子宮頸がんの原因と初期症状は?検査結果の見方も解説! | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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立憲民主党世田谷区議会議員

介護福祉士・ケアマネジャーの中塚さちよです。

 

本日は区議会第1回定例会の一般質問に登壇し、

がん先進医療に関する質問をしました。

 

先日行わせていただいた区政報告会で、

参加者の方々には、

3年前の選挙の際の体調不良の原因が

検査の結果、実は

子宮頸がんだったことが判明した旨

ご報告をさせていただいたところですが

議場で、自身の子宮頸がん経験に触れたのは

初めての気がします。

 

今回の記事は、報告会の補足も兼ねて、

若い女性に増えているという

「子宮頸がんの原因と初期症状は?検査結果の見方も解説!」

という内容で書かせていただきます。

 

■子宮頸がんの原因は?

子宮頸がんになる主な原因は、

HPV(ヒトパピローマウイルス)という

ウィルス感染によるものです。

 

HPVは、性交渉が原因で感染する

ウィルスです。

 

そのため、子宮頸がんには

性交渉経験が多い人がかかるという見方もあり

=遊んでいる女性の病気!?

と、時として偏見につながっているのですが

 

厚生労働省の資料には、

性活動を行う女性の50%~80%以上が

生涯で1度はHPVに感染するという

推計も報告されていることから、

必ずしも、性交渉経験の多い人ばかりが

ウィルス感染しているわけではないようです。

 

子宮頸がんの原因となるHPVに感染しても、

多くの場合は、

人にそなわっている免疫機能により

自然とウィルスが排出され

がんにはならずにすむのですが

免疫機能の低下などで

ウイルスが自然に排出されず、

数年から十数年持続的に感染した場合に、

がん化することがあるとのこと。

 

ウィルス感染から数年~十数年と

長い日数を経て子宮頸がんになるなら

私はいったいいつから感染していたのか!?

何年も何十年も

子宮頸がん細胞と共存していたのかと思うと

今さらながらゾッとします…

 

■子宮頸がんの初期症状

子宮頸がんは、初期症状に乏しいがんです。

 

ウィルス感染した後、数年~十数年、

前がん状態である「異形成」を経て、

がんが進行してくると

以下のような初期症状が現れます。

 

・不正出血
・性交時に出血

・おりものの量が増える。

・普段と違うおりもの(水っぽいなど)

・生理時の出血量が増える。
・生理の期間が長くなる。
・おりもののにおいが強くなる。
・腹痛、腰痛など

 

しかし、これらの初期症状も

個人差があるようで、

実際わたしも、現れなかった症状が

多数あります。

 

ウィルス感染してもわからないばかりか

いつのまにかがんに進行していても

症状に乏しくわかりにくい子宮頸がん。

症状に気づいたときには、

すでにがんが進行しているという事も

少なくないようです。

 

なので、症状が全然なくても

子宮頸がん検診を定期的に受ける

ことがとても大切です。

 

■子宮頸がん検診と検査の種類

子宮頸がんは、検診で早期発見ができます。

初期の子宮頸がんは、高い確率で根治できるがんになります。

 

しかし進行したステージで見つかると、

根治できなかったり、

根治のために子宮摘出や

卵巣に放射線を当てたりして

妊娠出産ができなくなってしまう

といった問題があります。

 

HPVウィルス感染は

多くの女性が経験することだけに、

できるかぎり検診を受診して、

初期のうちに発見・治療したいものです。

 

子宮頸がん検診は、

世田谷区も含め多くの自治体で

無料や低廉な価格で受診できる

クーポンを発送しておりますので

ぜひ、ご活用ください。

 

ちなみに世田谷区ではいつクーポンを

発送しているかというと

 

・20~39歳の女性区民 → 毎年

・40歳以上で偶数年齢の女性区民

 → 2年に1回

 

上記の方々に、毎年6月にお送りしているようです!

 

子宮頸がん検診における検査は

まず「細胞診」、

異常があり精密検査の対象になれば

「コルポスコープ診」

「組織診」

3種類の検査を行います。

 

細胞診は、子宮の入り口を綿棒やブラシの

ようなものでこすって細胞をとり、

顕微鏡で正常な細胞か、

異形成がないかどうかを

確認する検査です。

 

異形成というのは、

細胞の顔つきが正常でなく、

初期の子宮頸がんの一歩手前の

状態のことです。

 

コルポ診は、

コルポスコープ(膣拡大鏡)で

子宮の出口部分に異常がないか

確認をします。

 

組織診は、コルポ診で怪しい箇所から

組織を切り取り、専門の病理医が

さらに詳しく顕微鏡で検査します。

 

細胞診、組織診、コルポ診ともに

短時間で、通常は苦痛も少なく終わる検査です。

 

自分が子宮頸がんになったことを

周囲の女性に話したら、

何人もの方から、自分も子宮頸がんの

初期の治療を受けたという声をお聞きしました。

 

症状もなく、検診で見つかるような

初期の段階であれば、

日帰りや1,2泊程度の日数で治療可能、

妊娠出産ももちろん可能なので、

身近な方でも言われないと

気づかなかったりするんですね。

 

それくらい、子宮頸がんはめずらしくない

病気なので、皆さん気になる症状はなくても

検診、検査は極力受けてくださいね!

 

■細胞診検査結果の見方

子宮頸がん細胞診の検査結果は、

以前は「クラス分類」といって

クラス1、クラス2、クラス3、クラス4・・ という形で

結果が報告されていました。

 

これは、素人が聞くと

がんの病期(ステージ)と混同されることもありました。

 

たとえば、クラス1、2、などは、大概の場合

がんではないのですが

ステージ1、ステージ2のがんと

勘違いしてしまいそうですね。

 

しかし2008年以降は、

国際基準の新しい見方である

「ベゼスダ・システム」が採用されています。

 

ベゼスダ分類による子宮頸がん検診の結果の見方は、

子宮頸がんの2つのタイプ(扁平上皮癌、腺癌)を

区別した、より正しい見方となっています。

 

【扁平上皮癌タイプ】

※SIL=扁平上皮病変

 

・NILM(異常なし)

・LSIL(軽度異形成上皮)

・ASC-US(LSILと思われるが 

それ以下の時、それ以上の時がある)

・ASC-H(HSILが最も考えられるが

それ以下の時も、それ以上の時も

あるかも知れない)

・HSIL(中等度異形成上皮

あるいは高度異形成上皮

あるいは上皮内癌)

・SCC(扁平上皮癌)

 

【腺癌タイプ】

・NILM(異常なし)

・AGC(腺異形成)

・AIS(上皮内腺癌)

・ Adenocarcinoma(腺癌)

 

子宮頸がんの検診結果の見方、

わかりましたでしょうか!?
 

検査結果は、時間の経過によっても

変わってきますので、

1度だけでなく、やはり継続して

検診を受診し

結果を確認することが大事といえますね!

 

■子宮頸がんのステージの見方

子宮頸がん検診後の精密検査の結果

がんが強く疑われる場合、

内診、超音波検査、CT検査、

MRI検査、PET検査などを行って、

がんのステージを確定させます。

 

子宮頸がんのステージは

Ⅰ期からⅣ期までありますが

それぞれ進行度に応じて以下のように

分類されます。

 

※0期 上皮内癌

Ⅰ期(Ⅰa1期、Ⅰa2期、Ⅰb1期、Ⅰb2期)

Ⅱ期(Ⅱa期、Ⅱb期)

Ⅲ期(Ⅲa期、Ⅲb期)

Ⅳ期(Ⅳa期、Ⅳb期)

 

子宮頸がんのステージで特徴的なのは

他のがんにはない

「0期」というステージがあることです!

 

これは、初期のさらに前の段階、

「前がん病変」とも呼ばれており

検診でこのステージで発見できた場合は

「円錐切除術」といって子宮の入り口の

一部を切除する手術で

ほぼ100%治すことができるそうです。

 

円錐切除術は、1~2泊でできる手術ですが

このステージ0上皮内癌の治療は

民間のがん保険などでは子宮頸がんとみなされず

保険金がおりないケースもありますので

ご注意ください。

 

■世田谷区における子宮頸がん検診の現状

さてここからは、わが世田谷区における

子宮頸がん検診に関する調査結果を

見てまいりましょう。

 

「世田谷区民の健康づくりに関する調査

(平成27年度)」の結果をみてみますと、

子宮がんの検診を定期的に受けているとする

区民の割合は 32.8%。

 

定期的ではないが受けてい る 34.4%

受けたことが ない 22.8%

受けたことがあるかわからない  3.3%
無回答  6.7%


となっています。

子宮頸がん検診は、無料クーポンの成果もあって

他の部位のがん検診と比べると、

受診率は高い状況です!

 

しかし、世田谷保健所のデータによると

世田谷区の平成25年度の

子宮頸がん検診受診率は 19.4%。

(隔年なので前年に受診した者も含む)

※平成28年度は 19.7%。

 

世田谷区のがん検診受診率は、

全国・東京都と比較して低い、

という残念な結果でした。

 

尚、受診者のうち、要精密検査の対象になったのは

2.8%。

この中から毎年数十件のがんが発見されています!

 

一方、要精密検査の対象になったのに、

その後検査に訪れない方、

訪れたかどうかわからない方が4割以上いるようです。

 

検診の段階で見つかった子宮頸がんのほとんどは、

0期もしくはⅠ期など、根治可能な初期のがんですので、

要精密検査、という結果が出た方も

こわがらずに、また油断せずに、

精密検査には必ず行っていただきたいものです。

 

また、子宮頸がん検診に行かなかった人の

理由のトップは

「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」

で、30.0%。
 

繰り返しになりますが

子宮頸がんは初期症状に乏しいがんです。

 

心配になるような症状があらわれたころには

すでに進行がんになってしまい

子宮摘出、命にもかかわる事態に至る

可能性も低くありません。

 

いつでも、じゃなくてクーポンが来たら

今ですよ今!(古いですが)

 

タイミングをのがしたら、

次のクーポンが来るのは2年後になってしまいますので

ご注意くださいませ。

 

■補足:子宮頸がんワクチン 受ける?受けない?

子宮頸がんは、ワクチンにより予防が可能な唯一のがんです。

 

性交渉を体験する前の学齢期に

ウィルスを摂取し免疫をつくることで

子宮頸がんの予防が可能ということから

平成25年4月1日より、小6~高1の女子児童生徒を対象に

定期予防接種が始められました。

 

有効な子宮頸がんワクチンには、

HPVの中でも子宮頸がんの原因の70%を占めている

ハイリスクなウィルスの型である

16型、18型への感染を防ぐ2価ワクチンと、

これに6型、11型を加えた4価ワクチンがあります。

 

しかし、

ワクチン接種後に痛みなどの副反応の症状を

訴える児童生徒が出てきて、

訴訟にも発展した結果、

同年6月14日には、自治体での

子宮頸がんワクチンの積極勧奨は

中止となってしまいました。

 

世田谷区のホームページにも、

「現在、子宮頸がん予防ワクチン接種については積極的にはお勧めしていません」

http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/105/146/626/d00126439.html

というお知らせがあり、

「定期接種を受けるにあたっては、

その有効性と接種による副反応のリスクを

十分に理解したうえで受けるようにしてください。」

と説明が書かれています。

 

私は、子宮頸がんを経験した立場なので、

もし自分に女の子どもがいたら、

HPVへの感染は多くの女性が経験し、

それがいつがんになるともわからない中で、

ワクチンでがんを防げるのなら

副反応のリスクよりもベネフィットのほうが大きいと

判断し、自費でも、子宮頸がんワクチンの接種を

薦めると思います。

 

ワクチン接種しなくても、

検診で早期発見、治療ができるなら

ワクチン不要では?

検診でいいのでは?

という見方もあるようですが

上皮内癌だと、1泊程度の円錐切除術で

ほぼ100%治るとはいえ、

流産や不妊のリスクが若干上がるようですし、

キャンサーギフトなんて言う方もいますけれど

がんになっていない人に言えることは

がんにかからないことが1番良いこと!

 

本日は長くなってしまいましたが

正しい情報と対応をとれば、

これだけ予防も早期発見も可能な子宮頸がん。

一人でもこのがんにかかる方が少なくなることを

願ってやみませんお願い

 

 

本日の記事は

「子宮頸がんの原因と初期症状は?検査結果の見方も解説!」

でした!

お読みいただきありがとうございます。