ゴッドファーザーは単なるマフィア映画では無い フンシスフォード コッポラ監督 | 病気だらけのブログ

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読み専門でしたが、天才・努力家のダンサーながら過小評価されているジョルジュ・ドンの事を書くために始め、洋楽、マイケルジャクソン、ドストエフスキー、旅行、ユダヤ資本、政治、経済、社会問題などランダムに書いています。

おすすめするまでも無く、ほとんどの方が見たであろう名作「ゴッドファーザー」について

子供のころ初めてTVで見ても、面白いなぁと引き込まれた映画。

VHSも買いました。

 

 

パートⅠ、Ⅱから年を経てゴットファーザー パートⅢで完となりましたが、単なるマフィア映画では無い、社会的メッセージが詰まった素晴らしい映画でした。

 

ゴットファーザー パートⅢでは、トムヘイゲン演じるロバートデュバルは出演しませんでした。そして、パートⅠ、パートⅡとも演技だと思えないような演技の上手い俳優と撮影によって素晴らしいリアルに感じるような映画になっていたのに、Ⅲに来て、コッポラ監督が演技がお世辞にも上手いと言えない娘ソフィアコッポラ)を魅力的で美しい箱入り娘役(主役の愛娘で重要な役)で使ってしまい、更に彼女が恋する相手の役者(アンディーガルシア)もオーバーアクションで目立ちすぎ、演技くさい演技をする俳優で、Ⅲはメッセージ性はあったものの、映画として、リアル感が乏しく感じられ、重厚感もなくなりしらけが入ってしまったのが残念です。

 

映画監督が選ぶおすすめ映画にも、ゴッドファーザーパートⅠ、Ⅱが上位に入っているのにⅢが無いのはキャスティングミスだと思います。

ソフィアコッポラさんの演技を良くないと書いてしまいましたが、監督業では活躍されています。

 

アルパチーノ演じるマイケルに「お父さんは法律を学ばせ議員にしたかったんだ」と次男が告げてるので既にパートⅢまでの構想、社会的メッセージが考えられていたんだと思います。

 

マフィアは人のお金を非合法的に暴力的に脅してとり最低の組織と思われ軽蔑されていましたが、Ⅲまで見れば、最も悪いのは、姿をあわさず、社会的地位の高い黒幕で彼らは自分たちは安全な場所にいて、都合が悪ければ、バチカンのトップも殺してしまう人たち。でお世間では賞賛されていて、宗教の上層部や議員とか大きな資金力を持った金融資本(閨閥)が真の悪だ(映画では触れていないけど、戦争をおこす元)というメッセージを伝えていたと思います。

 

アルパチーノは勿論、妻役のダイアンキートンの演技も素晴らしいです。

アルパチーノは背が低いのに、マフィアのボススとして威厳があり、迫を発する(背が低いと一般的に見た目的な迫力には欠けハンディなのに)

 

パートⅠの終わりに、兄弟が集まり 兄のソニーが「日本が真珠湾を攻撃しやがった」と怒りますが、兄弟の中の頭脳 トムヘイゲンが「あれは経済封鎖をされたから仕方が無かったんだ」的なニュアンスのことをいいました。

長男ソニーはかっとなって、深く考えない人として描かれ、日本が攻撃してきたと信じるアメリカ人。Ⅱではそれが元ではめられて殺されます。

次男は(養子)、弁護士でコルレオーネ家の相談役・頭脳。

 

日本の真珠湾攻撃について、長男と意見が違っても次男の意見の方が正しいと見る側は感じる。そこも監督は考えて意見が食い違いながらさらっと伝えたいことを伝えたと思います。

 

アメリカがWWⅡの参戦に反対している国民に参戦ムードを高めるには、攻撃されたと言う口実が必要でした。ルーズベルト大統領は大変な日本嫌いでした。

真珠湾攻撃は参戦には必要だったので、アメリカにとって今でも仕方なく戦争に参加した口実にするには大事な「真珠湾攻撃」ですが、その真実(奇襲攻撃で無い)を、アメリカ人である監督が、あのゴットファーザーの中で、少しだけでも残してくれたのは嬉しいサプライズでした。監督の教養と正義感を感じました(アメリカ人の多くが、真珠湾は奇襲攻撃され、核兵器使用はやむを得なかったと信じている)。

 

同じコッポラ監督の地獄の黙示録も、反戦映画だと思います。

 

社会性のある素晴らしい作品だと思いました。