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「財政論まとめ」
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今回はおなじみhimaginary氏のブログから、二つの記事を紹介したい。
ロドリックの十戒
この記事は、私が大変参考にしているグローバリゼーション・パラドクスの著者、ダニ・ロドリックが経済学者向け、及び非経済学者向けにそれぞれ表明した十戒が翻訳されている。
その中で、特に目を惹いたものをピックアップしてみたい。
【経済学者向けの十戒から】
1. 経済学はモデルの集合体である。その多様性を大切にすべし。
2. モデルは一つのモデルであって唯一のモデルではない。
4. 仮定が非現実的であることは問題ない。決定的に重要な仮定が非現実的であることは問題。
7. 経済学者間の意見の一致を、世の中の動きの確度と混同してはならない。
【非経済学者向けの十戒から】
1. 経済学は、予め決まった結論の無いモデルの集合体である。そうでない議論は棄却すべし。
2. 仮定がおかしいという理由で経済学者のモデルを批判してはならない。ある問題含みの仮定をより現実的なものにした場合に結果がどう変わるかを問うべし。
6. 経済学者がある提案を行った時には、その提案の背後のモデルがなぜ現下の問題に適用できると確信したのかを問うべし。
7. 経済学者が公けの場と教室で話が違うことがあるのに注意すべし。
これら以外の戒律については、元ページの方をご確認願いたい。各人にとって、また別に示唆的な戒律に出会えるかもしれない。
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経済学における大きな事実
アメリカの経済評論家:クリス・ディローの記事の翻訳である。
ディローはこの記事で「こまごまとした現象への説明より、重大事実へ説明を付けることの方が重要視されるべき」という趣旨を述べている。
そうした「各種モデル・学説が説明可能でなければならない4つの重大事実」として
①ファンドマネージャーは市場に勝てない
②失業者は就業者より顕著に不幸せである
③主流派経済学の予測者は一貫して不況の予測に失敗している(2008年に始まった話ではなく、それ以前から)
④生産性やGDPの成長率の顕著な鈍化は、(上位1%の所得比率でみた)格差拡大に続いて起きた
を挙げている。
これに限らず、重大な事実への説明を回避ないし放棄して、それでもなお自説の正当性を喧伝する向きは枚挙に暇がない。そうした知的欺瞞には、常に警戒しておく必要がある。
(以上)