「腕立て伏せ」と「ベンチプレス」は、使う筋肉がほぼ同じだからという理由で、スポーツ科学的には同種目として位置付けられています。しかし、運動連鎖(キネティックチェーン)からみて、「腕立て伏せ」と「ベンチプレス」は、全く別の種目と言っていいのです。
〝真逆の運動〟と位置付けてもいいぐらですいです。
「使用する筋肉」が同じだからといって、同じ運動だと決めつけてはいけませんか?
では、何が違うのか?
「腕立て伏せ」は〝伏せ〟というぐらいだから、‟うつ伏せ”になって行う運動であり、「ベンチプレス」はベンチに‟仰向け”に寝転がって行う運動であることは、誰でもわかると思います。それだけでも大きな違いですが、最大の違いは、
『身体(体幹)を動かすか、手(末端)を動かす』かです。
「腕立て伏せ」は、手を床に付けて、身体(体幹)を上下させる運動です。
つまり、手を動かさない。身体を動かすのです。身体(体幹)を床に近付けて、床から身体(体幹)を離す運動、それが腕立て伏せです。
一方、「ベンチプレス」は、身体をベンチに固定して、手の上に乗った重りを上げ下げする運動です。身体(体幹)は一切、動かしません。
「運動学」的には、前者(腕立て伏せ)を「クローズドキネティックチェーン」、後者(ベンチプレス)を「オープンキネティックチェーン」といい、全く違う運動様式なのです。
※ 「開放運動連鎖(オープンキネティックチェーン)」と「閉鎖運動連鎖(クローズキネティック)」とはhttps://melos.media/training/41651/
「腕立て伏せ」は、手を止めておいて、体幹部を動かすという、最も基本的な身体の使い方を訓練するとても効率の良い運動なのです。正しい腕立て伏せは、身体の使い方、骨格の正しい使い方の最高のトレーニングになるのです。
だから、身体の使い方ができていない人ほど、「本気の腕立て」ができません。
「通常の腕立て」はできても、「本気の腕立て」できません。
「本気の腕立て」は、“本気”というぐらいですから、もちろん簡単ではありません。簡単ではないからこそ、〝鍛練・トレーニング〟なのであり、取り組む価値があるのです。
「本気の腕立て」とは、
“本当に気持ち良い腕立て”であると同時に、
本当に気合いのいる腕立て”なのです“
ものすごく精密・緻密に意識を集中しながら
取り組まないとできない腕立て伏せが、
「本気の腕立て伏せ」です。
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HAPPY