東京駅の八重洲口に降り立つと
かつての「鉄鋼ビル」や「ヤンマービル」の面影はなく
日本有数の摩天楼が立ち並ぶエリアへと
変貌していた


八重洲ミッドタウン   大丸入口    東京駅八重洲口


そんな東京駅八重洲口の「大丸デパート」の

最上階のフロアー、地上から88 mを

占領しているレストランがあった


XEX TOKYO  Salbatore Cuomo Bros


ナポリの著名料理人

サルヴァトーレ•クオモがプロデュースする

イタリアンレストランだ



エレベーターホールからXEX東京のエントランス


東京駅八重洲口のインバウンド観光客でごった返す

地下街からエレベーターで最上階へと昇る


そこには、真っ黒な壁に囲まれて

心と静まり返った別世界がひろがっていた


「今夜は貴族になろうぜ!」


これを合言葉にここまでやって来た我々で

あったが一瞬たじろぐ




新丸の内ビル と新幹線ホームを窓から望む


すべての席は丸の内ビルや皇居方面に広がる

全面ガラス張りの窓に向かっている


幸運にも窓側席に着席する


眼下には東京駅新幹線ホームが

美しい段々畑のように広がっていた


遠くには新丸の内ビルの背後の皇居や

新宿のドコモタワーの

ライトアップまで見渡せる


おそらくは、ここでしか見られない光景だろう






コースメニューを眺めると

「デグスタツィオーネ」


呪文が書かれている


これは、簡単に言えばシェフの厳選した

料理をちょこっとづつ

何種類も試食する、ということらしい


コーヒー•紅茶を除けば6コースメニューとなる

それも頷ける




antipast 前菜


桜鱒のクルード

 ホワイトアスパラ

 日向夏



ヨーロッパでは「貴婦人の指先」「食べる象牙」
とも呼ばれるホワイトアスパラ

春先になると、これを食べるために
旅行する人もいるらしい

サーモンの塩味と日向夏のシンプルな味付けが
春を感じさせ
このあとの料理への期待がふくらむ



antipast 前菜


丹波黒どりのインボルティーニ

春豆

桜海老のビスク



UFO型の茶色いお皿から
海老の薫りが鼻をくすぐる

上品な和食のような見た目




pesce  魚


真鯛のヴァポーレ 蛍烏賊 蕗の薹バーニャカウダ


真鯛は身はふっくらと、皮はパリッと

細心の注意をはらって焼き上げられている


真鯛のシンプルな味付けに

蕗の薹のほのかな苦味がアクセントとなっている






primo  1皿目


春貝の軽いラグー

韮とペストジェノベーゼ

トロフィエ



赤貝とつぶ貝を煮込んだ

ジェノベーゼソースのパスタ


トロフィエは細く捻れたショートバスタ


仄かに貝の内臓の旨味が

感じられて美味しい




second  メイン


オーストラリア産仔羊のグリリア

そのスーゴとペペローニプレ


脂身の多い骨付きの羊肉を豪快に焼き上げている

ペペローニの色と思われるドロっとした
不思議なソースが
羊の脂身を打ち消して美味しく食べられる


dolce  デザート


いちごのソルベ フロマージュブランのムース

カルダモン香るスキューマ


最後はランチでいちごブッフェをするほど

レストランが力を入れている

苺を使用したデザート


甘いだけではなく

しっかりと酸味が残る苺と

泡の食感が心地良く

見た目も味も両方たのしめる




普段はB級グルメ生活をおくっているが
この日は私が節目の誕生日を迎えた
ということもあり
家族から1日貴族体験をさせてもらった

カメリエーレさんがやってきて
ローソクに点火
「〜さん、お誕生日おめでとうございます」
と言われ、周囲から拍手されたときには

ドギマギしてしまった驚き

これが世にいうサプライズというやつか…