2024年5月21日。
西村慎太郎です。
ここのところ近代の浪江をとりまく木炭産業について検証しています。前回から大正11年度の東京大林区署『林産物売払予告』(東京大林区署、1922年)を見ています。この書には東京大林区署が管轄した小林区ごとに木材の特徴が記されています。
本日は大字南津島字天王山から伐り出された木材・薪について検証してみたいと思います。なお、浪江駅だけではなく、川俣町にも搬出されているため、それも合わせて見てみたいと思います。
天王山については4つの林小班に分けられていたようでそれぞれ「四八、ろ内」「五五、ろ内」「六三、い内」「六九、ほ内」と称されていました。
ここでは①~④と番号を付して見てみたいと思います。
①
赤松 291本 用材1272石
樅 76本 用材433石
桜外二 88本 用材339石
楢 851本 薪314石
雑木 10374本 薪1896石
大正11年7月売り払い
林地ヨリ七町木馬、浪江町へ六里強荷馬車
②
赤松 75本・117本 用材561石・薪28石
栗 24本・112本 用材83石・薪31石
峯張 2本 用材9石
楢 414本 薪158石
雑木 666本 薪227石
大正11年7月売り払い
林地ヨリ二十五町木馬、木馬六里荷馬車浪江町ニ至ル
③
赤松 11本・7本 用材63石・薪13石
欅 1本 用材7石
栓 2本 用材4石
楢外一 1345本 薪2025石
雑木 42本 薪14石
大正11年7月売り払い
林地ヨリ五町木馬出シ、六里半川俣町ニ至ル、馬車ニ依ル
④
栗外二 8本・807本 用材90石・薪2990石
雑木 860本 薪1201石
大正11年10月売り払い
林地ヨリ十五町木馬、川俣町へ六里馬車
さすが南津島ですね🤩 昨日検証した大字赤宇木字椚平も多くの薪が産出されましたが、大字南津島字天王山の場合も多くの用材や薪が確認できます。すでに述べたように、浪江駅だけでなく、川俣町にも搬出されています。それにしても天王山からとなるとずいぶん遠いですね。