正月休みが明けて少し経った頃、例のオーダーメイドをしたスーツが仕立て上がったと連絡がきた。
雅紀の成人式に間に合うようにと特別に早く仕上げてくれた。
仕事終わりにリハビリをしている相葉総合病院へ雅紀を迎えにいき、そのままスーツを受け取りに行った。
手足が長く、小顔な雅紀には細身のスーツがよく似合っていた。
「着心地はいかがです?」
「もうバッチリです!!」
「よくお似合いですよ」
「ありがとうございます!!!」
「ん。似合うよ、雅紀」
「このままお帰りになりますか?」
「…えっと…翔ちゃん、どうしよう?」
「好きにしていいよ?」
「相葉様は櫻井様に大切にされていて羨ましいです」
「あははは////いや、そんな////」
「で?どーする?このまま帰る?」
めっちゃ照れまくってる雅紀に聞くと、雅紀はなんだかモゴモゴしながら翔ちゃんもスーツだしなぁとかでも汚れたら困るしなぁとか色んなことを言ってめちゃくちゃ悩んでる。
悩んでるってことは脱ぎたくねぇってことだろ?
そんな雅紀を見て店員さんもちょっと笑ってるから目配せをすると、雅紀が着ていた服を手早くかつ丁寧にたたんでお店の紙袋に入れて手渡してくれた。
「ではこちらにご用意しましたので」
「ええっ!!」
「ぶははは。顔に書いてあんだよ。脱ぎたくねぇってさ」
紙袋を受け取りながらそういうと、雅紀の顔がかあああああああーーーっと真っ赤になった。
めちゃくちゃ照れて可愛いの。
じゃ、少しだけデートしますかね?
店を出て車のエンジンをかけて声をかけると、雅紀はコクコクと頷いた。
おいおい、そんなに勢いよく首を降ると、首がへし折れるぞ!?