ある日のツレとの会話

ひらめき「ねぇ、今度あの店行ってみない?」
凝視「あの店って?」
あんぐり「ほら、あの八重洲ミッドタウンの大きい豚肉の店っ!」
よだれ「ああ、あのフレンチの!」
指差し「うん、それそれ」

我が家では決して名前で呼ばれたことがないレストランがある




そのレストランの名前は「Aux Delices de Dodine」

八重洲にある東京ミッドタウンにあるビストロである

名前で呼べないのは食べログの表記もお店の看板もアルファベットで読み方がわからないからだったネガティブ




口コミによると、ここの名物の厚切り豚のローストは12:00過ぎると売り切れになってしまうことがあるので開店前に並んだ方が良いらしい

開店が11:00なので10:30を目指して行ったが電車遅れで10:45に到着

既に15人近く並んでいた驚き




ビルの中だが木枠の窓がついていて、そこから店内を一望できる

一軒家のレストランを外から覗き込むような心憎い演出だ
 



この日は6月にも関わらず35度を超える暑さだったのでTシャツできていたが、店内はカジュアルな雰囲気なので一安心

席はカウンターもいれれば20席はあるのでなんとか1巡目で入店できた


 

並んでいるときに紙に印刷されたメニューを渡される

メニューの上部にはレストラン名も印刷されていた

ここで初めてレストランの名前が「オデリス ド ドディーヌ」であることを知ることになる

ただし覚えられないので、今後も我が家ではこのレストランが名前で呼ばれることはおそらくない

前菜+メイン+パン+消費税込=¥1,500

+¥300で前菜のサラダとスープ両方頼むことにした

小学生でも分かる超明朗会計だ



【アイスティー】

アイスティーが無料で付いてくるのは嬉しい

3人でボトルが2つもある


【彩り野菜のサラダ】

たっぷりの生野菜と蒸し鶏のスライスが入ったサラダ

フォークから逃げていく細切りのにんじんや水菜を口まで運ぶのに苦労していた私を横目に…

ツレは蒸し鶏で壁を作って、そこに野菜を固定させてフォークですくい上げる、という神業を編み出していた

私は蒸し鶏を最初に食べてしまっていたので後の祭りだったのだが…真顔



バケットは一人一切れのみついてきた

凝視「これお代わりできるのかな…」
あんぐり「聞いてみれば?」

このときはまだ、これから起こること予期しておらず、脳天気な心配をしていた…


【カリフラワーのポタージュ】

カリフラワーの甘みとオリーブオイルの辛みがアクセントになっている冷製ポタージュ

前菜のサラダかスープどちらか選べと言われたら迷わずこれを選ぶべきだろう



【厚切り豚ばら肉の旨味たっぷり赤ワイン煮込み❶】


わたしがチョイスしたメインの皿

上から眺めると普通の肉の煮込み料理だが…



【厚切り豚ばら肉の旨味たっぷり赤ワイン煮込み❷】


横からの眺めはまるで肉のエアーズロックであるよだれ

巨大な豚の角煮の如く煮込んだ肉は柔らかくて美味しいが、何より特筆すべきはそのソースだ

玉ねぎを細かくして煮込んだ甘みと仄かな赤ワインの香りと豚肉の旨味が味わい深いソースを作り出している

添え物のマッシュポテトやバケットとの相性も抜群だ




【厚切り豚のロースト マスタードソース❶】

こちらはツレがオーダーした、この店を開店時間前から行列のできる店たらしめた名物料理である物申す

上からみると単なる野菜の乗ったローストポークだが…



【厚切り豚のロースト マスタードソース❷】



横からみると目を疑った

まるで肉のグランドキャニオンだよだれ

肉を少し分けてもらって口にいれると、柔らかくジューシー

ローストする時に、肉汁と旨味が閉じ込められている

ほぼ90%ぐらいのお客がこれを注文していた

驚くべきは、客の多くが女性なのに、300グラムは楽にあるだろうと思われる肉を皆完食していることであった

ツレは半分ほど肉を食べたところで、ナイフを持つ手の上腕二頭筋がぷるぷるし始めていた

バケットが小さいのも素直に納得である



「オデリス ド ドディーヌ」はランチメニューの厚切り豚肉のローストが有名だが、天邪鬼な私は敢えて別のメニューに挑戦した


肉の旨味では厚切り豚のローストに軍配を上げるが、ソースは厚切り豚ばら肉の煮込みのほうが美味しかったように思う


メインはどれを選んでも恐らくハズレはないので、少食の人はロースト以外にすることをおすすめする