既得権益と恐竜の絶滅
こんなとき、あんな本

組織の盛衰 堺屋 太一

 大企業病と言われ始めたころに読んだ。
高度成長を経て発展してきた大企業は、環境への最適化を図ってきた結果、
大企業病という「死に至る病」に罹っていませんかと。

 この警告は今になっても通じるものがあります。
一読を薦めます。

 恐竜は何故絶滅したか。
恐竜は環境に最適に順応した。
ユカタン半島に落ちた隕石が環境を激変させた。
既存の環境に順応した恐竜は、激変した環境に対応できずに絶滅した。

 巨大組織の「死に至る病」の兆候

①機能体の共同体化(注)
  年功人事、情報の内部秘匿、総花主義(集中の不能)
②環境への過剰適応
  恐竜の絶滅、優秀な人材の収集(試験の出来る人)
③成功体験への埋没
  特殊事情は二度いうな

 ならないための点検

 点検1:仕組みを点検する
①現に行われている仕組みがどの様な理想を持って作られ、どの様な目的
 を持ったものか捉える
②現にある仕組みがどの様な環境に対して作られたか捉える
③現にある仕組みがどの様な結果(効果)を産んでいるか捉える

 点検2:気質を点検する
①構成員の士気
②組織の協力度
③命令実行度

 点検3;倫理を点検する
①腐敗はないか
②倫理の逸脱
  世間一般の常識に当該組織の中の主観が大きく乖離していないか
③倫理の頽廃
  何が正しいことか組織全体が分からなくなっていないか

注:
機能体:外的目的達成が目的、最小の負担で目的を達成
共同体:構成員の満足が目的、終身安住、内的評価