著者の黒田氏は、ロシア語に代表されるスラブ系言語をメインに扱う言語学者です。
ロシアとウクライナの関係を昔から知る身としては昨今のロシア情勢についてどう
思っているのでしょうか。
今回読んだのは、だいぶ前に読んだ羊皮紙に眠る文字たちに少しだけギリシャ語に
関するエッセイを追補してものです。2022 年に「再入門」として発行されたとか。
発行元の白水社では「エクスプレス」という語学入門書シリーズを数年ごとに少し
ずつ改訂して発行するということを繰り返していますが、この本も、売れ筋に手を
入れてもうひと稼ぎしようということなのでしょう。
そういう意味で内容はほぼ羊皮紙に眠る文字たちと同じ。追補されたギリシャ語に
関するエッセイもそこまで量は多くないので、すでに読んだことある人にとっては
あえて読み直すほどのものではないでしょう。黒田氏がすごく好きで何でも読んで
おきたいという人であれば別ですが。