スポーツジムでよく目にする光景があります。
それぞれの人が、それぞれのストレッチをしている風景です。
多くの場合、
「運動前だから」
「身体が硬いから」
「やらないとケガしそうだから」
という理由が並びます。
では、そのストレッチは
どの関節の、どの動きを改善するためのものでしょうか。
ここが曖昧なまま行われているストレッチが、
あまりにも多いと感じています。
理学・解剖学の視点で見ると、
身体の動きは
筋肉単体ではなく、関節運動の連鎖によって生まれます。
筋肉は
・関節をまたぎ
・骨と骨をつなぎ
・一定の方向にしか力を発揮できません。
つまり、
筋肉の「硬さ」や「張り」は、
多くの場合、結果であって原因ではありません。
たとえば、
股関節の屈曲制限がある人が
ハムストリングスを一生懸命ストレッチしても、骨盤の前後傾コントロールや
股関節の求心位が改善されなければ、
動きは変わりません。
それどころか、
関節の支持性が低い状態で筋肉だけを伸ばすと、関節包や靭帯に過剰な負担をかけることもあります。
僕自身は、
一般的な「伸ばすためのストレッチ」は、ほとんど行いません。
代わりに意識しているのは、
関節の位置(アライメント)
関節中心で動けているか
という点です。
・足部の支持点はどこか
・股関節が大腿骨頭中心で動いているか
・肩関節が肩甲骨とのリズムを保っているか
これらが整うと、
筋肉は無理に伸ばさなくても
必要な長さと張力を自然に取り戻します。
理学療法の現場でも、
可動域制限の多くは
「筋短縮」ではなく
運動パターンのエラーや
関節運動の偏りが原因であることが少なくありません。
実際、
筋肉を伸ばして一時的に可動域が広がっても、
動作に落とし込めなければ意味がありません。
人は
「使っていない動きは、すぐに失う」
という性質を持っています。
ストレッチで得た可動域が定着しないのは、
脳と神経がその動きを必要だと認識していないからです。
だからこそ重要なのは、
静的に伸ばすことよりも、
構造的に正しい位置で、実際に動かすこと。
もちろん、
ストレッチが有効なケースもあります。
・明確な筋短縮が確認できる場合
・術後や外傷後の組織回復段階
・競技特性により可動域拡大が必要な場合
ただしそれは、
評価と目的があってこそです。
「とりあえずやるストレッチ」
「みんながやっているからやるストレッチ」
その積み重ねが、
身体の感覚を鈍らせ、
本来の機能を遠ざけていることもあります。
身体は、
伸ばされることで賢くなるのではなく、
正しく使われることで学習します。
ストレッチから入るのか
構造を整えることから入るのか
その選択ひとつで、
身体の未来は大きく変わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙏
この視点が、
ご自身の身体を見直す
ひとつのヒントになれば幸いです。
HAPPY
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