地獄の沙汰もキャラしだい?映画「5億円のじんせい」 | 白玉猫のねむねむ日記

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平凡な日々のなかで、ふと、胸をかすめていった思いや、感じたこと、旅行記、本や映画のレビュー、時には、詩やエッセイのようなものを、書いています♪

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「5億円のじんせい」を観た。


主人公は17才の男子高校生


幼い頃に難病を患い、渡米

手術を受け、助かる。


その費用5億円

善意の寄付によるものだった。

札束札束札束札束札束






人々の善意に支えられ

救われた命とはいえ、


知人や友人や、寄付をしてくれた人たちに

常に、感謝し続けなければならない

プレッシャー


5億円に相応しい人生を送ることを

期待され

理想を押しつけられる 苦しさ




主人公は裏アカウントを作り

愚痴や弱音を漏らしていた。

ネガティブ




( ⚠️注意!ここから少しネタばれ!)






主人公の誕生日は

毎年、地域のほっこり系ニュースとして

テレビで報道されていた。


17才になる今年の誕生会にも

テレビ局の取材が入る。


インタビューに、

母親や、応援してくれる人たちが

期待している通りの 

模範的な応答をしながら


求められる理想像と

本当の自分のギャップに

主人公は、虚像を演じ続けることの限界を感じていた。




主人公は、みんなの理想を壊さない前に消えたいと、自殺を考え、

裏アカウントに胸中を漏らす。


すると・・・






日本人の生涯支出は

約2億数百万円札束札束


生涯収入も

約2億数百万円札束札束



人は生きるために使う金額を

一生かけて稼いで死んでいく


なのに、

おまえの人生は既に、

5億円の借金を背負っている!


死ぬのなら、5億円稼いで

借金チャラにしてから死ね

札束札束札束札束札束







と、いう手厳しいコメントが・・・







それに対して、主人公は

あっさり納得し

驚き汗ナットクスルンカイ!


5億円稼いでから死にぬことにする。

煽り汗ホンキカ?





心が決まった主人公は

母親に「旅にでます」とだけ書き残し

本当に家を出てしまう。

滝汗






だが、とことん世間知らずの主人公・・・


家を出た後になって

5億円を時給1000円で貯めるには

171年かかることに気づき

唖然とする始末・・・









17歳の家出少年が5億円貯めるにははてなマーク


結局、主人公は

グレーなバイトを転々としていくことに


  • 女性向け風俗(添い寝店)
  • 売春
  • 無理心中の現場の掃除
  • 特殊詐欺のお金の受け取り






絵に描いたような、転落人生のはじまりだが、そこは愛されキャラ!


ピンチの度に

神さまみたいに親切な人が現れて、

善意で助けてくれる。




例えば、裏世界の仲介業の男

主人公が特殊詐欺グループに

殺されそうになると

駆けつけて助けてくれるばかりか、

偽造運転免許証を用意し、

無償で提供してくれる!



普通、そこまでやる?

いくら映画でも、あり得なくね?

(ㆀ˘・з・˘)







さすがに監督や脚本家も

不自然に思ったのか

主人公に

「何故、いつもボクに親切にしてくれるんですか?」と、尋ねさせている。


その問に対して仲介業の男




「人間には優しい人と、優しくない人がいるんじゃない。優しくしてやりたい人と、そうでない人がいる。

お前は優しくされて生き残るタイプ。おめでとう」




と、答えるのだが・・・







この仲介業の男の考え方や

類似のホームレスのおじさんの考え方が

わたしはあまり好きじゃない・・・





地獄の沙汰も、キャラ次第!

生きるも死ぬも、自己責任ってか?


と、思ってしまう・・・

 むかっ ̄ェ ̄ガーン









本筋に戻る

m(_ _)m



偽造運転免許証を貰ってからは

主人公も真っ当なバイトに励むようになる


  • 引越し
  • 鉛筆工場
  • イベント設営



どこに行っても

お弁当のおかずを分けてもらったり

作業のコツを教えてもらったり

相変わらずの愛されキャラぶりだが、

ある日、警察に保護される。






警察からの帰り道、

母親との会話から、主人公はホームレスのおじさんを誤解していたことに気づき、

おじさんに謝りに行く。






だが、着いてみると

ホームレスのおじさんは 

すでに亡くなっていた。

 



泣き崩れる主人公に手渡された、一冊の文庫本。


主人公が来たら渡すように、

生前、おじさんに頼まれていたという。










本には、1枚の券が挟まれていた。


雨の夜、泊めてもらったお礼にと、

主人公がおじさんにあげたロトの券だ。



なんと!5億円の大当たり券🎯だが

それが仇になり、

おじさんは半グレに襲われたのだという。




主人公から券をもらった時、

「当たりでも外れでも、この券は取っておくよ」と嬉しそうに話していたが、

その言葉を守るためにおじさんは死んだのだろうか?




おじさんを信じきれなかったことを

激しく後悔する主人公










こうして、手持ちのお金も加え

目標額5億円は集まった。


これから、どうするのかな?

と思って観ていたら・・・






( ⚠️注意 ここから更に更にネタばれ!)







主人公は裏垢に行き、

以前、5億円チャラにしてから死ね・・・と、書いてきた人物に


5億円は集まったから君に預ける。暗証番号は・・・


駅のコインロッカーに5億円の入った通帳を入れ、場所や暗証番号を伝えると


ゲロー アリエン!




ヒッチーハイクで

昔、入院していた病院へと向かう。

滝汗汗







そこは、昔、

主人公が、幼少期の大半を過ごした病院だった。




主人公は幼い時分に

母親から

父親が消えたのは、

自分がいたからだと言われ

病院の屋上から投身自殺を試みたことがあった。


その時、止めてくれたのが

入院仲間の優しいお姉さん。






思い出のある屋上へ上ると、

主人公は

幼い時と同じように手摺りをくぐり

自殺しようとする。




あわや・・・あせるダウン


の、タイミングで

止めに現れたのは

大好きだったお姉さん妹!だった。





主人公が渡米した間に

お姉さんは亡くなったいたが、


死ぬ前に、

主人公を守ってあげて欲しい、と

手紙を残していた。



の遺言なので仕方なく

は、主人公を見守ってきたのだという。


裏垢の書き込みも彼女だった。




彼女に「トロくじの当たりは反則だ!」

と言われ、主人公は自殺を咎められる。


主人公は泣きながら

どうしたらいいんだよ?」

と聞き返す。



は「そんなのわたしだってわからない!

わたしだって(生き方を)探してる…」




ここで主人公は初めて

人生に迷っているのは

自分だけではないことに気がつく。








次の場面は、主人公の通う高校に変わる。


屋上から落ちてくる、靴の片方。

その、くたびれた靴を拾う主人公。


飛び降りようとしている生徒(知り合い)を見上げ、主人公は声をかける。


「飛び降りる前に、僕の話をちょっと聞いてよ」「ちょっとじゃなく、長い話になるかもしれないけど」




この台詞を最後に映画は終わる。








主人公の設定は新鮮だったし、

観ていて、面白くないわけではないのだが・・・



  • ロトで5億円が当たること
  • その5億円を書き込みの人に、簡単に預けること
  • ピンチになると、献身的なまでに親切な仲介業の男や、神さまみたいなホームレスのおじさんが現れること
  • 同様に、病死した優しいお姉さんの(お姉さんにそっくり!)が出現すること




などの点が、

わたしには、安直・安易な展開に思えたのだが、どうだろう?



 



その一方で、

主人公と女性向け風俗店の客、加奈子とのエピソードや、

ホームレスのおじさん(平田満)とのエピソードは、味わい深い。





あと、主人公(望月歩)を見てなるほど💡と思ったことがある。


素直な子とは、

  • 広いキャパ
  • 傷つき難い心、あるいは芯の強さ、あるいは鈍感力

を持っているものらしい。









はたして、この映画は

軽いのか、重いのか?

鋭いのか、鈍いのか? 


今も、まだよくわからない。



ただ、少し特殊な病歴を持った高校生の「自分探しの旅」であり、

成長ドラマであり、

良くも悪くも、心に引っかかってくるものを持った映画であることは間違いない。










出演

望月歩・平田満・森岡龍・坂口涼太郎・西田尚美・山田安奈・諏訪太郎・松尾論 ほか 


監督  文晟豪

脚本  蛭田直美


2019年