【庁舎問題】車椅子でいく世田谷区役所、バリアフリーレポート(第一回) | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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世田谷区議会議員・ケアマネジャー中塚さちよの活動報告、議会報告、ケアマネのお仕事、日常など

世田谷区議会では、築後約50年が経過する庁舎をどうするか、かねてより議論を重ねてきました。
耐震上の問題などもあり、建て替えを求める声が高まる一方で、厳しい財政状況の中、新たな箱ものに多額の予算を使うことの是非や、現在の庁舎のもつ文化的価値をいかした改修の可能性など、さまざまな議論が議会内外で行われました。

その経緯については、区のホームページhttp://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/1827/index.htmlもご参照いただければと思いますが、平成21年に「世田谷区本庁舎等整備審議会」から区長宛に答申が出された後、行財政の逼迫や区長が変わったこともあり、ここ数年はしばらく建替えについて、あまり話題にのぼらなくなっていました。

しかし、今春で就任後
2年が経った保坂区長も、いよいよこの庁舎問題の結論を見出すべく動き出されているとのこと。

これまでも、区議会の特別委員会や、上記の学識者等による審議会で、じゅうぶんに議論がされてきたところではありますが、今後はこのブログをとおして、区民の皆様と共に、より身近に考えていきたいと考えております。
まずは、障がい当事者である、大学生の永広柾人さんにご協力いただいたレポートを、数回に分けて掲載します。

●第一回:【世田谷区役所~第
2庁舎~】編
二庁1

まず、自己紹介をさせてください。私は、今年の10月で20歳になり、自身は医療的ケアが常時必要な障害※1を持っています。現在、通信制大学に入学して学んでいます。今回、i-link-uhttp://www.trapro.jp/articles/159)という障害のある方の自己実現や就労支援を行っているグループでの活動を通じて、中塚さちよさんと縁があり、世田谷区役所のバリアフリーのレポートをお願いされました。とても光栄でもあるのですが、少し緊張をしていますし、乱筆などあると思いますが、よろしくお願いいたします。



1ウェルドニッヒ・ホフマン病(「脊髄性筋萎縮症1型」)と3歳の時に診断され、移動は車椅子、排泄・入浴などは全介助などの身体的ケアが必要。気管切開をしており、発声と嚥下が可能だが、他者による痰の吸引が常時必要です。



第二庁舎のエントランス:

二庁2

まず、到着して気づいたのは、第二庁舎エントランスのことですが、当日は雨天で、雨よけがなく、車椅子を使う自分や介護者の方や同伴の母は、通常の方よりも手間がかかるため、雨にさらされるということがありました。

他庁舎への移動も、渡り廊下、空中廊下などあれば、助かる方が多いと思います。

エレベーター:

車椅子を押してもらい第二庁舎に行き、エレベーターホールに行きました。まず、2機しかないので、もし混んでいたらどうしよう。これが、少なくとも4機、6機くらいあったら、ホールで待っている時も気が楽なのにと思います。

エレベーター内は、小さくて圧迫感を感じ、エレベーター内が縦長ではなく正方形に近い形なのも手伝っているのか、介助者にお願いしても旋回は出来ませんでした。おそらく、通常の車椅子でも難しいのではないのでしょうか?また、ストレッチャー型の車椅子などは入らず、身体を起こせないような急病人が出た場合はどうするのかなと想像しました。


床のタイル:

車椅子を押してもらっている時に気づいたのですが、庁舎の建物の床全面にあるタイルの目が細かく凸凹からくる振動が辛かったです。フローリング床であれば、少しは心地ちよく移動ができるのかなと思います。

 


照明について:

自分の場合なのですが、車椅子に乗っていて、疲れてくるとリクライニングを使用し、フラットな状態になるので、その時に上の照明が明る過ぎてと目に辛かったです。照明の度合いを少し下げてくださると、ありがたいです。

 


議場について:

初めて、議場に案内していただき感激しましたが、全てが階段であり、スロープがなくて、車椅子を利用する議員などにはあまり歓迎されないのではないかと感想を持ちました。

つづいて、議場観覧席にいくと、角度がきつすぎて、見づらさを感じました。観覧席に入る扉部分に、大きな段差があり、車椅子に限らず高齢者等がつまずく危険があるのではと心配しています。

(バリアフリーとは関連しませんが、デジタル化されていない、議場での場面においてアナログが多く、そのことが情報化と、多くの利用者の障害になっているのではとの印象をもちました。)

 


第二庁舎の1階フロアの通路:
動線が狭く、ゴミ箱、ダンボール箱を壊したそのままの束は清潔感を損なっていましたし、大型のプリンター機器、コピー紙の束や箱などが障害物となり、介助者の方と自分の車椅子、行き違う通行人の方も常に片側通行で通りにくいようでした。内心、ぶつかるのではないかとひやひやしていました。

フロア中に、職員さんが見ないほどプリンター機器やキャビネットなどがあり、熱気が篭っており、風通しのよさを感じまれませんでした。

 


トイレについて:

二庁3車椅子で使えるトイレは、男子・女子トイレがもとからあったものに追加されたもののおうで、狭く、入ることが困難でした。また、自分の大型の車椅子では完全に入ることができなくて、プライバシーが確保できない状態で困りました。

全階にトイレがある必要はないと思いますが、新庁舎には男子トイレ・女子トイレ・福祉(多目的・ユニバーサル)トイレが区別されていて欲しいと願います。