理工系である程度研究を進めると、英語で論文を書くことになります。日本語では
論文を書けても英語では書けないという人が結構いますが、そういう人は日本語の
論文を単に英語に翻訳すればよいと考えているからでしょう。
この本ではまず「英語らしい論文」を解説し、その中で特に「パラグラフ」という
考え方の重要性を強調しています。逆にいえばトピックセンテンスとそれを支える
サポートセンテンスからなるパラグラフが構成されていないと英語の論文としては
まったく体裁が整ってないことになってしまうわけです。
加えてパラグラフを論理的に並べる方法として、望ましい状態と望ましくない状態、
従来のシステムと研究対象のシステムと新たなシステムの2軸で整理するやり方が
示されていますが、主張ポイントを明確にする意味では非常に役に立つでしょう。
主張ポイントがブレブレな論文は読んでいてわけがわからなくなることが多いので
そういう事態を避けられます。
その他にも冠詞の有無や単数形複数形どちらをつかうかなどの指針もわかりやすく
まとめられており、ぜひ手元に置いておきたい一冊です。