家内がシクラメンが欲しいと言うので園芸屋に行って見た。シクラメンと言えば何といっても布施明の「シクラメンのかほり」(作詞・作曲:小椋圭)である。その歌詞は「真綿色したシクラメンほど 眩しいものはない」で始まる。
さて真綿色とはどんな色なのだろう。綿の花は白いはずだから真っ白なのだろうが、「真綿」というとなんとなく「木綿」をイメージするから、少しベージュ色っぽい「生成り」なのだろうか。
園芸屋にはそれこそ色とりどりのシクラメン。昨年はたしか深紅のシクラメンだったので、妻は今年はピンク系をイメージしていたようだが、私がなんとなく清楚な白い花に惹かれていたので、結局白にした。よく見ると「生成り」どころか「純白」である。念のために飼いでみたが、「すがしいかほり」どころか、甘い香りもなにもしない。純白の花には薔薇のような濃密な香りは不要だ。
なほこの「シクラメンのかほり」については以前にブログで記事にしたことがありますので、ご覧頂ければ幸いです。
20081008 「香り」のはなし
http://blogs.yahoo.co.jp/rehabilist/MYBLOG/yblog.html?m=lc&sv=%A5%B7%A5%AF%A5%E9%A5%E1%A5%F3%A4%CE%A4%AB%A4%DB%A4%EA&sk=1
ついでに花屋さんの他の花を見て廻る。葉牡丹を見ると正月が近いなあ…という感じがするが、その種類の多さに改めてビックリする。ただどの花も渦を巻いて、その渦の巻き方がそれぞれ違う。なんとなくキャベツに似ているなあと思っていたら、今朝の読売の2面コラム『四季』に「肥料入れ葉牡丹なんとなく笑まふ 中田みなみ」という俳句が載っていた。確かにあの渦はそんな感じだ。「笑いの渦」という慣用句もあるものね(笑)。
長谷川櫂氏の解説の一部を引くと「色つきのキャベツの葉が牡丹の花のように開いてしまったといえば葉牡丹は怒るだろうか」とある。なんだ、人はみな同じ感想を持つのだなと安心していたら、歳時記の解説にはちゃんと「葉牡丹はキャベツの変種」と書いてある。
やはり歳時記は読むべし。こうやって一つずつ花音痴は矯正されていく(笑)…。
【汗駄句駄句】 波舟
朝市の蟹茹る間の時雨かな
太陽の如き蕊持ち茶の花は
石蕗咲いて灯点る如し午後の庭
北風の身を切り骨を絶つ如し
黒犬や「伏せ」に枯野の石となる
風花の十片も舞ふや薄日中
花はみな風に遊ばれ風花も
華麗なる終焉木の葉降り止まず
赴任地に帰り一人の葱刻む
一章の間にまた尿意寒夜なり