イグノーベル賞が有名になったので、世の中には変わったことを研究している人が
いるということがだいぶ知られてきました。そういう研究がどういうところで発表
されているかというと「学会」の「論文誌」。
学会といってもピンキリですが、「世の中の謎を解明したい」という気持ちのある
人たちが集まって各自の研究成果を「論文」の形で発表しているのはいずれも同じ
です。学会や論文というととっつきづらい印象がありますが、夏休みの自由研究と
方向性は同じです。
著者であるサンキュータツオ氏は、そういう論文の中でも「一見何のために研究を
しているのかわからない」ような論文を、面白おかしく、しかしマジメに解説して
います。「マジメ」というのがポイントで、論文の著者や研究成果に対する敬意を
忘れていないのが好感持てます。
それどころか「論文とは何か」「研究とは何か」という基本的なところから著者の
認識を改め、研究という行為がいかに大変で崇高なのかを伝えようとしている点が
素晴らしい。続編「もっとヘンな論文」も面白そうなので読んでみたいところです。