蛇口を閉めないで
私の仕事は民間救急なのですが、仕事に使っている車両は大手自動車メーカーの特装車です。
ベースになっているのは商用バンなので、保障の関係もあるので点検の都度、メーカーディーラーに持って行っています。
ここのメーカーディーラーとは、実は20年来の付き合いなので顔なじみも多く、今までは超アットホームな感じでした。
しかし、コロナ禍(正確に言うとワクチン禍)に入ってからはアレが蔓延り、本当にもう、色々大変です。
過去あった出来事の一部はこちら。
それで今回もまた面白いことがありました。
私の車には酸素を固定する器具がついているのですね。
画像で見てもらった方が分かりやすいと思います。
使用する場合はここから出して、ストレッチャーのボンベ架に入れたり、ボンベ用バッグに入れたりして、使用が終わったら補充してまたここに戻す、みたいな感じです。
ある時、走行中に車内からカタカタという異音がするようになって、メーカーディーラーに見せに行きました。
まずはメカニックに後部座席に乗ってもらい音の場所を特定し、修理をしてもらう段取りに。
メカニックさんはすぐに「ここですね」と言って場所を特定してくれたのですが、その場所というのがこの酸素の固定具。
安全上問題はないものの、やはり異音があると気が散りますので、正式に修理の依頼を出しました。
ロビーで時間を潰す事約1時間。
メカニックさんが満面の笑みで作業終了の報告をしてきます。
私「ねじが緩んでたんですか?」
メカ「緩んでいたわけではないですが、酸素ボンベは重たいので引っ張られて音が鳴っていました」
メカ「素手では無理なのでモンキーという器具でギューーっと締め直しておきましたのでしばらくは大丈夫だと思います!」
メカ「また音が鳴りだしたらいつでも来てください!」
とても素敵で頼もしい笑顔でそう言ってくださり、私もホッと安心して、工賃の6千円ほどを支払いお店を後にします。
数日後、酸素を使う仕事があったので、ボンベを取り出そうとしたところ
ん??
なんかめちゃくちゃ硬い。
もう一度写真をご覧頂きたいのですが、
真ん中にハンドルノブが付いていますでしょ。
あれを回して締めたり緩めたりして酸素を取り出すのですが、そこのノブが回らないほど硬いのです。
タオルを噛ませて力いっぱい回して、なんとか取り出すことが出来ました。
搬送が終わり、固定具に戻して走行すると、再び異音が鳴り始めます。
え?
もしかして締めたのって、そこ??
そういう問題じゃないのですよ。
なので後日、車検のタイミングで再び言いました。
私「異音さえ鳴らなければいいので、緩衝材とかで何とかなりませんか?追加料金払いますので」
営業「はい!何とかできるかやってみます!」
そして車が戻って来て営業はこう言います。
営業「しっかりまた締めておきましたから、しばらく大丈夫だと思いますよ!」
見てみると、確かに緩衝材を貼り直してくれているものの、またノブがギチギチに絞められています。
いや、ネジがバカになるからやめて?w
という声を押し殺し、私は悩みました。
言葉(真意)が伝わらない・・・
酸素の固定具だから、ちょっと皆さんには伝わりづらいかもしれませんが、私の心境を例え話にさせてもらうとですね。
家の水道が水漏れしました。
水道屋さんを呼びます。
水道屋さん「モンキーでしっかり蛇口を締めておきましたから、また漏れたらいつでも言ってください!」
いざ蛇口を使おうと思うと硬くて回らない、やっとの思いで回したら、また水漏れが起こる。
いや、パッキン交換してくれる???
みたいなことです。
最近のメーカーディーラーは様子がおかし過ぎるので、もう頼らず自分で何とかしようと思い、じっくり検証してみました。
音が鳴っているのは酸素ボンベを固定する側ではなく、固定具と車を結合している部分からでした。
決して緩んでいるわけではないものの(ガチガチに固定されている)、金属と金属ですから、ほんの1mmにも満たない遊びが生じるだけで、異音がしてきちゃうのでしょうね。
なので私はホームセンターに行き、固定具と車本体との隙間に、緩衝材をねじ込んでみました。
直りました。
なぜノブをギチギチに絞めると音が止んでいたのかは、重たい酸素ボンベのふれ幅が無くなることで、音が出ている場所に伝達しなかっただけ(つまり根本的に対処が間違っていた)。
方やメーカーディーラーには1万円ちかく支払い蛇口を締められただけ、でも結局自分でやったら120円で直るという。
出来る事は自分でやる
こんな事がより一層、大事な世の中になりましたね。
ちなみにメカニックって、車のドクターです。
人間の医者でも同じようなことがあったりして・・・
って思うとちょっと考えさせられる一件でした。
おわり