寓話 滅びの風が吹くとき | 白玉猫のねむねむ日記

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平凡な日々のなかで、ふと、胸をかすめていった思いや、感じたこと、旅行記、本や映画のレビュー、時には、詩やエッセイのようなものを、書いています♪

ブログが外の世界に繋がる橋になるといいな☆彡

【1】🟦の滅亡・⬜️の繁栄


むかし、むかし
⬜️と🟦
二つの町が
海辺に沿いに並んでありました。



⬜️も🟦も
共に貧しく
信じる神や 言葉は 違っていたけれど
どちらの町の人々も、礼儀正しく
仲良く共存していました。


やがて、千年という
長い時が経ち
二つの町の様子は 大きく変わりました。



⬜️は富と力を得て、繁栄し
町から国へと
発展していましたが

🟦はむかしのまま
素朴な暮らしを続けていました。


人は、冨むと、
驕り高ぶるようになるのでしょうか?

⬜️の人々は、
🟦の人々を見下し、迫害しても平気になっていました。


⬜️国は国策として、
🟦の人々が暮らす土地を奪い、
追放するようになっていたのです。


耐えかねた🟦の人々が反乱を起こすと、
⬜️の人々は手酷い弾圧で応じました。


報復の応酬、
怨恨のスパイラルのはじまりです。


⬜️・🟦どちらの社会でも
怒りと憎しみが
親から子、子から孫へと語り継がれました。

その結果
親より子
子より孫
若い世代ほど
憎悪は、より過激なものへと
純化されていきました。




そしてついに、⬜️は🟦を滅ぼすことを決意したのです。



⬜️国の政府は、将来、子や孫に
禍いが及ばないよう、
未来に怨恨を残さないために、

🟦の血をひく者は、胎児をふくめ、
一人残らず皆殺しにすると決めたのです。



⬜️の人々は、
政治家も兵士もジャーナリストも
教員も聖職者も、
「🟦なら殺してもいい」と親から教えられて育った者ばかりになっていたのかもしれません。


⬜️軍の兵士は、親の教えのもと、
🟦の町を破壊し、
🟦の人なら、子供でも妊婦でも、
見つけしだい、
揺るぎない信念で、殺していきました。


🟦の町は跡形もなく破壊され、
数百万人という🟦の人々が
殺されました。




こうして、⬜️の大願は成就したのです。





数百万体にも及ぶ🟦の人々の遺体は
瓦礫と一緒に埋められ、
お墓もなく、
🟦の町は、白い広大な更地になりました。





⬜️は、かつて、この地に
  • 🟦という民族がいたこと
  • 共生していた時代があったこと、
  • その民族を自分たちが1人残さず殺し尽くしたこと、
それらの全てを
歴史から消すように、
破壊と建設に明け暮れました。






広大な白い更地は
開発され
やがて⬜️国最大のリゾート地になり
今日も、何も知らない若者たちで賑わっています。







【2】本当の滅びのはじまり


⬜️が🟦を滅ぼし
子供1人、赤ん坊1人 残さず
皆殺しにする様子を
世界中の人々が目撃していました。

人々の反応はさまざまでした。


遠い国の出来事、所詮は他人事と
気にしない人も
大勢いたし

殺されていく🟦の人々に心を痛め、
⬜️に憤りを覚える人も
大勢いました。



国際社会は黙り込み、
何も見なかったような顔をしていましたが
しかし、それは表面だけのこと。

⬜️の犯したことは
水面下で、
世界の国々に
外交政策を一変させるほどの衝撃を与えていました。


「隣の国が⬜️のように、牙を剥き、攻めてきたら…」
世界は疑心暗鬼に陥ったのです。



🟦の二の舞を踏まないために、どうしたらいいか?

各国は、隣国を恐れ、
軍事力で劣らないようにと、
必死になりました。

競って軍拡に走り、同盟を結び、
国際間の緊張は高まる一方でした。



そんな一触即発の状態のなかで勃発した、
辺境地の小さな紛争。
爆弾

小さな戦火はあちらこちらに飛び火し
点は線へ
線は面へ
拡大していき

いつしか全世界を、地球を、
飲み込むような
大火になりました。
🔥

火を勢いづけるものは地上にあふれ、
核弾頭だけでも
地球を5回破壊させるだけあったのですから。



炎は
地球上の生き物を、全ての命を
燃やし
今なお、燃え続けています
🔥

こうして高い文明を誇った人類は
他の多くの生物を道連れに滅びていきました。




これが⬜️の大願成就の結末
これが人類の終焉
これが生きとし生けるものたちの終わり