三島忌 | リハビリスト波平の日記

リハビリスト波平の日記

「リハビリスト」は「リハビリに励む人」という自作英語です。Yahooブログから越して来ました。俳句やエッセイその他、お暇な方、是非お来しください。

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毎週日曜日の朝刊各紙には書評の特集ページが組まれる。購読している読売の場合は【本よみうり堂】として見開き2ページ分、さらに“HONライン倶楽部”という1ページが加わる。その忌日は11月25日だが、今日の特集は三島由紀夫だった。

その欄のキャッチをそのまま引き写すと、『享年45歳、生きていれば90歳。その生と同じ長さの時間が流れました。今年は1998年刊の文庫「命売ります』が20万部を超すヒットになるなど、いまだ存在感のある作家。12年ぶり2度目の特集にも、多くの投書が集まりました』とある。

そうか、あれから45年も経ったのか。あの衝撃的な市ヶ谷での自決の模様をテレビで観ていた自分はそうすると当時23歳ということになる。市ヶ谷での演説や盾の会の意義について、友達の間で侃侃諤諤の議論になったものだ。

当時の友人の中には学生運動にのめりこむものも一部にいたが、大多数は心情三派(中核派、社学同、反帝学評)、あるいはそこまで行かずとも心情左派。所謂ノンポリも卒業を前にして長髪をバッサリ切るものがほとんどだった。あのころはやった“「いちご白書」をもう一度”の歌詞にあるとおりだ。

バッサリ切るまでもなく、45年も経てば髪は自ずと木の葉髪となる。人間の心情も変わる。心情左派からどちらかと言えば心情右派。先日の安保法案の折の永田町でのデモの「SEALDs」や大江健三郎氏、あるいは瀬戸内寂聴さんの主張には若干の異議がある。

それはともかく、俳句の時間らしく三島忌(憂国忌)の俳句を集めてみた。俳句は沈黙の文芸ということだし、この際イデオロギー云々は野暮の骨頂です。。(笑)。

三島忌や腐りやすきに國も亦   高橋睦郎


三島忌や空のプールに日の射して  片山由美子


三島忌の赤き布干す寺院かな  柿本多映



落日を朝日とまがう由紀夫の忌  五島高資


かけちがふボタンどこまで憂国忌  増田史



今日の写真は有名な市ヶ谷での写真をお借りしました。2枚目は私の本棚です。実は三島の函には本が入っておりません。その顛末は下記ブログで…(笑)。
20100627 「青春の断片」
http://blogs.yahoo.co.jp/rehabilist/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%C0%C4%BD%D5%A4%CE%C3%C7%CA%D2



【汗駄句駄句】 波舟


全集の失せし一冊憂国忌


冬ざれやなぞりて読めぬ句碑の文字


牡蠣船の喫水深き帰港かな


しばらくは無我の境地や牡蠣割女


祖母逝つて五十年とや石蕗の花


新聞の届き勤労感謝の日


格好の猫の玩具や毛糸玉


猫がゆく隙間風など作りつつ


自認する時代遅れに流行り風邪


麻痺なれば水洟たらりたらりかな


熱燗や昔我にもこころざし