平成20年3月 世田谷区議会定例会 02月28日 (環境・街づくり) | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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世田谷区議会議員・ケアマネジャー中塚さちよの活動報告、議会報告、ケアマネのお仕事、日常など

 中塚さちよ  議員 質問に入ります前に、今回の定例会の招集に当たって、特別に区長みずから、道路特定財源への意見表明についてご理解いただきたいとのお言葉がありました。区民生活へのさまざまな影響を心配しての区長の強い思いに、私は国政で道路特定財源の一般財源化を主張している政党の地方議員として応答する責任があると感じました。


 私は、昨年四月の初当選以来、都市整備常任委員会、公共交通機関対策等特別委員会に所属し、いわゆる狭隘道路の解消など、道路整備の区民生活における重要性について学んでまいりました。


 そういった中、修復型まちづくりに係る補助金の延伸、再延伸といった本区の現状等をかんがみますと、道路特定財源の一般財源化は、ピンチはチャンスという言葉もあるように、これまで五年で区切って成果を出さなければならない国や都の補助金の仕組みに引きずられた結果、住民からの不満が、議会への陳情、請願、そして訴訟にまで発展しかねない。そういった本区の道路づくりを、地権者、地域住民の意向を丁寧にとらえながらじっくりと進めていく。あるいは時代の流れ、社会の変化の中で道路の必要性を見きわめていく。そういうことを考えながら、地域の実態に合わせて、より区民の納得のいく道路行政を実現していく一つのよい機会なのではないかと思っています。


 さて、それでは質問通告に従い、まずは交通まちづくりについて何点か質問してまいります。


 現在改定作業中の世田谷区交通まちづくり基本計画素案は、特集号の新聞の折り込みなど広報の成果もあり、先般の公共交通の委員会で、寄せられたパブリックコメントについて報告がありました。そのパブコメの内容に、車中心ではないかといった声も何件か上がっていたのが気になりました。
 計画の中には、今後、くらしのみちゾーンやトランジットモールなど、他都市事例の調査研究やモデル地区の抽出を行うとあります。今後の調査の進め方とこのくらしのみちゾーンなどをどのように活用しながら歩行者優先のまちづくりを進めていくのか。くらしのみちゾーンやトランジットモールというのは、地域の特性やニーズに立脚した道路整備、交通規制等により、安心して歩ける美しい道やにぎわいのある買い物空間を創出するものです。こういったものの活用についてお聞かせください。


 続きまして、交通まちづくりに関連して、会期中に区道認定の審査がされる下北沢駅の交通広場についてお尋ねします。
 本件については既に事業認可がされていますが、乗降客、買い物客など滞留者の多い下北沢駅において、駅前広場は高齢化社会の中でのスムーズな乗り継ぎ点というだけではなく、コミュニティー空間としての活用も期待されています。


 近年の道路構造令改正の動向を見ますと、道路空間の使い方について規制緩和が進められており、平成十七年三月には、国土交通省の道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドラインも策定されています。
 そこでお伺いします。今回整備予定である約五千三百平米のこの広場、地域のために具体的にどのような活用が可能なのでしょうか。ガイドラインでは、道路でもオープンカフェのような収益活動や通行者が立ちどまって休息できる場などにも活用できるといったことが書かれています。例えば、そこに緑を配置するといったことはどの程度できるのでしょうか。


 昨年の第二回定例会において、私が下北沢駅の小田急線上部利用について質問した際には、さまざまな手法で住民参加を進めていくとの答弁でしたが、住民参加と言いながら、何ができて何ができないのかの意見交換がなく、まず道路として認定をして、後からできないことばかりというのは、プロセスとして不適切と思います。具体的なご説明をお願いいたします。
 もう一点、交通広場に関連して、区画街路一〇号と補助五四号の設計について安全性の観点からお尋ねします。


 我が国の交通事故の約六割は交差点で発生しています。したがって、平面交差の計画、設計においては、安全性の確保に十分配慮しなくてはなりません。道路構造令の解説と運用では、鋭角交差は回避すべきものの一番に挙げられているのですが、この交通広場の事業平面図では、区画街路一〇号と補助五四号が鋭角に交差して、見通しが悪くなっています。また、歩行空間として広く歩道がとってありますが、既設道路との関係で、歩道の両側が車道と接しているところもあり、一見して、歩行者にとっては危険なように思いました。交通まちづくり基本計画素案で掲げられている目標、自動車交通と歩行者、自転車が入り乱れない安全で快適な歩行空間の形成という目標を実現するためにも、区道認定に当たっては、そういった観点から、この道路、広場の設計を再度検討すべきと思いますが、設計の見直しというのは可能なのでしょうか、見解をお聞かせください。


 次に、福祉移動サービスについてお聞きします。


 交通まちづくり基本計画素案では、公共交通のユニバーサルデザインということが課題の一つとして挙げられており、移動困難者を対象とした、NPO等による福祉移動サービスを支援していくとあります。
 本区では、福祉移動支援センターの開設後一年がたち、移動困難者のトリップ数が増加するなどの成果が上がっていますが、多様な事業主体がかかわるセンターの連絡会やワーキングにおいて意見の集約はなかなか大変です。また、プロポーザルで期待されたセンターの役割が果たし切れなかったことに加え、利用者のリピーターが少ないなどの課題も明らかになってきました。
 次年度は、センター事業の予算、人員の見直しが行われる中どのような事業内容を実施していくのか、お聞かせください。


 NPOの福祉移動サービスは、もともとはボランティアから始まり、民間のタクシー会社とは趣旨の異なるものです。しかし、時代の流れに逆行している国土交通省の道路運送法の改正など福祉移送に関する規制の強化により、NPOといっても、民間タクシー事業者等と競合していかなくてはならなくなりました。
 そこで、昨今ではさまざまなギャップが生じています。利用する側は通常のタクシーサービスと同様に利用料を払っているという認識であっても、働く側では、その収入で生活をしている人ばかりではなく、ボランティアという認識であったりといったギャップなどです。


 運営側としては担い手確保のため、まずは気軽に応募してほしい、でも、やるからには責任は重い、そして給料は安いというのは、福祉現場に共通する悩みと言えるでしょう。コストにサービスが見合わないとき、利用者はサービスから離れていきます。そして、責任の重さと得られるもののギャップが耐えがたくなったとき、担い手は現場から立ち去るのです。
 質、量ともに充実した福祉移動サービスの担い手を育成していくため、今後、区としてどのようにセンターやNPOを支援していくのか、お聞かせください。
 最後に、公衆浴場でのたばこについてですが、次年度の予算案で、クリーンエネルギーへの転換を目的とした公衆浴場の設備改修の予算化が目指されています。それにあわせて、禁煙、分煙を進められないかという趣旨の質問を予定していましたが、これについては、予算特別委員会で詳しく質問をさせていただきたいと思います。


 これで壇上よりの質問を終わります。(拍手)

◎春日 交通政策担当部長 「改定世田谷区交通まちづくり基本計画」(素案)にございます歩行者、自転車優先の地区交通計画につきましてご質問いただきました。
 この地区交通計画は、歩行者、自転車優先の道路空間を形成していくため、住宅地や商店街におきまして警察と連携し、一般車両の流入制限や、道路や沿道の環境整備を進め、交通安全の確保と生活環境の向上を図る取り組みでございます。


 区ではこれまでに、緑道やショッピングプロムナードのほか、桜丘の区民センターや梅丘の総合福祉センター周辺などにおいて歩行者優先の道路環境整備を行ってまいりました。

 今後は、これらの地区の取り組みやくらしのみちゾーンの制度を活用しながら、交通規制を含めてより総合的な交通まちづくりとして、区民、警察、関係所管と連携しながら、歩行者、自転車優先の地区交通計画の推進に取り組んでまいります。
 以上でございます。

◎板垣 道路整備部長 私からは、下北沢駅の駅前広場について、二点についてお答えさせていただきます。
 最初に、広場の活用についてでございます。
 交通広場の役割としましては、鉄道駅における交通結節機能の強化に加えまして、駅周辺の拠点性の向上や、防災機能の強化、都市景観の向上、区民の憩いの場としての活用などさまざまな役割がございます。また、整備に当たりましては、だれもが安心して安全に利用することができますように、ユニバーサルデザインとしての配慮も十分に行いながら整備を進めてまいります。
 完成後には、鉄道とバスや
タクシー等の乗り継ぎ利便性が大幅に向上しますとともに、現在、下北沢駅周辺において不足しておりますコミュニティー空間の創設や、または街路樹などによります緑の確保、景観の向上なども図られるものと考えてございます。


 また、お話にありましたように、国が策定しましたガイドラインに基づきまして、今、各地でオープンカフェなどの社会実験が実施されておりますので、下北沢におきましても、事業の進捗に応じて地域貢献できる道路の利用・活用方法につきまして、地元の意見も聞きながら検討していきたいというふうに考えてございます。


 次に、交通広場の整備につきまして、道路線形についての検討をとのことでございました。
 下北沢の交通広場につきましては、道路構造令などの関連法令や、バス、タクシー等の車両性能なども考慮した上で、交通管理者と協議を行い十分な検討を行った結果、線形や規模を決定したものでございます。
 交通広場の整備に際しましては、それらを踏まえまして、広場を利用するすべての区民が安心して安全に利用することができますよう整備してまいります。
 また、ご指摘のありました交通広場と接続する道路につきましても、路地的要素を生かしました整備を考えていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◎秋山 保健福祉部長 福祉移動支援センターの二十年度の事業についてでございます。
 福祉移動支援センターは、二十年一月末で登録者約七百八十人、介護タクシー事業者が二十一加盟しており、移動困難者の相談や配車、担い手を育成する事業を行っています。配車利用者の約四割が一回のみの利用ですが、実績や事業者の聞き取りなどから、利用者の多くは一度利用したことのある特定の事業者を直接予約する傾向があり、その事業者の予約がとれないときに、移動支援センターに配車依頼をすることがわかってきています。センターからNPOの福祉有償運送への配車については法的に制約されておりますが、利用者の相談内容に応じて相互に紹介するなど協力していくことを、福祉移動支援センターのNPOワーキングで確認いたしました。
 二十年度の福祉移動支援センター事業につきましては、事業内容を精査した上で予算計上を行い、移動困難者の相談、配車、人材育成の基本的な事業を継続してまいります。


 もう一点、福祉移動サービスの担い手の育成についてでございます。
 移動困難者に対して、NPOや介護タクシーなどの福祉移動サービスを供給していくには、担い手の確保及び育成が不可欠でございます。
 区では、福祉移動サービスを行うNPOの運転ボランティアの募集や研修を支援するとともに、法改正に伴い必要となった運転者講習会を今年度実施し、運転ボランティアの活動継続を支援しております。
 福祉移動支援センターは、介護タクシーの運転手を対象とした接遇や介護技術等の研修を実施し、担い手の技術向上を図るとともに、福祉移動サービスを行うNPOなどと協力して活動を紹介しながら、担い手をふやすセミナーの準備を進めているところです。
 今後も区は、NPOや福祉移動支援センターと連携しながら、福祉移動サービスの担い手の確保や育成に取り組んでまいります。
 以上でございます。

 中塚さちよ  議員 それぞれご答弁いただきましてありがとうございました。
 一つ質問させていただきますが、下北沢の駅前広場の活用についてですけれども、今部長のほうから、今後、国のガイドラインに基づき、地元の意見を聞きながら進めてくださるというご答弁がありました。地元の意見というのは、これまで下北沢のまちづくりに関しては懇談会などいろいろございましたけれども、その懇談会の仕組みではまだまだ不十分ではないかといった指摘がこれまであったかと思います。
 そういった中で、地元というのは、具体的にこれからどういった関係団体と意見交換を図っていただけるのか、それについて教えていただけたらと思います。

◎板垣 道路整備部長 交通広場の整備につきましては、用地買収を今始めたところでございまして、まだまだ実態は見えてこないという状況がございます。したがいまして、ある程度の買収が進んできました時点で、地元の商店街や、町会や、いろんな方たちの意見を聞きながら進めていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

中塚さちよ  議員 ありがとうございました。


 いろんな方たちのいろんながどういった方々なのかがちょっと気になるところですが、それはまた予算の委員会のほうで質問を引き続き行わせていただきたいと思います。


 また、道路特定財源については、今回質問という中には入れられなかったので、自分の意見になってしまいましたけれども、今後、こちらも予算委員会の中で、道路特定財源が一体世田谷区の道路づくりやまちづくりのどの事業にどれだけ入っているかということを、私にもわかるようにわかりやすく明らかにしていただきたいということ、また、今後十年間の道路の事業量を、従来ルールで国からどれだけ財源を得たり、それで世田谷区のまちづくりが実現できる、道路づくりを実現していけると考えているのか、そういったこともまた今後議論をしていただければと思います。
 

終わります。