないお方でございました.....。
ま、それはさておき、そんなでも宿探しは私の仕事です。
必死になって探し、勿論レンタカーの運転も私、
それでも自分で言うのもあれですが私はそういう事に有能なのです、
だからやれてしまって、それでなお奴隷のように使われてしまっていました。
あれ、こんな愚痴っぽく書くつもりじゃなかったのに...。
すみません。仕切り直しです。
北欧先進国でよくある、安く泊まれて綺麗なプチホテルチェーンを見っけました。
日本でいう「東急イン」みたいな。
そこは真隣がデーーーッカイ墓地でした。
後日聞くと、スタンダールだのドガだの誰それだの、
パリの有名文化人が多く埋葬されている所です。
まず、彼をフロントで降ろして一人地下の駐車場に停めに行ったのですが、
(ううっ、、男らしいっ!!
)
その時から気持ち悪かった....。
もちろん古ーーい駐車場だから、それに地下だし、
それにフランスってどこも古いまま残っていたり
とにかく不便だろうが壊れていようが「古いまま」が普通なので、
味わいがあるものの、そこに古い何かが淀んでいるような気がしたのです。
何にも起きていないのにビビりながら車を停め、最上階の部屋へ向かいました。
おお、最上階じゃん。![]()
眺めると、向いのアパートメントの開け放しの部屋の間取りの中に、
女性が一人佇んでいるのが見えたり、
そんなに遠くない所には、
今は崩れてしまったとかいうモンマルトルのアレが見えました。
異国の人々の暮らしが伺える素敵な景色。![]()
超安給料で眠る間もないほど働かされているけど、
この気分には変えられない。
そして深夜12時ごろ。
私はすでに仕事を終えてmtvを見ていました。彼は、かたかたパソコンをいじりながら、
さっきからしきりに、入口隣のトイレで変な音がする、と言っている。
うっせえなあ何言ってんだ、またそうやって私の気を引こうとしてんだろ。
と私は相手にしなかった。
その彼は私の気を惹く為にあらゆるハッタリをかます人だったからです。
まあ、それが本当だろうとどうでも良かった。
とにかく一日中パリ市内を運転して、
私は疲れ切っていた。
パリを運転した事ある人ならわかるけど、
アレは日本を走るとかアメリカを走るのとはぜっっっんぜん違う。![]()
![]()
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今はわかんないけど、1997年では、車線もなければ人々はウインカーも出さずに追い越したり割り込んだり、
街中がレース場状態だった。
殊に凱旋門周りはロータリーでその波に入ったら命がけ。
車線もないしルールもない、
内側から外側まで4、5台並行してすっ飛ばしている。
ウカウカしてたらすぐに前にウインカーなしで割り込んでくるから
こっちも負けじとハンドルを切り外側へ割り込まなければ、
多分生きて出られない。
しかもぶつかったらアウトだ。
無法状態。
グルグルに入ったら抜け出る方法がわからないほどルールがない。
私は今時効だから言うが、
実は無免許の時からお父っつぁんのスポーツカーを夜な夜なこっそり盗んで朝までドライブしていたクチである。
このご時世になってもマニュアル車に乗っているが、
いまだ私より運転が上手な男を見た事はない
なので、凱旋門グルグルとか、追い越し車線なし凱旋門バトルとか、実は楽しいものだった。
だからこそ、これが男性たちに「かわいくねえ」と思われるゆえんなんだが...。
おっと、また話がそれた。
というわけでたっぷり疲れ、一方楽ばっかしていた私の社長兼彼、
「何か聞こえる」とずっと言っていて、
ウルセエ、
こっちは一日中見た事もねえ外国の街中を、
運転した事もねえあんな古いクラッチの堅いフィアットを運転して、
お前を無事にここまで届けてやってんだよ。
少しは労えよ!!!![]()
と内心憤っていた。
そして、その時だった。
何と言えばいいのか、一瞬、自分の耳が難聴になった様なおかしな感じがした。
mtv、彼が打つキーボードのカタカタ、
すべてがパッと、
聴こえなくなって静寂になった気がした。
いやそれもほんの1秒足らずの事で、
次の瞬間、いやな感じと共に、遠くから…
その時私も彼も、
それぞれ自分のベッドに枕を立てて背もたれにしていたのだが、
その背中のずっと後ろの方向から、わずかに音がした。
ザッ…
やばい!!と咄嗟にわかった。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、
と、それは後ろから私たちに向って大きくなってきた。
迫り来るのだ。
私は固まった。
私たちの部屋は最上階である。それは天井から聴こえた。
つまり、屋根の上だ。屋根の上!!!???
その時のホテルの向い
それは間違いなく軍隊の行進でしかなかった。
ザッ、ザッ、ザッ、
何百という人のきれいに揃った行進の、壮大な大きい足音。
瞬間、私は大通りにいて軍服を着て制帽を被った彼らがまじめに行進をしているのを目撃している自分が見えた。
彼らは屋根の後ろっ側から、頭上を通り過ぎて、やがて反対側へ消えていった。
1分足らずだったんだろう。
私は恐怖に固まって、少しの間動けずにいたが、それが消えて間もなく彼に、
「今の....聴こえた..?」
「.....。行進だろ。」
その後どんな会話を交わしたか今は覚えていないが、
彼が気のせいだとか何とか言った気がする。
いや、気のせいなら二人とも聴いてないし。
私はすぐにフロントに電話をして、幽霊が出たと訴えるのだが、
訴えたところで出たもんは出たんだから、その時他の誰かに話す事で気を鎮めようとしたのだろう。
忘れもしない、その黒人のフロントが言った、
「no ghost in paris」
その一年前くらいに、当時活躍されていた霊能者の宜保さんが、
パリに来て「ここは歴史的な残酷な事が沢山あったので、
あちこちに何かが沢山いて凄い」と言っているのを思い出していた。
そのフロントマンのセリフは今でも鮮明に残っている。
あーんな有名な墓場の隣のホテルのフロントやってて、実は初めてじゃないだろう、
と今では思う。それだからあの言い草なんだ。
その度、「no ghost in paris」って言ってんだろうかね。
今では楽しい経験でこうやって書けるけどね!!
もう眠れないし部屋にもいたくないので、
私たちは深夜だが出かけた。
近所にムーランルージュがあり、その地下がダンスクラブなので踊りに行った。
明るくなったのを確かめてから、部屋に戻り、チェックアウトした。
まあ、いい思い出です。![]()
他にもあるんですけど...なぜか外国でばっかりです!!
夏休み 期待の わけ
上京して初めての、長い長い雨季でしたね。
7月末日きっかりで終わり、突然の猛暑がやってきた。お約束。
そして、待ちに待った、真夏。嬉しい夏休み。
7月最初のうちから、週末に行こうと彼が提案してくれていた小旅行に、
やっと、行ける。
どの週末も雨、また雨で、何度も延期になっていた。
それは山中湖一周サイクリング。![]()
彼はロードバイクでどこへでも出かける人で、かつては良くレースにも出ていた。
で、いつか一緒にサイクリングしたいね、
と随分前から言っていたのだ。
天国の、私の相棒たち![]()
オトコは、時に女を喜ばせるような「予言」を幾つも口に出す。
その内の何%かは実現し、残りは実現しないままだ。
これは多くの女性たちが経験している事だろう。
男とはそういう生き物なのか、といい意味で諦めている。
勿論全員ではないのだろうが、
言っておいて実行しなかった、
と言う経験が身に覚えの無い男性はほぼ存在しないだろう。
だから私は言葉を聞いた時点では
嬉しい、楽しみ、と喜ぶものの、
実現に至るか否かは期待しないように気を付けている。
彼に対する信用を失ってしまうからだ。
私の母はよく言っていた。
「男は口先ばっかり」
「"予定"だけならもう聞きたくもない」と。
香港にて
それは取りも直さず私の父の事に違いないのだが、
そんな母の愚痴を聞いて育ち、
私自身も女性として生きて随分年月が経ち、
男性がどういったものか相当わかってくる様になった現在の解釈では、
男性は、「とりあえず目の前の」女性を喜ばせたい、
というサービス精神を持ち、
その目先の快楽の為に実現しもしない事を言ってしまう、
のだろう....という事だ。(ン?)
それは不誠実だし嘘付きと言われてもしょーもないとは思うが、
その時は本当にそういう気持ちで言っているのであり、
つまりは後から「その気が失せる」か、はたまた情熱を失うのだろう。
それが男性の「性」というものではないかと思っている。
つまり、いざとなると胸が高鳴りどうしても目の前の女性を抱きたいという
熱情に駆られるが、
事が終わると一気に力が抜ける。
気が失せる、というのは男性の特権のような気もする。
実に些細な事でそうなってしまうのだろう。
男の方が傷つきやすい、とはそう言う事なのだろう。
一方で、ちゃんと実現してくれる時もあるので、
それは女側の態度が何だか気に入らなくなってしまったり、
仲良くなったからってもうそんなサービスしなくてもいいかな、
という打算であったり色々なんだろう。
そんな訳で、あんまり気にしても仕方ないのだ。
が、頻度によるよね。
3つ言った内の1個を実行してくれたら、許す。
口先男の烙印は押さないでおこう。(偉そうだ
)
さて、いよいよ出発の朝。
付合って7年にもなるのに、ずっと実現していなかった事、
それこそが
「一緒にサイクリング」
なのだ。それがやっと現実になる。![]()
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それだけで私はとても嬉しく晴れがましい気持ちで溢れていた。
彼がわざわざ買ってくれた、この自転車乗りの為のショートパンツとバッグを車に積む。
しかし、このくそ暑い中、彼の買ってくれたショートパンツは、ちぃと地厚で。
別に私自分で持ってる、もっと涼しくて動きやすいの穿いて行きたいんですけど...。
それに買ってくれたメッセンジャーバッグもデカくて、
カゴのないスポーツ車に初めて乗る私には、絶対邪魔なんですけど。
て言うか、何でメッセンジャーバッグ??
バッグ自体はとてもお洒落な感じだけど、
こんな斜め掛けして運転したら危ない事間違いなし。
なのでこのバッグは有難いけど旅行の荷物用にして、
ちゃっかり別の小さめバッグにしよう。と思っていた。
彼の困る所は、コレなのだ。
時々衣服を買ってくれるのだが、
どうも「俺様の好み」に仕立てたくてしょうがないらしい。
それはおかしい事ではないけど、強制する所がある。
即ちその通りにならないと許さないのだ。
好かれてるのはわかってとても嬉しい反面、
これが...度を超すとモラハラなんだろう。
私にも身に覚えがある。
生まれて初めて夢中になった男がいて、
私は20歳前後だったから、恋愛初心者マークで危険運転しまくりだった。
お陰で学んだけれど、
当時彼氏の買物に付き合った時、
こっちの方が絶対いい、これ着たら!! と全身コーディネートしてしまい、
しまいに彼を怒らせてしまった。
愛しているから似合う方を選んであげてるのに
何でキレるのか全くわからず、
更にその時の男性店員まで、いや、こっちの方がいいですよ、![]()
とキツイ感じで彼をかばったのも全く意味不明だった。
愛してるのがわかんないのか??と勝手に思っていた。
そして今の彼はオッサンだが初心者マークなのである。
つまり、あの時の私と同じ様に考えているのだろう。
それを受け入れるのが「筋だ」と。
それが解るだけに、私は何も言えん。
それを身に付けないということは、「俺の愛を拒絶した」事になるのだ。
愛してるから何着てもいいけど、身に付けて苦痛なものだけは避けたい。
まあ、それが彼が私に対する期待の内なのだから、嬉しいといえばそうだが、
相手の立場になって考えられないアスペあるあるな彼では、
「俺が似合うと判断したものが受け入れられて当然である」というのが基本なのだ。
いや、似合う似合わないじゃなく、私がそれを好きかどうか、
が優先されるべきなんだけどね...。
この辺りから、何となく嫌な予感が漂い始めたのだった。![]()
-----続きます---





















































