パスタちゃんのシンデレラストーリーは、めでたし✨めでたし✨だけでは終わらず、このようにお世話していた方や飼い主さんではない通りすがりの方が、具合の悪そうな猫を見かけて連絡してくださったケースの医療費の問題というのも浮き彫りとなりました。
たまたま遭遇しかわいそうと思って連絡を下さった方が、「医療費を支払います」と言われたとしても、金額も大きくなる可能性もあるし、お支払いいただくことが果たして正解なのか?
また、例えば「医療費は出せないし保護もできない」と言われたら、「こちらも費用は出せないし何もできません」ということも正解なのか?
こういういわゆる行き倒れ猫さんは今後も現れるでしょうし、その度に費用を私たちが自己負担していくのも果たして正解なのか?
パスタの件で、別の地区のボランティアさんからも、今回の医療費など含め活動費用はどうしているのか?と聞かれました。
基本的に個人負担しているとお答えすると、「それはおかしい。それでは持続できない。」と言われ、最初に対応してくださった病院の先生にも、医療費をボランティアが自己負担していることに対し、「それはダメだよ」とお叱りのお言葉をいただき、医療費を受け取りませんでした。
お気持ちは大変ありがたかったのですが、同じように私はそれもダメだと思っているのです。
先生が外の猫の医療を無料でしてくれることで一極集中してしまうと、病院の経営や、先生だけでなくスタッフさんが過重労働となります。
ボランティアも病院もですが、もっと力が分散し、みんなが無理なく持続できる体制になることが大事に思うのです。
飼い主のいない猫の問題は地域の問題として取り組む問題と環境省のガイドラインでもいわれている国の方針ですが、実際に飼い主のいない猫のお世話をしたりTNRをする方は限定的です。
本当の意味で地域ぐるみの取り組みにしていくには、地域の皆さんに自分の地域で起きている問題や、問題解決のための取り組みを知っていただくこと、そして無理のない範囲でご支援という形で活動費用のサポートをしていただくことにご協力いただければ、本当の意味で地域の問題として取り組む持続可能な活動にしていけるのではないか?と思ったのです。
現状は区から飼い主のいない猫への保護譲渡や傷病医療費の助成制度はありません。
いかにそのような費用助成が必要か、活動実績や掛かる経費をしっかりとデータに残していき、報告し続けることをしないと、スタートラインにも立てません。
保護猫の維持費医療費を含めると活動に掛かる費用は、この数年は年間平均200から300万円ほど持ち出しをしていることもあり、いずれは活動を運営するグループ発足も考えてはいましたが、どこかで費用のことを表面化させることで活動が後退するのではないか?それよりも今はまだ、もう少し活動の経験をメンバーが積んで、各自で判断ができるようになるときに費用についてもカバーできる体制になっていれば、と漠然とですが思っていました。
そんな時、時期を同じくして、「うしくん」との出会いがありました。
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Part3
うしくん編へ続く