うしくん
11月半ばに、区内のある場所の側溝に入り込んで出てこない猫がいるというご相談が入りました。
側溝に入って、人が来ても移動しないって、迷い猫や具合悪い猫の可能性もありますので、動けるメンバーに現地に行ってもらいました。
その後、側溝からは何とか出てきたものの、走って逃げて行くでもなく、フラフラと建物や店舗に入ろうとしていて、、
人のそばにきて箱座りしたり、、
でもなんかフラフラ、、グルグル徘徊してるような印象でした。
(現場からの報告では)
やはり様子がおかしいので、後から合流してくれたメンバーが捕獲をしてくれて、パスタちゃんのときと同じ一軒目の病院で診察を受けてくれました。
うっすら耳カットがあったもののはっきりしないため確認してもらうと去勢済でした。
その後、最初に駆けつけたメンバーが預かりを申し出てくれたので、夜に搬送するつもりでしたが、お迎えにいくと汚れがひどかったため、1度私の家に連れて帰って様子見することにしたところ、日中の様子より更に表情も動きもおかしいので、翌朝保護猫でよくお世話になっている病院の先生に相談し、診察とシャンプー(側溝の中にいたせいか真っ黒だったので)、様子見の入院預けをお願いしたところ、謎の動きの正体は同じ方向をくるくる回る旋回運動だったと判明、脳に何かあるだろうとすぐに診断してくださり、数日のうちにご飯も自力で食べれなくなり、検査結果がでるまではステロイドの投薬治療を開始すると、良く効いて食欲は旺盛になったのですが、今度はパスタちゃん同様にいわゆるノラ猫さんに戻ってしまい、お世話が大変に。
とても大人しくなすがままだったうしくん

↑なので人馴れしている猫さんかと思っていましたが、検査でも診断された脳のリンパ腫のせいで意識がなかっただけのようです。
とても外での暮らしはもう無理です。
うしくんと名付けたその猫さんは、高グレードリンパ腫と判明しましたが、凶暴化してしまい定期的な通院や検査の必要な抗がん剤治療はもう少し慣れないことには、うしくんもですがお世話する私たちも難しいと判断、ステロイドでどこまで維持ができるか分かりませんがキープできるうちはステロイドを継続治療で毎日投与するということで退院しました。
入院中は先生がお忙しい中向き合ってくださって、うしくんだいぶ心許してくれたように思います。
本当にありがとうございました

退院後、最初に駆けつけたメンバーが預かり申し出てくれたのですが、ステロイドの効果が出なくなればあっという間にまた動けなくなるだろうし、可能なら抗がん剤治療も視野に入れるため、うちで様子を見ることにしました。
メンバー1の情報収集能力、記憶力、解析力、そして猫への思いの強さを誇る最年少メンバーAちゃんが、数年前にこの猫さんを撮影していた画像が出てきて、うしくんがどこかの迷い猫さんではないことも確認ができていました。
(数ある画像から、数年前の名も知らぬ猫さんをよくもまあ見つけてくれました✨)
しばらく食欲も旺盛で順調に過ごしていましたが、年明けに突然また動きがおかしくなり、ステロイドを増量しても効かないため、掛かり付けで抗がん剤を緊急で行いましたが、なかなか効果がでずに間もなくして亡くなってしまいました😢
ただ、あの時ご相談がなく、外であのままフラフラとしていたら交通事故に遭うのも時間の問題だったことと思います。
結果としては亡くなってしまいましたが、うしくんのルーツも分かり、少しの間ではありますが、穏やかな顔で過ごしてくれて、私たちに色々なことを考えさせてくれて、本当に天使のようなうしくんに感謝しているのです。
パスタちゃんのハッピーエンドや、うしくんとの出会いと別れは、たまたまの偶然の出来事ではなく、必然的だったように思えてならず、今後もパスタちゃんやうしくんのような「責任の所在の分からない猫さん」たちと出会った時にも、同じように対応をしていけるためにも、私たちも次の段階へステップアップしていく時期なのだと実感したわけです。
その後、「なみねこの会」の設立に向けて動き出し、今年2月10日に設立総会を開催し正式に発足することとなりました。
現メンバーは杉並どうぶつ相談員でもありますので、区の生活衛生課の職員さんにも内容を確認していただいたり、助言いただいたりしまして、発足について応援していただき、今後も良い関係を継続していけるように思っております。
本当に毎回全部それぞれにドラマがある色々な案件が多数あったなか、なみねこの会の発足に向け急加速となったパスタちゃんとうしくんをご紹介させていただきました。
長くなったため、3回に分けて記事を公開しました。
お読みいただき、ありがとうございました。